戦後詩 ユリシーズの不在 講談社文芸文庫

寺山修司

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062902052
ISBN 10 : 4062902052
フォーマット
出版社
発行年月
2013年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
256p;16

内容詳細

一九六五年発表の本書は、今でこそ珍しくなくなったジャンルの超越をいとも自然に行った先駆的詩論でもある。“戦後七人の詩人”として挙げたのは谷川俊太郎、岩田宏、黒田喜夫、吉岡実に加え、西東三鬼、塚本邦雄、星野哲郎。権威によらない闊達で透徹した批評眼は田村隆一、青島幸男、長谷川龍生、ケストナーら数多の詩と遊び、魅力は尽きない。不世出の表現者の天才性が遺憾なく発揮された、名著。

目次 : 第1章 戦後詩における行為(代理人/ 書を捨てるための時代考察/ われわれはもっと「話しかける」べきではないか/ 実証不能の荒野へ/ 自分自身の失踪)/ 第2章 戦後詩の主題としての幻滅(「荒地」の功罪/ 私は地理が好きだった/ おはようの思想化)/ 第3章 詩壇における帰巣集団の構造(読みたいの、読まれたいの/ 今夜限り世界が―?/ 詩人の公生活)/ 第4章 飢えて死ぬ子と詩を書く親と(人生処方詩集/ 難解詩の知的効用)/ 第5章 書斎でクジラを釣るための考察(戦後詩の代表作/ 西東三鬼、塚本邦雄/ 星野哲郎/ 谷川俊太郎、岩田宏/ 黒田喜夫、吉岡実)

【著者紹介】
寺山修司 : 1935・12・10〜1983・5・4。劇作家、詩人、演出家。青森県生まれ。早稲田大学在学中に「チエホフ祭」で短歌研究新人賞を受賞。短歌、俳句、詩、作詞、エッセイ、競馬評論などで活躍する傍ら、演劇実験室「天井桟敷」を主宰し、国内外で高い評価を得、さらに映画監督としても活躍するも、昭和58年、病に斃れる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • しゅん さん

    再読。寺山修司は印刷メディアの大拡散による詩の歴史的変化について語っており、その変化に無自覚な印刷詩を挑発する。また、詩を実際生活の逃避場にしないためにも、生活の詩的強度を高めることを欲する。それ故か、寺山の詩はストレートに入ってくるし多分にセンチメンタルに響きつつ、萎縮した感じがなくあっけらかんとしている。ヒップホップを知っていたらきっと思い切り好きだっただろう。論理で締めず、詩の引用で各章を終わらせる構成が良い。短歌同人を慰める老人の会と腐す場面は思わず笑ってしまった。

  • yamahiko さん

    50年前、寺山20代の作品。今なお新しい。書くという体験を通して新しい世界に踏み込んでいくために存在する、と詩の存在意義定義する。まさに寺山の生きざまそのものではないだろうか。

  • oz さん

    初読。寺山の眼に戦後詩は死に向かう詩学と映じたようである。その詩学もレトリックが高度になればなるほど、主題である死を空転させ、詩自体の虚構化が進行したという。この戦後詩の史的展開を論じた部分は吉本隆明の「修辞的な現在」にも通じる。さらに、詩壇・結社は相互観賞を目的とした福祉団体であるとか、そもそも詩を読んで慰められる程度の悩みなど悩みのうちに入らない、という詩の外部からの辛辣な批判には苦笑しつつも、戦後詩に本書の批判を超克するだけの史的展開がなく、現代詩にも今後の詩にもないであろう事実を認識させられる。

  • A.T さん

    詩や俳句の創作者と読者の関係を同人誌的帰巣集団のなかで完結することの安直さを指摘する。ジャンルの閉塞性に苛立ってる寺山さんに同感!

  • アメヲトコ さん

    寺山修司による独自の現代詩論。「歴史」型と「地理」型の詩を対比させ、自らを後者の詩人と規定する見方が面白い。彼の選ぶ秀作も多く引かれていて、中でも長谷川龍生の「恐山」、必ず声に出して読むこととの指示に従ってみたら、本当に異世界が立ち現れてきました。

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