天頂より少し下って 小学館文庫

川上弘美

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784094060638
ISBN 10 : 4094060634
フォーマット
出版社
発行年月
2014年07月
日本
追加情報
:
216p;15

内容詳細

“ふたたび恋を始めたのは、三十代の半ばころからだったか。その夏はじめてのプールにつかるときの感じだったな、あれは、と真琴は思う。まだ濡れていない体と水着でもってプールの中へ入ってゆくときの、気持ち悪いような、でも思い切って水に入ればすぐにやってくる解放感、久しぶりに男の人のくちびるを自分のくちびるに感じたときの、違和感と安心感が混じりあった感覚は、それにそっくりだった。”奇妙な味とユーモア、そしてやわらかな幸福感。少女から大人の女まで、多彩な主人公たちが登場する傑作ぞろい―川上マジックが冴えわたる、極上の恋愛小説全七篇。

【著者紹介】
川上弘美 : 1958年生まれ。96年「蛇を踏む」で芥川賞、99年『神様』で紫式部文学賞とドゥマゴ文学賞、2000年『溺レる』で伊藤整文学賞と女流文学賞、01年『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞、『真鶴』で芸術選奨を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中 さん

    自分のことをかわいそうと思ったことはないし思いたくもないけれど、道端でひっくり返って大声あげて泣きたいときだってある。だれでもいいからやさしいことばに縋りついて泣きたい。でも何も言わずに凛としたかなしみを抱きしめる人の方が好きなんだから悔しいなぁ。 ゆるゆるとさびしくてふあふあと微睡む。となりのあたたかさがしあわせで、なのにほんの少しかなしみが混じるのは秋の空があまりに高くてきれいだからなのかしら。他人の人生をあれこれ言うよりも、自分とはちがう存在、だけど許容できる人でいたいのです。

  • ゴンゾウ@新潮部 さん

    川上さんの作り出す空気感がとて好きです。手が届きそうで届かない、見たいのだけどあえて見ない 少し儚くて危ういそんな感覚。

  • Shinji さん

    「センセイの鞄」以来、2冊目の川上さんです。不思議ちゃん、友情、母娘、妄想… 極上のラブストーリー、とバラエティーに富んだ7篇の短篇集。いや〜、楽しめました。満足度高いです!一実ちゃん、ハナ、と ぶっ飛んだ娘が立て続けに出てきたけど、一実ちゃんの大雑把感が気に入りました。暎子が治樹に対しての気持ちを、足元に見つけて掬い上げる感覚、表題作での 真琴の、女として、母として、一人の人間としての感情の揺れと「間」に川上弘美さんの恋愛への思いが溢れていましたね。「天頂より少し下って」タイトルの付け方が秀逸でした。

  • めしいらず さん

    再読。ふわふわした川上節は健在だけれど、地に足着いた「夜のドライブ」が白眉だった。久しぶりに親に会うと何だか小さくなったように見える。声が年寄りじみて感じられる。それはおそらく人生の地歩を固めた自信がそう思わせるのだろう。生まれた時には自分の世界の全てだった親の占める割合が、10代、20代、30代と齢を重ねる毎にどんどん小さくなり、40代にはいよいよその先を意識させられる。主人公は「お母さん」と心の中で何度も呼びかける。また「ユモレスク」もいい。この軽妙な味わいはまさに題名通りで、あの中野商店系である。

  • 優希 さん

    奇妙な味わいとユーモア、やわらかい幸福が感じられました。少女から大人までの様々な恋愛がみずみずしく心を打ちます。

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