猫を抱いて象と泳ぐ 文春文庫

小川洋子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167557034
ISBN 10 : 4167557037
フォーマット
出版社
発行年月
2011年07月
日本
追加情報
:
16cm,373p

商品説明

「大きくなること、それは悲劇である」。この箴言を胸に11歳の身体のまま成長を止めた少年は、からくり人形を操りチェスを指すリトル・アリョーヒンとなる。盤面の海に無限の可能性を見出す彼は、いつしか「盤下の詩人」として奇跡のような棋譜を生み出す。静謐にして美しい、小川ワールドの到達点を示す傑作。

内容詳細

「大きくなること、それは悲劇である」。この箴言を胸に十一歳の身体のまま成長を止めた少年は、からくり人形を操りチェスを指すリトル・アリョーヒンとなる。盤面の海に無限の可能性を見出す彼は、いつしか「盤下の詩人」として奇跡のような棋譜を生み出す。静謐にして美しい、小川ワールドの到達点を示す傑作。

【著者紹介】
小川洋子 : 1962年、岡山県生まれ。早稲田大学文学部文芸科卒業。88年、「揚羽蝶が壊れる時」で第7回海燕新人文学賞、91年、「妊娠カレンダー」で第104回芥川賞を受賞。2004年、『博士の愛した数式』が第55回読売文学賞、第1回本屋大賞を受賞。同年、『ブラフマンの埋葬』で第32回泉鏡花文学賞を受賞。2006年、『ミーナの行進』で第42回谷崎潤一郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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主人公も、周りの登場人物も、みんな愛おし...

投稿日:2021/06/29 (火)

主人公も、周りの登場人物も、みんな愛おしい。この物語の世界の住人になって、主人公がうつチェスを一度見てみたい、と思った。

えびまよ さん | 東京都 | 不明

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チェスについても、これほどまでに美しい物...

投稿日:2021/04/09 (金)

チェスについても、これほどまでに美しい物語を私は知りません。純粋に文章の上手さに圧倒され、人間が作り出したとは思えない世界に連れて行かれてしまいます。

ゆめゆめゆめ さん | 福岡県 | 不明

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上質感あふれる言葉の紡ぎ方に独特の世界観...

投稿日:2021/03/03 (水)

上質感あふれる言葉の紡ぎ方に独特の世界観です。映像を描きながらついていくのが精一杯でした。こんな設定を思いつくのがすごいなぁ。映像化は出来ませんね。

kotobuki さん | 広島県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ミカママ さん

    冒頭の「かつて確かに存在した象」のくだりにノックアウトされた。チェスのルールはわからないながらも、年始に観た「クイーンズギャンビット」を思いながら半分くらい読んだところで、脱落。情況に入り込めないのでいったん本を閉じる。読了ではないが自分の記録のために。

  • ろくせい@やまもとかねよし さん

    穏やかだが堂々とした「生」を表現。山崎さんの解説「『仕方ない事情』を仕方がないと受け止める潔さ」がうまく物語をまとめる。「生」は64マス上の6種類32コマを移動させるチェス。多くのゲームは勝敗を名誉やお金に結びつける。しかし、小川さんはゲームの結果ではなく、その過程こそに人間とは何かのすべてが暗示されると表す。答えのない畏怖されるゲーム過程を追い求める好奇こそ、思考する人間の「生」を紡ぐに相応しいと。その継承は記号の羅列に過ぎない。しかし、それは言葉を超えた情緒を醸す。単純故に尊い「生」を清く伝播すると。

  • zero1 さん

    数学同様、チェスも小説になる。何年か前、私はチェスに熱中。対局者がおらずソフトが相手。その際、「この局面は前にあったか」気になり検索。1929年の棋譜を発見。その瞬間、私は大昔の棋士と繋がった。チェスの世界は奥が深い。しかも日本の将棋と違い世界各国に棋士がいる。文化が違い、言葉が通じなくても盤面で理解し合える。チェスとは、将棋より狭い8×8で64マスの海に潜り冒険する競技。駒が強力なので展開が将棋より劇的。盤の下で対局するリトル・アリョーヒンを描いた静謐で詩的な小川の世界。10年本屋大賞5位。

  • さてさて さん

    『頭脳の良し悪しだけで勝敗が決まるものではない』という『チェス』に光があてられるこの作品。そんな作品では小川さんのさまざまな工夫によって『チェス』の知識が全くない読者でも夢中になれる物語が描かれていました。『チェス盤の前では誰だって、自分を誤魔化せません』という言葉の意味を物語の中に感じ入るこの作品。『チェスは、人間とは何かを暗示する鏡なんだ』という言葉に、『チェス』の奥深さを感じるこの作品。哀しくもあたたかい思いが残るその結末に、『チェス』を深く愛した『彼』の存在がふっと浮かび上がる、そんな作品でした。

  • yu さん

    綺麗に並べられた文字の波が、少しずつ少しずつ押し寄せてくる感じがする一冊。 大きくなりすぎてデパートの屋上から降りられなくなった像インディラ、壁の隙間に挟まって出られなくなったミイラ、太りすぎてバスの中で亡くなったマスター。「大きくなること」に恐怖を抱き、11歳のまま成長がとまってしまった僕。少年はやがて、盤下にもぐり、人形を操ってチェスを指すリトル・アリョーヒンとなる。盤面の海に踏み出した少年の生涯に、最後は涙が止まらなかった。 最初はなんのこっちゃ?と思ったタイトル『猫を抱いて像と泳ぐ』。秀逸!

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小川洋子

1962年岡山県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒業。88年「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞を受賞。91年「妊娠カレンダー」で芥川賞、2004年『博士の愛した数式』で本屋大賞と読売文学賞、『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞、06年『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞、12年『ことり』で芸術選奨文部

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