「歌」の精神史 中公文庫

山折哲雄

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784122061989
ISBN 10 : 4122061989
フォーマット
出版社
発行年月
2015年11月
日本
追加情報
:
257p;16

内容詳細

いま、叙情が危ない。われわれのこころの世界が乾き、叙情を受け容れる器が水漏れをおこしているのではないか。叙情とは、万葉以来の生命のリズムのことだ。日常の言葉を詩の形に結晶させる泉のことだ。それが危機に瀕しているのは、歌の調べが固有のリズムを喪失しているからだ。いまこそ、「歌」の精神を取り戻すときではないか。

目次 : 空を飛ばなくなった歌―美空ひばりと尾崎豊/ 「短歌的抒情」の否定と救済―小野十三郎と折口信夫/ 『サラダ記念日』の衝撃―斎藤美奈子と富岡多惠子/ 浪花節と演歌―朝倉喬司と春野百合子/ 『平家物語』の無常観―小林秀雄、唐木順三、石母田正/ 吉川英治と『平家物語』/ 挽歌の伝統と「北の螢」―古賀政男と阿久悠/ 西行と啄木のざわめく魂/ 道元と白楽天/ 親鸞の「和讃」/ 親鸞和讃の今様歌謡/ 瞽女唄と盲僧琵琶―小林ハルと永田法順/ 西條八十と北原白秋―日本的叙情

【著者紹介】
山折哲雄 : 1931年生まれ。東北大学文学部卒業、同大学院文学研究科博士課程単位取得退学。国立歴史民俗博物館教授、京都造形芸術大学大学院長、国際日本文化研究センター所長などをへて、現在は国際日本文化研究センター名誉教授。専攻は宗教学・思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • はちめ さん

    著者の作品は宗教史の関係など何冊か読んだことがあり尊敬しているところであるが、それらにもまして刺激的な一冊となった。芸能は専門ではないだけに美空ひばりから西行まで通低させる俯瞰が可能になっているのだと思う。

  • 街場マチ子 さん

    図書館でピンときて大正解。現代の第一級の教養人といえるだろう山折哲雄という人が、なぜ斯様に「第一級」なのか、これを読んでつくづく痛感した。ひとつは、自分より幾世代も下の、教養的にははるかに「格下」といっていい人の著書や言葉であっても、とても素直に純粋な知的好奇心と感受性をもって自分の中に取り入れる柔軟性の持ち主であること。そして、その柔軟性をもって、演歌から短歌、浪花節、平家物語、西行、親鸞の和讃、今様、八十と白秋へと、自在に論を展開していけるだけの、圧倒的な教養の広がりと深さ。流石としか言いようがない。

  • さの さん

    マクールの渡邊十絲子さんのコラムで紹介されていたので早速購入。歌とか詩とかの専門書的な感じで素人にはちょっとしんどい部分も多いのですが、「叙情」に関しては共感することも多く、現代を考察するためのツールとしてはありだと思います。

  • かわくん さん

    著者は宗教学者であるが、文化一般への造詣も深い。近年の短歌について「身もだえするような感情の吐露が感じられない」と指摘する。現代ではむしろ歌謡曲とりわけ演歌にそれが表現されているという。話はそれから大きく展開し、日本仏教の和讃などについても言及。歌は世に連れ…とは言うが、日本人の精神の在りようと表現について少し考えさせられた。

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人物・団体紹介

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山折哲雄

1931年生まれ。宗教学者。東北大学文学部印度哲学科卒業。同大学文学部助教授、国立歴史民俗博物館教授、国際日本文化研究センター教授、同センター所長などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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