大嘗祭 天皇制と日本文化の源流 中公新書

工藤隆

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784121024626
ISBN 10 : 4121024621
フォーマット
出版社
発行年月
2017年11月
日本
追加情報
:
315p;18

内容詳細

新天皇が、即位後に行う大嘗祭。「秘すべきことがはなはだ多い」とされ、謎が多い。その内容は、豊穣祈願、聖婚儀礼など様々に解釈されてきた。著者は、国家祭祀として姿を現した天武朝から、古墳時代、弥生・縄文時代へと遡って考察し、同時に広くアジアの民俗資料を収集。そのルーツが長江以南地域の古い稲作儀礼にあり、女性原理が濃厚な原初の日本文化と融合したとする。現在に至る日本的心性の基層が、浮かび上がる。

目次 : 第1章 大嘗祭をめぐる基礎知識/ 第2章 大宝律令に見る天皇祭祀の基本構造/ 第3章 大嘗殿でなにが行なわれるのか/ 第4章 神話の中のニイナメ/ 第5章 男王たちとニイナメ/ 第6章 卑弥呼の巫政の体系から神祇令祭祀へ/ 第7章 ニイナメの語源を探る/ 第8章 稲収穫儀礼から天皇位継承儀礼へ/ 終章 日本的心性の深層/ 付章 大嘗祭と現代

【著者紹介】
工藤隆 : 1942年、栃木県生まれ。東京大学経済学部卒業、早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了、同博士課程単位取得退学。大東文化大学文学部日本文学科教員を経て、同大学名誉教授。専攻、日本古代文学。1995年4月〜96年3月、中国雲南省雲南民族学院・雲南省民族研究所客員研究員。主著に『歌垣の世界』(勉誠出版、2015、第33回志田延義賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • かごむし さん

    天皇の代替わりごとに行われる儀式、大嘗祭。自分で思っている以上に天皇という制度、儀式に興味がなく、読み通すのに時間がかかってしまった。ただ、大嘗祭は、稲作農耕文化と密接なかかわりがあるという考察からはじまることで、形式が定まったとされる天武・持統天皇期をさらにさかのぼり、弥生時代まで視野に入れた古代に踏み込んだことは、非常にロマンを感じさせるものであった。また、稲作は海を越えて伝播してきたものであり、大嘗祭の淵源を中国大陸、東南アジアへ到達させることで、空間的にも視野の広さを感じた。有意義な読書であった。

  • yamahiko さん

    大嘗祭の成立過程を、歴史、言語の古層にまで遡り探究する意欲的な作品だと感じました。 左右のイデオロギーを止揚し、天皇制の有り様に一つの指針を示しています。

  • はるわか さん

    アニミズム系の呪術的儀礼を組み込んだ天皇位継承儀礼。古事記、伊勢神宮、和歌文化と同じように大嘗祭の源もその一部は歌垣文化圏・照葉樹林文化圏・兄妹始祖神話文化圏に属し、かつ長江流域文化圏および広く東南アジア稲作文化圏にも属するもの。ムラ段階社会において新嘗祭(ニイナメ)の主役は女。クニ段階社会の男王。673年の天武天皇即位、天武・持統期に大嘗祭の本格整備開始、武力王・行政王としての天皇位継承儀礼:神璽の剣・鏡、神話王・呪術王としての天神寿詞。卑弥呼の巫政(アニミズム系呪術)の体系から神祇令祭祀(唐風)へ。

  • こぽぞう☆ さん

    図書館本。新刊の棚より。オリンピック観てるので、読書が捗らない。来るべき大嘗祭に備えて読んでみた。縄文弥生のアニミズム、シャーマニズムを色濃く残した、新嘗祭、大嘗祭。東南アジアや長江流域などとの共通点も多い。女性天皇、女系天皇への言及もあり。

  • またの名 さん

    食事して布団を敷いて新天皇が何やら門外不出の秘密の行為に及ぶ儀式などと言い触らされてるため下々の庶民的には勝手に妄想を膨らませざるを得ない、大嘗祭の本。そんな秘儀はやってないと否定した公式発表の側に著者も与しつつ、公式本だけでは明らかにならない日本文化の源流がどこから発生してどういう経緯を辿ったかを探る。歴史的考察を中心に進むけれど最後は現状についても語り、実際的には男系天皇死守は皇室を途絶えさせる論理で女系天皇容認は皇室の永続的安定を求めれば出てくると整理(男系死守に逆に乗っかる手もアリに思えてきた)。

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人物・団体紹介

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工藤隆

1942年、栃木県宇都宮市に生まれる。1966年東京大学経済学部経済学科卒業、1968年早稲田大学大学院文学研究科(演劇専修)修士課程修了、1978年同博士課程単位取得退学。1987年より大東文化大学文学部専任講師、助教授、教授を歴任。1995年、中国雲南省雲南民族学院・雲南省民族研究所客員研究員、

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