壺の中にはなにもない

戌井昭人

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784140057131
ISBN 10 : 4140057130
フォーマット
出版社
発行年月
2020年10月
日本
追加情報
:
231p;19

内容詳細

勝田繁太郎(26歳)は、働く意欲がなく、これといった趣味もなく、恋愛経験もゼロで、ただただ平穏にのんびり過ごす日常を愛する男。人に気を遣うことができず、仕事でミスをくり返してもまったく気にしないマスペースさゆえ、彼の周囲では珍事が尽きず、周囲からは疎まれている。だが、高名な陶芸家として知られる祖父だけは繁太郎の人間性に好感を持ち、彼の陶芸の才能を見出していた。陶芸への興味を引き出し、あとを継がせようと画策する祖父の思惑は果たされるのか。そして、繁太郎が成長する日は訪れるのだろうか―。破天荒な祖父との交流と、26歳にして訪れる初恋。笑って、笑って、少ししんみりして、心温まる。世のおかしみと愛すべき人々を、疾走感あふれる筆致でユーモラスに描く至極の長編大衆小説。

【著者紹介】
戌井昭人 : 1971年生まれ、東京都出身。小説家、劇作家。玉川大学文学部演劇専攻卒業。文学座を退所後、97年、劇団「鉄割アルバトロスケット」を旗揚げ。2008年「新潮」掲載の「鮒のためいき」で小説家デビュー。14年「すっぽん心中」で川端康成文学賞、16年『のろい男 俳優・亀岡拓次』で野間文芸新人賞それぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ゆのん さん

    最高に面白かった。主人公の繁太郎…26歳。好きな食べ物は温めていないレトルトカレー。趣味は強いて言えばかるた。なかなか一筋縄ではいかない変わりもの。そんな変わりものが私の気持ちにかなりヒットしてしまった。彼氏や旦那は嫌だけど友達になりたい。一日中、眺めているだけで飽きないだろう。読んでいる最中も、次の言動がまるで予測できない。夢中で繁太郎を把握しようとしているうちに読み終わってしまった。もう一度繁太郎に会いたい。258

  • シャコタンブルー さん

    祖父の繁松郎は一流の陶芸家であり、その破天荒な生活や生き方が魅力満点。それに引き換え孫の繁太郎は優しさだけが取り柄で、生活能力はほぼゼロ。繁太郎のダメさ加減がこれでもかと描かれてるが正直それをほど笑えなかった。察するにこの人は明らかに発達障害だと思えたからだ・・。お見合いのシーンでの噛み合わない会話、焦りまくる周囲を他所に泰然としている繁太郎に同情もしたが、好感も持てた。お見合い後の相手の女性に対する鋭い観察力、洞察力には驚いた。優しい祖父の意思を育んで陶芸家への道を進む繁太郎に幸あれ。

  • 竹園和明 さん

    こういう人いいなぁ。「忖度なんぞ一切しない」と言う強い意志があるわけではなく思いのまま生きているだけ…という感じの、高名な陶芸家を祖父に持つ繁太郎26歳。人に対する気遣いというものを知らずナチュラル過ぎる為、会社でも疎まれるがそれすらもどこ吹く風。祖父は彼に陶芸の才があると見て跡取りに育てようとするが…。べらんめぇ調の祖父と何事にも微動だにしない繁太郎の噛み合わない会話が最高!😄。世間体を気にして萎縮気味の今の人々へのアンチテーゼ作?。何もないと思っていた壺も、これから立派な壺になるよ繁太郎!

  • YAKO さん

    繁太郎と祖父の繁松郎と2人でいるときの空気感がいいなぁって思いながら読んでました☺️ 繁太郎の人間性をわかってるから なかなか伝わりにくいけど、わかると根は良い人 だから助けてあげたくなっちゃう あとダルヌル研究所✨ ここと出会って良い方向に変わってきたのかなぁ これからの繁太郎 頑張って欲しいです✨

  • Kumiko さん

    著者初読み。めちゃくちゃ面白かった。繁太郎26歳、仕事はできないし人付き合いは下手だけど、自分が楽しいと思う事をよく知っている。無理せず媚びず、ただ自分の気持ちに素直。いいなそれ。私も、繁太郎を見習って、楽しいと思う事をしている自分を、もっと素直に楽しませてあげようこれから、と心から思った。多様性?協調性?そんなカテゴリーにはまらない、ただ自由に生きてる繁太郎。そばで見守る人達やミナミさんとの会話も裏表がなく心地良い。お酒の粗相はご愛嬌!

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人物・団体紹介

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戌井昭人

1971年、東京生まれ。文学座を経てパフォーマンス集団「鉄割アルバトロスケット」を旗揚げし、脚本を担当、出演もしている。2009年『まずいスープ』で作家デビュー(表題作は芥川賞候補に)、2014年「すっぽん心中」で川端康成文学賞、2016年『のろい男 俳優・亀岡拓次』で野間文芸新人賞を受賞(このシリ

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