妖異金瓶梅 山田風太郎ベストコレクション 角川文庫

山田風太郎

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784041003435
ISBN 10 : 4041003431
フォーマット
出版社
発行年月
2012年06月
日本
追加情報
:
608p;15

内容詳細

性欲絶倫の豪商・西門慶は絶世の美女、潘金蓮を始めとする8人の妻妾を侍らせ、酒池肉林の日々を送っていた。彼の寵をめぐって女たちの激しい嫉妬が渦巻く中、第七夫人と第八夫人が両足を切断された無惨な屍体で発見される。混乱の中、西門慶の悪友でたいこもちの応伯爵だけは事件の真相を見抜くが、なぜか真犯人を告発せず…?美姫たちが織り成す凄惨淫靡な怪事件。中国四大奇書の一つを大胆に解釈した伝奇ミステリ。

【著者紹介】
山田風太郎 : 1922年兵庫県生まれ。東京医科大卒。47年「達磨峠の事件」で作家デビュー。49年「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で探偵作家クラブ賞を受賞。その後、58年忍法ブームに火を付け、開化小説にも新領域を開いた。2001年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • W-G さん

    少しずつ読み進めていた一冊。一時はなかなか手に入らない幻の名作だったと記憶している。ミステリとして読めば、随所で見られる捻った発想が面白く、中国の古典が好きであれば、水滸伝の英傑のカメオ的出演が楽しい。しかし、連作を通して読み終えた時には、歪ながらも恐ろしく純度の高い愛情に圧倒されるという、なんとも良く出来た構成。中盤までは同じ展開が続くので、若干気持ちが弛んでしまうが、連載物であったことを考えれば、これもアリだったのかもしれない。西門慶の死から後の展開は一気に読み進めてしまった。

  • aquamarine さん

    明の長編小説「金瓶梅」をもとにして、西門慶と多くの夫人たちの話を連作短編のミステリにしています。夫の寵愛を受けようと密かな戦いが繰り広げられる中、事件は起こり、西門慶の悪友でたいこもちの応伯爵が毎回真相を見抜くのですが…。最初はただただ恐ろしいと思える彼女が、読み進めるにつれ、愛のためならなんでもするとても可愛らしい人になっていきます。ミステリ好きならトリックは楽しめること間違いなし。15編すべて同じように進むかと思ったら、彼らをラストまできちんと書ききっていて、長編としてもとても良かったです。

  • 優希 さん

    凄惨淫靡、地獄絵図のような連作ミステリーの世界に圧倒されます。やりすぎとも思えるような濃密さ。酒池肉林と渦巻く嫉妬が艶かしいです。愛妾たちと描かれる世界はエロティックでグロテスク。第七夫人と第八夫人の壮絶な殺人から驚かされますが、その後に続いていく短編も妖魔に取り憑かれているような魅力があります。連作ミステリーでありながら色香が漂い、最後には潘金蓮の純粋な愛あってこその物語なのだなと思わされました。淫蕩、退廃の美、噎せ返る愛にまみれている空気に酔わされてしまいます。

  • いちろく さん

    紹介していただいた本。他の作家さんの作品ですが、金瓶梅は学生の頃に2度挫折している。しかも、かなり序盤で。女性同士の醜い権力争いと淫靡過ぎる作品のイメージが拭えず、15年以上遠ざかっていた。その為、水滸伝との関連性も知らなかった事もあり、読んでいる最中は驚きの連続でした。山田版の金瓶梅は、妖艶で淫靡な世界観の中にも潘金蓮という一人の女性を軸とした様々な女性の生き様が描かれており、最後まで読了出来ました。山田風太郎さんが描く金瓶梅だからこそ最後まで読めたのだと思う。紹介感謝!

  • ぐうぐう さん

    山風の凄さを、隅から隅まで堪能できる大傑作! 中国四大奇書のひとつ『金瓶梅』を連作推理ものにアレンジしてしまう大胆な発想からすでにぶっ飛びだが、探偵を西門慶ではなく、その太鼓持ちである応伯爵が務めるという捻れたアイデアが、しかし回を重ねる毎に主題を滲ませいく作術には身震いさせられる。しかし最大の面白さは、推理ものでありながら、犯人が毎回同じ人物だという驚くべき趣向だ。このアクロバティックな構造がまた、主題を見事に照らし出す。そして最後の最後には、なんと感動が待ち受けているのだから恐れ入る。(つづく)

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山田風太郎

大正11年(1922年)、兵庫県に生まれる。父母ともに代々医者の家系で本人も東京医科大学を卒業。昭和23年(1948年)『眼中の悪魔』で第二回探偵作家クラブ賞を受賞。昭和33年(1958年)に発表した『甲賀忍法帖』を皮切りに忍法帖もので流行作家となる。伝奇小説、推理小説、時代小説など多種多様な小説を

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