さみしくなったら名前を呼んで

山内マリコ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784344026339
ISBN 10 : 4344026330
フォーマット
出版社
発行年月
2014年09月
日本
追加情報
:
219p;19

内容詳細

いつになれば、私は完成するんだろう。


踊る十四歳、孤高のギャル、謎めいた夫妻、故郷を置いてきた女…… 律儀に生きる孤独な人々の美しさをすくうショートストーリーズ


書き下ろし3編を含む、11編を収録した短編小説集


たった一つのアクションで、世界が変わることを期待して、その期待は何度も何度も裏切られた。数え切れないくらいのシチュエーションで、あたしはこの日常からするりと脱出できる日を夢見た。一足飛びで大人になれる日を。心から自由な気持ちを味わえる日を。
(「走っても走ってもあたしまだ十四歳」より)


ケイコは努力の人だ。語学も猛勉強の末ものにしたし、大失敗を繰り返して自分に似合う髪型やファッションに辿り着いた。そうやって誰からも素敵なひとと思われるようになったいまでも、ケイコはまだどこかに、おぼつかない少女の気持ちを残している。
(「ケイコは都会の女」より)


わたしたちはなにも知らない方がいいし、なにも出来ない方がいいのかもしれない。古来言われているように、可愛くて少しおバカさんくらいが、楽に生きられるというのは真実なんだろう。加賀美の娘にちらりと目をやって、そんなことを思う。そして加賀美は、手遅れになる少し手前で軌道修正できた、わたしの姿みたいだ。
(「遊びの時間はすぐ終わる」より)


山内 マリコ (著)
1980年富山県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業後、京都でのライター生活を経て上京。2008年「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞し、12年8月連作短編集『ここは退屈迎えに来て』(幻冬舎)でデビュー。近刊に長編小説『アズミ・ハルコは行方不明』(幻冬舎)がある。



【著者紹介】
山内マリコ : 1980年富山県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業後、京都でのライター生活を経て上京。2008年「女による女のためのR‐18文学賞」読者賞を受賞し、12年8月連作短編集『ここは退屈迎えに来て』(幻冬舎)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ❁かな❁ さん

    山内マリコさん初読みです!以前お気に入りの又吉さんと対談されてるところを拝見して気になっていました!とても好みの文章で楽しかったです★11編の短編集。少女から大人の女性までの胸のうちがリアルに描かれていました。懐かしかったり、共感できたり、切なく痛々しい気持ちにもなり、みんな頑張ってって思いでいっぱいになりました!私も昔好きだった岡村ちゃんの名前が連呼されてたのも嬉しかったです(笑)素敵な言葉も色々あり、今時な感じでセンスもあり、良かったです☆とてもお気に入り♡追いかけたい作家さんの一人になりました♪

  • 風眠 さん

    『さみしくなったら名前を呼んで』全ての短篇を読み終えたあと、このタイトルに胸がきゅっとなった。ぶっきらぼうと不器用が極まって、一周まわった本音は「さみしい」。そんな心の揺れが見え隠れする。「別に、そんなの、なんでもないわ」と口では強がっていても、なんとなく感情が波立つ瞬間があって、それは切なかったり、焦りだったり、悲しかったりする。この短篇集の女の子たちや女の人たちは皆、満たされていない今を生きている。幸せな時も、ついてない時も、連続したひと続きの日常の上にあって、今はまだ途上なんだよって言ってあげたい。

  • わか さん

    3冊めの山内マリコさん。11の短編が収められています。ポップで明るい文章なのに、地方に住むガールズたちの閉塞感、どこにもいけない感じ、早く大人になりたい気持ちがいやと言う程書かれてありました。痛々しいんだけど、確かに私にもこうゆう時代があった!と、認めたくないけれど、つきつけられた感じです。年上の男性と交際さえできればみんなより勝ったとか思えそうとか、東京に出て行きさえすれば自分は何者かになれるといった自意識がぐるぐるしている感じです。どのタイトルもすごく良くて、胸にビビビって苦しい気落ちが沸きました。

  • 巨峰 さん

    例えば、過剰なほどの固有名詞の多用などから、この人の作品には合う合わないがあるかもしれないし、すぐに古くなりそうだし、読み解ける世代も限られてしまう。あまりにも閉じられすぎていないかと?ところが、「遊びの時間はすぐ終わる」という過去を少しだけ懐かしむかのような小説で閉じられたこの短編集は、閉じられることによってひとつの宇宙を作っていて、その宇宙には無縁な私に興味深くなんだか過ぎ去ったものを懐かしむ気持ちさせたというのはやはり作者の力量なんだろうな(表紙の絵もまた素敵ですね)

  • あも さん

    11編収録の短編集。初読みの著者に感服。ぶっきらぼうで優しくて、きっとこのタイトルを照らいなく言える人なんだろう。何だったんだ?というような話もあるが、それさえ時にハッとさせられる言葉を内包している。様々な年代の女性達。ギャルも優等生もOLも抱えた自意識と折り合いつけたりつかなかったりして生きている。生きるって事は友人家族恋人の有無や多寡と関係なく、これはもうどうしたってさみしいものだ。だからこそ束の間であれそれを埋めるため誰かを求めてその名を呼ぶ。さみしくなったら名前を呼んで?呼ばれることもきっと喜び。

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山内マリコ

1980年富山県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒。2008年「女による女のためのR‐18文学賞」読者賞を受賞し、12年『ここは退屈迎えに来て』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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