複合戦争と総力戦の断層 日本にとっての第一次世界大戦 レクチャー第一次世界大戦を考える

山室信一

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784409511138
ISBN 10 : 4409511130
フォーマット
出版社
発行年月
2011年01月
日本
追加情報
:
19cm,174p

内容詳細

青島で太平洋で地中海で戦い、さらには氷雪のシベリア、樺太へ。中国問題を軸として展開する熾烈なる3つの外交戦。これら5つの複合戦争の実相と、そこに萌した次なる戦争の意義を問う。

【著者紹介】
山室信一 : 1951年、熊本生まれ。東京大学法学部卒業。衆議院法制局参事、東京大学社会科学研究所助手、東北大学助教授などを経て、京都大学人文科学研究所教授。法学博士。専攻は法政思想連鎖史。著書に『法制官僚の時代―国家の設計と知の歴程』(木鐸社、1984、毎日出版文化賞)、『キメラ―満洲国の肖像』(中公新書、1993、吉野作造賞/増補版、2004)、『思想課題としてのアジア―基軸・連鎖・投企』(岩波書店、2001、アジア・太平洋賞特別賞)、『憲法9条の思想水脈』(朝日選書、2007、司馬遼太郎賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • coolflat さん

    日本にとって第一次世界大戦とは何だったのか。単なる対独戦争だけではなく、それに至る日英間・日中間・日米間の外交戦と、後に起こるシベリア出兵も一環として捉え、考察している。日本は第一次世界大戦を、それまでに行われてきた日露戦争と同じ形態の延長線上(短期決着により有利な講和を得ること)にあると考え、外交も秘密外交と威嚇外交による旧外交の手法を用いた。しかし戦争の形態は、もはや総力戦へと移行しており、そうした外交手法も時代遅れとなっていた。後に続くシベリア出兵の失敗は、そうした手法を引き続きとったためである。

  • MUNEKAZ さん

    WWTを日独の争いだけと捉えず、日米・日中・日英の外交戦を含んだ複合戦争と見る。対岸の火事から始まった出来事だけに、大戦の前半は早期終結という見通しの下、中国に対し強硬姿勢で当たり、後半にはロシア革命という予想外の出来事を奇禍として、「総力戦」体制構築のためシベリア出兵に突き進むなど日本の方針は一貫しない。ただ常に同じ連合国側であるアメリカや中国との摩擦が起きており、次の大戦へのプレリュードとして、日本においてもWWTは終わり損ねた戦争だったのかもしれない。

  • dongame6 さん

    「忘れられた戦争」と言われる「日本のWW1」を扱った本。青島攻略、地中海への艦隊派遣などが断片的に扱われる事が多いWW1だが、本著ではをドイツとの「実戦」と、対英米露、そして特に中国との「外交戦」の二つの戦争による「複合戦争」として扱い、非常に複雑な中国、太平洋を巡る日本と英米の対立と、ロシアとドイツの動向、利権回収を求める中国との激しいやりとりを描いている。中々興味関心を引くことの少ないWW1での日本の立ち回りが克明に描かれていて面白い。また、WW2に続く日本と中国の関係を理解するのにも非常に有用と思う

  • spanasu さん

    日本にとっての第一次世界大戦を対独戦争、4つのシベリア戦争という2つの戦争と、日英、日米、日中間の三つの外交戦からなる、日本の中国権益を通底とする複合戦争と捉える。2つの実戦も手法としては日露戦争の延長線上であり、3つの外交戦も旧外交の手法であったため、日本にとって非総力戦であった。一方で、国民の総力戦への理解のないまま田中義一らは総力戦に気づき準備を進めていく。日本における第一次世界大戦の意義について短いながらもよくわかる。

  • Masatoshi Oyu さん

    日本にとってのWWIを、青島攻略戦やシベリア出兵などの実戦だけでなく、同時並行で行われた日中、日英、日米の外交戦と一体としてとらえた複合戦争という視点から読み解く。 個人的には、当時の歴史から得られる日本にとっての教訓は、外交では原則論に固執するだけではダメだ、ということだと思う。

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山室信一

1951年、熊本県生まれ。東京大学法学部卒。衆議院法制局参事、東京大学助手、東北大学助教授、京都大学教授など歴任。博士(法学)。現在、京都大学名誉教授。専攻は思想連鎖史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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