物語の役割 ちくまプリマー新書

小川洋子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784480687531
ISBN 10 : 448068753X
フォーマット
出版社
発行年月
2007年02月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
18cm,126p

内容詳細

私たちは日々受け入れられない現実を、自分の心の形に合うように転換している…。人間はなぜ、物語を必要とするのか。その秘密を作家が解き明かし、物語を言葉で表現していくことの喜びを伝える。

【著者紹介】
小川洋子 : 1962年岡山市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。’88年「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞を受賞。’91年「妊娠カレンダー」で第104回芥川賞を受賞、その後も様々な作品を通じて、私たちを静謐な世界へと導いてくれている。2004年には『博士の愛した数式』で読売文学賞、第1回本屋大賞、『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞、2006年には『ミーナの行進』で谷川潤一郎賞を受賞した。翻訳された作品も多く、海外での評価も高い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    3カ所で行われた講演をまとめたもの。小川洋子さんにとっての物語創造の方法が語られていて、実に興味深い。「一行で書けてしまう主題を最初に意識してしまったら、それは小説にならない」、「主題なんてない方がいいのだ」という発言は、まさしく作家ならではのものだろう。批評の視点と創作の視点とは決定的に違うのだ。批評も、その方法において、創作論的批評がもっと行われてもいいのかも知れない。また、『アンネの日記』をはじめとした、彼女のホロコーストへの拘りも、本書の中で強い説得力を持って伝わってくる。小川洋子ファン必読の書。

  • やすらぎ🍀 さん

    人間らしい、人間にしかできない心の動き。 小説というのは言葉で書いてあるのに、言葉にできない感動を与えなければいけない不思議なもの。美しき言葉の奏で。あの日の選択で人生は変わってしまうけど、その機会は数多く舞いおりてくるから。空想の力、現実を見る目を育めば、道ばたに落ちている煌めく欠片が見えてくる。それは何気ないところに落ちている。逃さないように掬い上げて拾うもの、自分の想いを超えて運ばれて近寄ってきてくれるもの、双方がつながって物語は芽生えていく。人と人は本の中で結ばれて、時を越えて永遠に伝わっていく。

  • ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中 さん

    「密やかな結晶」を読んで、小川洋子さんの胸のうちをもう少し知りたくなって。彼女の作品はかなしい作品が多い気がする。でも、そのかなしさが辛く苦しい気持ちを呼ぶのではなく、なぜか浄化されるような気持ちになる、その理由の片鱗を感じたような。「ごんぎつね」だって辛くかなしいのに(思いだすだけで泣きたくなるのに)読み返しちゃうもんなぁ。「テーマは最初から存在していない」「死んだ人と会話するような気持ち」というのは目を開かれるような思い。とりあえずポール・オースターの「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」絶対読む。

  • ハイランド さん

    現在進行形で、新たな物語を紡ぎだしている小説家の創作の秘密。何故彼女は物語を書き続けるのか、小説を書き始める時、テーマもストーリーも決めてはいない。突然心に浮かび上がる鮮やかな映像に導かれ、小説を創る。それは死んだ人と会話するような気持と彼女は述べる。彼女の作品に漂う静謐と寂寥感、そして微かな死の匂い。その理由が朧げにわかったような気がする。そして終わり近くにある言葉「同じ本で育った人たちは共通の思いを分かち合う」私たちは何故本を読むのか、そしてここで語り合うのか。その理由も明らかにされた気がした。

  • はたっぴ さん

    たくさん本を読み、心を揺さぶられて欲しい≠ニ願う小川さんの思いが詰まった著書。私の読書は、白黒どちらかに偏りがちな考え方を取っ払い、グレーに重なる部分や全く別の色を探すこと=多様性を認める事を目的としている。物語の中で、出逢ったこともないような人々や出来事を通して、言葉に出来ない感情の迸りが絶妙に表現されていると、新しい世界(多様性)を受け入れてもっともっと心を震わせたくなる。だからせっせと本を読む。小川作品はとりわけ琴線に触れてくるものが多いが、(著者の)物語への熱い想いが伝わり信頼が増す一冊だった。

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