九年前の祈り

小野正嗣

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062192927
ISBN 10 : 4062192926
フォーマット
出版社
発行年月
2014年12月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
221p;20

内容詳細

第152回 芥川賞受賞作

三十五歳になるシングルマザーのさなえは、幼い息子の希敏をつれてこの海辺の小さな集落に戻ってきた。何かのスイッチが入ると引きちぎられたミミズのようにのたうちまわり大騒ぎする息子を持て余しながら、さなえが懐かしく思い出したのは、九年前の「みっちゃん姉」の言葉だった。
表題作「九年前の祈り」他、四作を収録。

【著者紹介】
小野正嗣 : 1970年生。大分県出身。東京大学教養学部卒業。同大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程単位取得退学。パリ第8大学Ph.D。2001年、「水に埋もれる墓」で第12回朝日新人文学賞受賞。’02年、「にぎやかな湾に背負われた船」で第15回三島由紀夫賞受賞。現在、立教大学文学部文学科文芸思想専修准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    終結部で海の中を覗き見るシーンは、その内容は全く違うのだが、「限りなく透明に近いブルー」のエンディングを連想させる。それが透明であり、「永遠」へとわずか一瞬ながら飛翔するイメージの鮮烈さゆえだろうか。また、小説全体では古井由吉等の「内向の世代」を想起させる。すなわち、小説としての斬新さは持たないのだが、一方でこの地で生活する女たちの強固なまでのしたたかさは圧倒的でさえある。そこに帰還したデラシネたるさなえとの違和は大きい。「祈り」もまた、さなえ自らのものではなく、他者のものである。さなえの孤独は深い。

  • 遥かなる想い さん

    第152回芥川賞受賞。 表題作はシングルマザーの さなえとミツさんの心の 交流を描く。 読んでいてひどく心静かに なるのは著者の筆力なのだろう。 父がいない、母と子の人生は もしかしたら現代の側面を 描いているのかもしれない。 子のために生きる女性たち への応援歌なのだろうか。 過疎の島でさなえは九年ぶりに ミツに再会しようとするが…九年前のカナダへの 旅を交錯させながら、 現代に生きる母と子の あやうさを静逸に描く…そんな話だった。

  • ナイスネイチャ さん

    図書館本。うーん合わなかった。引きちぎられたミミズも皆さんの感想にもあるようにウンザリするぐらい出てきて・・。やっぱり芥川賞は合わないのかな?すいません。

  • starbro さん

    通常だと受賞してから出版されるので、図書館の予約準備が出来ますが、本作は出版後に受賞したので、出遅れました。ただ今回は、勤務先の図書館互助会のおかげでこのタイミンングで読めました。小説として上手くまとまっていて完成度は高いと思いますが、新しい才能といった強いエネルギーは感じられませんでした。また売れない芥川賞作家を誕生させた感があります。すごい才能・作品がない場合は受賞作なしといった英断を期待したいと思います。日本ホラー小説大賞を見倣って欲しいなぁ!

  • シナモン さん

    日曜美術館司会の小野正嗣さん。一度も作品を読んだことがなかったので手にしてみた。時折「引きちぎられたミミズ」が顔を出す困難を抱えた息子を持つさなえ。息子が重い病気を患うみっちゃん姉、こどもができなくて離縁させられた千代子。「どこの世界に明るいだけの人がおるんか…」海辺の小さな集落で人は懸命にしかし淡々と今日を生きていた。その姿はひっくり返って前脚で宙を掻くウミガメにも似ていた。4つの短編がゆるく繋がっている。冒頭の「兄、史敬に」が切なかった。いかにも芥川賞という感じですが読みやすい方だったかな。

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