小川未明童話集 新潮文庫 改版

小川未明

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101100012
ISBN 10 : 4101100012
フォーマット
出版社
発行年月
2003年05月
日本
追加情報
:
16cm,257p

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    全部で25篇の掌編童話を収録。「赤いろうそくと人魚」以外は初読。こうして全体を俯瞰してみると、小川未明の童話群の中にあって「赤いろうそくと人魚」は意外にも例外的なものだったことが分かる。すなわち、未明童話の主流はプロレタリア童話ともいうべき趣きのものなのである。未明が社会主義運動に身を投じていた経歴からも、それはあるいは当然であったのかもしれない。我々読者の側からすれば、人魚の哀しみを、蝋燭の光と幻想の中に描き出してゆく「赤いろうそくと人魚」のような作品を望むのだが。

  • やすらぎ🍀 さん

    心に感受の隙間がないと、小川未明氏の空想世界は見えないのかもしれない。…海辺で夕日を見つめる哀愁の背中。まもなく宵の世界が訪れる。誰もいない海の中からこの世界を見つめている。…夢と現実。信頼と裏切り。喜びと悲しみ。出会いと別れ。愛と痛み。ある一面では成り立たない世の中。…灯りだけを探していると絶望が絡みつく。闇の中から希望が生まれてくる。夜に微かな光を感じてホッとするように、寂しさと思いやる心は寄り添い支え合っている。春が来れば夏は過ぎ、秋も去り冬となる。人が生まれながらに持ち合わせている優しさは何処に。

  • ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中 さん

    すがすがしい夕空、月の光の慈悲の輝き、銀色の氷、白く咲く野ばら。 美しすぎてかなしいようなものを、最近よくみている。 空からとうめいな輝くものがぽたりぽたりと落ちてきて、やさしい言葉をかけていきます。 こんなにも美しい世界で、いつでもやさしくできる訳じゃない。 でも、ことばの一粒ひとつぶをいつくしんで、傷つけられても憎まずただかなしみ、できることなら少しだけでも人にやさしくしたい、そう思うような。いつまでもこの本のなかでたゆたっていたいような。 たくさんのひとに読んでほしい、とても美しく美しい本でした。

  • 風眠 さん

    人間は自分勝手な生き物だな。お金によって変わってしまう人、便利な暮らしのために手放してしまう木々の緑や青い空・・・どの物語にもチリチリとした痛みと、あきらめのような切なさが漂っている。『赤いろうそくと人魚』に感じていた「どことなく不気味」な雰囲気は、大人になって読み返すと「美しくて冷たい悲しみ」だったのだと分かる。どれも短いお話なので、家事や用事のあいまに少しずつ読むのがちょうどいい。「〜なのであります」という語り口は、まるで読み聞かせてもらっているかのようで心地よい。『月とあざらし』が特に素晴らしい!

  • アン さん

    北の海で暮らす人魚が子供を陸に産み落とす「赤いろうそくと人魚」、老いた兵士と青年が国境を定めた石碑を守る「野ばら」、失った子供をさがし風の便りを待つ「月とあざらし」など25の短編を収録。銀色に凍る海、千代紙の花、夏の赤銅色の雲…幻想的で神秘さを秘めた情景描写に心を奪われます。太陽の明るさとは違い、うっすらと照らし出される月の光のような美しさ。一編が短く、優しい印象のお話もあれば、陰影が宿り人生の悲哀を感じる作品もあります。人の心の推移と愛情。時代を超え読み継がれてほしい一冊です。

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人物・団体紹介

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小川未明

1882年新潟県に生まれる。早大英文科在学中に書いた小説「紅雲郷」が認められ、十数冊の短編小説集を刊行。大正デモクラシー時代は社会主義運動に参加する一方、童話を積極的に書くようになり、「赤い蝋燭と人魚」(1921)など多くの童話集を出版。「日本のアンデルセン」と呼ばれ、日本児童文学者協会初代会長も務

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