父/こんなこと 新潮文庫 改版

幸田文

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101116013
ISBN 10 : 4101116016
フォーマット
出版社
発行年月
2002年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
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追加情報
:
16cm,234p

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幸田文さんの書く文章は無駄が全くなく、描...

投稿日:2012/02/08 (水)

幸田文さんの書く文章は無駄が全くなく、描写が的確で大好きです。ご本人もきっと、さっぱりとした方なんだろうなあと伺えるぐらいです。エッセイであっても、その文章の美しさは健在。お父様である幸田露伴氏にまつわる思い出話はどれも必見です!

peko-rock さん | 大阪府 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • おしゃべりメガネ さん

    幸田露伴の娘「文(あや)」さんが綴る二作品。『父』は文字どおり露伴の病床に伏せてる様子から死を迎え、見送るまでをひたすら淡々と綴るこの上ないリアリティー溢れる一作です。こんなにも死を間近に書いた作品もあまりないのかなと。自分が父または母の最期を看取るとするならば、果たしてどんな思いを抱くのか色々と考えさせられました。『こんなこと』は露伴との何気ない至って平凡な日常をこれまた淡々と綴っています。本作もとにかく文字数が多く、終始ひたすら語り口調なので読みやすくはなかったですが、こういう作品も勉強になりますね。

  • 優希 さん

    父・露伴の最期と、父娘の日常を描いた2つの随筆がおさめられています。表向きは頑固で堅物な露伴ですが、娘に様々なものを残した父親だったのだと気づかされます。刻々と迫る死を身近に見つめ、心に刻んできた父との日々はかけがえのない思い出だったに違いありません。露伴は偉大な父親であり続けたことを偲ぶ想いが伝わってきました。父への愛と反抗に誠実だった姿が目に浮かぶようです。「あとみよそわか」の呪文が印象的でした。

  • ach¡ さん

    父の最期をじっと見つめ、凛と寄り添った娘。その様相だけでなく胸を埋め尽くした念を驚くべき精巧さで遺す。言い回しの全てがイイ。いちいち感嘆して少し読んでは戻るを繰り返す→唸る。そうした反芻ゆえ頁は進まない。一語一句大切に読みたい。(コスパ最高!)ともすればひがみっぽくなりがちな痛々しい内省も、出し惜しみせず潔く晒せば清々しい妙。それも版画のごとき転写を以て。スゴイ!ここに幸田露伴はない。ただ父への思慕に溢れる「娘」と終始やさしい眼差しで娘を見つめる「父」が佇んでおり、その父に磨かれた粋がシャンと息づいている

  • KEI さん

    幸田文さんと言う人は何と強い人なのだろう、何と語彙の豊かな人なのだろうと作品を読む度に感じていたが、本作も同様であった。父・露伴が次第に弱り臥床生活を戦後間も無くの物資の乏しい時に支える姿、その死を描いた「父」。父とのエピソードを書いた「こんなこと」。1番出来の悪い子と言われつつ、家事全般を躾けられ、反発しつつも応え、ある時は父との触れ合いを愉しむ姿に類を見ない絆の深さを感じた。生前の何気ない会話の中で、娘に【その易わんことより寧ろいため】と言う葬い方を伝えた露伴の娘に対する愛情を感じた。

  • Gotoran さん

    先に読んだ梨木香歩著作経由で幸田文著作へ。著者は幸田露伴の娘の幸田文。「父」:父露伴のみとり、介抱、最期、葬送までの記録、病と闘う父を懸命に看病する娘(著者)の姿勢が甲斐甲斐しく健気。「こんなこと」:父の家事の教えの記録、父露伴の厳しい躾(教え)は、家事という表面的ではなく、その奥にある意味であった。日本語の美しさが感じられ、また、現代に忘れがちな、ささやかな日常、昭和初期の生活の様子など、古きよき日本をも感じることができた。

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人物・団体紹介

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幸田文

1904(明治37)年、東京生まれ。幸田露伴の次女。22年女子学院卒業。28年に結婚、29年に玉(青木玉)を出産、38年に離婚し実家に戻る。47年7月、露伴死去。同年「芸林間歩」に「雑記」を発表し、文筆活動開始。49年『父―その死』を刊行。56年『黒い裾』で読売文学賞、『流れる』で新潮社文学賞、73

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