『細雪』とその時代

川本三郎

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784120053504
ISBN 10 : 4120053504
フォーマット
出版社
発行年月
2020年12月
日本
追加情報
:
302p;20

内容詳細

その美しさ、たおやかさ。谷崎によってしかあの時代の「女の世界」は描けなかった。芦屋、神戸、船場…昭和十年代の風景が甦る。失われてゆくものへの郷愁。

目次 : 女が育てた阪神間文化/ 船場という共同体/ モダン都市大阪の活気のなかで/ 阪神間の文化と神戸/ モダン都市神戸と谷崎の夢/ 神戸で映画を楽しむ蒔岡姉妹/ モダンガール四女、妙子/ 妙子の挫折と受難/ 「芸術写真」を志した板倉/ 外国人との交流と別れ/ 東京での鶴子一家の暮らし/ 芦屋と東京を行き来する雪子/ 縁結びの美容師、井谷/ 阪神大水害/ 愛敬者、お春どんの明るさ/ 美しき桜と螢と雪子/ 迫り来る戦争の影/ 病気小説としての『細雪』/ 戦争への道

【著者紹介】
川本三郎 : 1944年東京生まれ。東京大学法学部卒業。朝日新聞社入社後、『朝日ジャーナル』記者を経て退社。91年に『大正幻影』(新潮社)でサントリー学芸賞(社会・風俗部門)受賞。その後の著作に96年『荷風と東京』(都市出版、読売文学賞受賞)、2003年『林芙美子の昭和』(新書館、毎日出版文化賞、桑原武夫賞受賞)、12年『白秋望景』(新書館、伊藤整文学賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • コットン さん

    船場の旧家の没落という滅びの美学を描いた谷崎潤一郎の『細雪』について掘り下げた解説本。あまり注目されないだろう妙子を好意的に紹介したり恋人のカメラマン板倉やカメラについての話なども興味深い。

  • たま さん

    『細雪』を手がかりに、当時の阪神間の地理、歴史、風物をたどる本。雑誌連載のため繰り返しが多く、川本氏の人物評や家制度下での結婚についての理解に違和感もあるが、地図(長いあいだ疑問に思っていた細雪の家の在処も記されている)や図版が参考になるし、取り上げられた写真や映画等の風物、神戸の外国人の紹介等も面白い。谷崎が震災後関西に移住したおかげで、戦前の関西の消費文化が奇跡的に書き残された。東京が舞台の『細雪』的風俗小説があれば読んでみたいものだが、今思い浮かぶ作品はどれも2・26事件の影が射しているようだ。

  • koji さん

    川本三郎さんが描く「細雪」論ときたら、読まない訳にいきません。隙間時間に貪るように読んで3日で読了しました。私は、NHKBSドラマ「平成細雪」に触発されて原作を読み読メレビューを書きましたが、本書は、当時の世相、雰囲気を背景に原著を解題しています。とりわけ川本さんが語る「京阪神間の人々の暮らしぶりや、登場人物の描写」は、私の理解に深みを与えてくれました。芦屋川、夙川、三ノ宮辺りは瞼に浮かぶようです。それにしても、川本さんの「細かい註をつけていく」文学・映画論は、何と私に親和的なものか。至福の読書時間でした

  • katashin86 さん

    失われゆく美しき花園としての上方旧家の「女の世界」を描いた、大谷崎の代表作『細雪』の解説書。 小説世界と当時の実際の社会風俗のズレからみえる谷崎の描写の意図、著者が気に入っているという末娘・妙子を軸とする話の流れ、東京と阪神間を往復する物語の構造など、この美しい小説の魅力をひとつひとつ解題してゆく。細雪ファン必読の一冊。

  • hitotak さん

    戦前・戦中の阪神間文化と上流階級の暮らしぶりについて詳しく解説される。『細雪』というと雪子の見合い話が話の中心であり、映画でも主役級の女優が演じてきたということもあり、雪子について多く語られてきた。著者は妙子びいきで、読者には気ままな奔放キャラとしてすっかり定着している妙子を、その自立心ゆえに様々な事件に見舞われているととらえて同情的であるのも新鮮な見方で面白く読んだ。着飾って外出が繰り返される印象だが、この時代から女性が一人で外食をし、映画を観にいく場面も多く、当時の阪神間のモダン都市ぶりがわかる。

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