基本情報
内容詳細
特攻隊長と島の国民学校教師が交わした手紙を、原資料から全文をはじめて復刻。そこにあらわれた戦争末期の交流は、恋の喜びと死の予感で揺れ動く心情が率直に綴られ、異様な切迫感は読む者の胸を打つだろう。解説は『狂うひと―「死の棘」の妻・島尾ミホ』の著者梯久美子。
目次 : 愛の往復書簡(昭和二〇年)/ 磯づたふ旅人の書付け
【著者紹介】
島尾敏雄 : 1917年(大正6)横浜に生まれる。1940年(昭和15)九州帝国大学法文学部経済科に入学、のち文科に再入学。1943年私家版『幼年記』を刊行。同年9月末繰り上げ卒業、10月海軍予備学生を志願、特攻隊隊長として加計呂麻基地で敗戦を迎える。1961年「死の棘」で芸術選奨、1977年『日の移ろい』で谷崎潤一郎賞、1978年『死の棘』で読売文学賞・新潮日本文学大賞、1985年『魚雷艇学生』で野間文芸賞を受賞。ほか著書多数。1986年(昭和61)没
島尾ミホ : 1919年(大正8)鹿児島県に生まれる。奄美群島の加計呂麻島で幼少期を過ごし、東京の日出高等女学校を卒業する。戦時中、加計呂麻島に海軍震洋特別攻撃隊の隊長として駐屯した作家の島尾敏雄と出会い、1946年(昭和21)に結婚。豊かな自然と民俗に彩られた南島での少女時代の記憶を語った『海辺の生と死』により1975年に南日本文学賞、田村俊子賞を受賞した。2007年(平成19)没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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人物・団体紹介
島尾敏雄
1917年、横浜生まれ。作家。九州帝国大学法文学部東洋史科卒。1944年10月、第十八震洋特攻隊指揮官として奄美群島の加計呂麻島に赴任。発動命令が下ったまま、敗戦を迎える。戦後、当地で知り合った大平ミホと結婚。日常の現実世界の中に人間の危機的状況をにじませた作風は、私小説の新境地を拓いた。主な著作に
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