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ヴェーグ四重奏団の芸術(14CD)
英スクリベンダム・レーベルからヴェーグ四重奏団のボックスが登場。内容はベートーヴェンとバルトーク、ブラームスの弦楽四重奏曲全曲のほか、モーツァルト6曲、シューベルト1曲、スメタナ1曲、コダーイ1曲を収めたもので、オリジナル制作は、ベートーヴェンとモーツァルトが仏ディスコフィル・フランセ(EMI)、バルトークが英コロンビア(EMI)で、ほかが英デッカとなります。
録音はどれもモノラル後期にセッションを組んでおこなわれており、鑑賞には問題の無い音質水準が確保されているため、結成からまだ十数年という時期のヴェーグ四重奏団の魅力を十分に楽しむことができます。
シャーンドル・ヴェーグ[1912-1997]は、1935年、23歳のときにブダペストで「ハンガリー四重奏団」を結成、2年後にバルトークと親しかったヴァイオリニストのゾルターン・セーケイが同団に加わると、セーケイが第1ヴァイオリン、ヴェーグが第2ヴァイオリンとなり、ソリストとして名の知れたヴァイオリニスト2人を擁する体制となります。
結成5年目の1940年、ハンガリーが枢軸国だったこともあってか、「ハンガリー四重奏団」は、ドイツによって併合されたオランダに活動拠点を移すことになるのですが、ヴェーグはハンガリーに残る道を選んで退団、リスト音楽院の教授となる一方、自らの名を冠したヴェーグ四重奏団を結成して活動を開始します。
戦争が終わり政情不安が続く中、彼らは西側に亡命し、1946年におこなわれたジュネーヴ国際音楽コンクールで第1位を獲得、1953年にはフランスの市民権を得て、以後、1970年代まで活躍することとなります。
今回のボックスには、コンクール優勝でその実力を披露し、西側でも名を知られるようになった彼らを起用して、1951年から1952年にかけてまずモーツァルトの弦楽四重奏曲を6曲録音、ほどなくベートーヴェンの弦楽四重奏曲全曲録音という大型プロジェクトに取組んだディスコフィル・フランセによる偉業と、デッカによる1952年から1954年にかけてのブラームスの弦楽四重奏曲全曲、シューベルト1曲、スメタナ1曲、コダーイ1曲の録音、そして1954年に英コロンビアが制作したバルトークの弦楽四重奏曲全集が収められており、初期のヴェーグ四重奏団の魅力を、多彩な作品によって味わうことができるようになっています。(HMV)
【収録情報】
Disc1
● ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第1番ヘ長調 op.18-1
● ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第2番ト長調 op.18-2
● ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第3番ニ長調 op.18-3
録音時期:1952年
Disc2
● ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第4番ハ短調 op.18-4
● ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第5番イ長調 op.18-5
● ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第6番変ロ長調 op.18-6
録音時期:1952年
Disc3
● ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第7番ヘ長調 op.59-1『ラズモフスキー第1番』
● ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第8番ホ短調 op.59-2『ラズモフスキー第2番』
録音時期:1952年
Disc4
● ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番ハ長調 op.59-3『ラズモフスキー第3番』
● ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第10番変ホ長調 op.74『ハープ』
録音時期:1952年
Disc5
● ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第11番ヘ短調 op.95『セリオーソ』
● ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第12番変ホ長調 op.127
● ベートーヴェン:大フーガ 変ロ長調 op.133
録音時期:1952年
Disc6
● ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第13番変ロ長調 op.130
● ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調 op.131
録音時期:1952年
Disc7
● ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第15番イ短調 op.132
● ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第16番ヘ長調 op.135
録音時期:1952年
Disc8
● モーツァルト:弦楽四重奏曲ニ短調 K.421
● モーツァルト:弦楽四重奏曲ト長調 K.387
● モーツァルト:弦楽四重奏曲変ロ長調 K.458『狩り』
録音時期:1951-1952年
Disc9
● モーツァルト:弦楽四重奏曲イ長調 K.464
● モーツァルト:弦楽四重奏曲ニ長調 K.575『プロシャ王第1番』
● モーツァルト:弦楽四重奏曲ヘ長調 K.590
録音時期:1951-1952年
Disc10
● シューベルト:弦楽四重奏曲第13番イ短調 op.29, D.804『ロザムンデ』
● スメタナ:弦楽四重奏曲第1番ホ短調『わが生涯より』
録音時期:1952年、1953年(スメタナ)
Disc11
● ブラームス:弦楽四重奏曲第1番ハ短調 op.51-1
● ブラームス:弦楽四重奏曲第2番イ短調 op.51-2
録音時期:1952年、1954年(第2番)
Disc12
● ブラームス:弦楽四重奏曲第3番変ロ短調 op.67
● コダーイ:弦楽四重奏曲第2番 op.10
録音時期:1954年、1953年(コダーイ)
Disc13
● バルトーク:弦楽四重奏曲第1番 Sz.40, op.7
● バルトーク:弦楽四重奏曲第3番 Sz.85
● バルトーク:弦楽四重奏曲第5番 Sz.102
録音時期:1954年
Disc14
● バルトーク:弦楽四重奏曲第2番 Sz.67, op.17
● バルトーク:弦楽四重奏曲第4番 Sz.91
● バルトーク:弦楽四重奏曲第6番 Sz.114
録音時期:1954年
ヴェーグ四重奏団
Sandor Vegh, violin
Sandor Zoldy, violin
Georges Janzer, viola
Paul Szabo, cello
録音方式:モノラル
クラムシェル・ボックス仕様
収録曲順が変更になる場合がございます。予めご了承いただきます様お願い申し上げます。(輸入元より)