ゲームの王国 上

小川哲

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784152096791
ISBN 10 : 4152096799
フォーマット
出版社
発行年月
2017年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
小川哲 ,  
追加情報
:
400p;20

内容詳細

サロト・サル―後にポル・ポトと呼ばれたクメール・ルージュ首魁の隠し子とされるソリヤ。貧村ロベーブレソンに生を享けた、天賦の智性を持つ神童のムイタック。皮肉な運命と偶然に導かれたふたりは、軍靴と砲声に震える1975年のカンボジア、バタンバンで出会った。秘密警察、恐怖政治、テロ、強制労働、虐殺―百万人以上の生命を奪ったすべての不条理は、少女と少年を見つめながら進行する…あたかもゲームのように。

【著者紹介】
小川哲 : 1986年千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程在籍中。2015年に第3回ハヤカワSFコンテスト“大賞”を『ユートロニカのこちら側』で受賞し、デビューを果たす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    カンボジアの陰惨な歴史が紐解かれる。ポル・ポトの隠し事されるソリヤがティウンに説いた論理ゲームが身をつまされる。平和な世でも人の心などで鉄壁な論理は揺らぐ。況してや、全ての衆を救うための無限の善のために最小にして最大ともなる犠牲を強いる有限の悪が有効になってしまったカンボジアではその機能を維持するために論理は常に反転するしかない。神童、または悪魔の子と呼ばれたムイタック。彼が大切なものを失ったのは全てをゲームだと見做していた傲慢さからだった。それは自業自得のようでいて余りにも厳しすぎる・・・。

  • harass さん

    題名ぐらいしか知らなかったがカンボジア内戦を題材にしていると聞き借りる。ほかに予備知識無しで。ポルポト率いる、悪名高いクメール・ルージュによる100万人以上が犠牲になった地獄の時代のなか、貧しき村ロベーブレソンに生まれた神童とポルポトの隠し子の娘が出会う。ルールがないゲームの登場人物のように不条理に死ぬ人々。南米のマジックリアリズムのようななんじゃそりゃという箇所もあるが、圧倒的な無意味な大量死に引きつってしまう。さてこれのどこがSFかと思いつつ、下巻をちょっとみたら、いきなり2023年かよ。

  • えみ さん

    まずこれを日本人が描いたこと、それが驚きだった。革命という名の元に繰り返される殺戮を「ゲーム」と表現して細微に亘って詳しく描かれた恐怖政治。虐げられ、罪もなく、誰かの命乞いのために陥れられた人々が殺される世の中。罪状を否定すれば嘘つきと殺され、黙っていればスパイだと殺される。カンボジアの悲劇…一から十までツラすぎた。国の指導者によって翻弄される国民はいつだって命の危機に晒されている、という事実を目の前で映像として流されたような強烈なメッセージを受け取った。そんな中で聡明な子供たちの出会いと再会は酷く歪だ。

  • at-sushi@ナートゥをご存知か? さん

    70年代のカンボジア。村長の子で幼少期から卓抜した知性を見せるムイタックは、彼に比肩する知力を持つポル・ポトの隠し子・ソリヤに心惹かれるが、クメール・ルージュの台頭による恐怖政治という「ゲーム」を生き抜くため、二人の運命は引き裂かれていく。下巻へGo! それにしても、国民に知識を与えず牛化したうえで国際競争力を高めようなどという狂気の沙汰を何故誰も止めれんかったのか、と。

  • TATA さん

    ポル・ポト政権下のカンボジアで懸命に生き抜く二人の男女。この凄惨な時代があまりにも辛い。特殊な能力を持ち危機を乗り越えるというストーリーには数多くの人が殺害されたこの時代設定が必要だったということなのか。この息苦しさがずっと続くのだろうなと思う流れのまま下巻へ。

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