ペテロの葬列 下 文春文庫

宮部みゆき

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167905859
ISBN 10 : 416790585X
フォーマット
出版社
発行年月
2016年04月
日本
追加情報
:
462p;16

内容詳細

杉村三郎らバスジャック事件の被害者に届いた「慰謝料」。送り主は?金の出所は?老人の正体は?謎を追う三郎が行き着いたのは、かつて膨大な被害者を生んだ、ある事件だった。待ち受けるのは読む者すべてが目を疑う驚愕の結末。人間とは、かくも不可思議なものなのか―。これぞ宮部みゆきの真骨頂。

【著者紹介】
宮部みゆき : 1960年生まれ、東京・深川育ち。法律事務所勤務を経て、87年「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。以降、「龍は眠る」で日本推理作家協会賞(92年)、「本所深川ふしぎ草紙」で吉川英治文学新人賞(同年)、「火車」で山本周五郎賞(93年)、「蒲生邸事件」で日本SF大賞(97年)、「理由」で直木賞(99年)、「模倣犯」で毎日出版文化賞特別賞(2001年)、「名もなき毒」で吉川英治文学賞(07年)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • yoshida さん

    下巻も一気読み。読了するのが勿体ない作品。バスジャック犯の暮木一光の過去と正体が判明する。マインドコントロールする術を身に付けた暮木は組んでいた御厨尚憲とマルチ商法の毒の種をまいた。日商フロンティア協会を強大なマルチ組織にし、さらに人の毒は伝播する。生死の境をさまよった暮木は詐欺の贖罪に動く。その仕上げがバスジャック事件だった。どんな人間でも切っ掛けがあれば、罪の意識に苛まれる事が巧みに描かれる。ラストは二転三転。「ソロモンの偽証」で何となく知っていた杉村の転職。その背景を知り驚く。宮部作品に外れなし。

  • fukumasagami さん

    「俺はこんな人間だから、立派なことなんか言えないけど」 もじもじと動かしていた指を握りしめると、足立則生は真顔になった。 「人生はやり直せるよ。諦めちゃいけない」 急に照れくさそうになって、指を握ったまま拳で鼻をこすった。 「よくそう言うじゃないか、杉村さんも言ってなかったか?」 言った覚えがある。坂本君にも言った。他人に助言するのは、何と易しいことか。 「杉村さんはダメージに負けるような男じゃないだろ。俺はそう思う」 少しのあいだ言葉を探して、結局、私はこう言った。 「ありがとう」

  • エドワード さん

    物語の背景に浮かび上がって来た巨大な詐欺事件。親が<騙される方が悪いんだ>と言えば子供もそう思う。世界から詐欺が無くなることはない。<嘘も方便>とも言う。嘘をついたことのない人間はいない。「真実は決して美しくはない。この世で最も美しいものは、真実ではない。終わらない嘘の方だ。しかし嘘は永遠ではない。嘘が人の心を損なうのは、いつかは終わるからだ。」宮部さんは、心の奥を震わせるような現実からどうしてこのようなエンターテインメントを生み出せるのか。最後の最後まで目が離せない。駅が舞台の終幕は、ミステリーの王道。

  • katsubek さん

    宮部よ、それは辛いぜ。そう、フロドはまたまた、旅立つことになったんだよ。大好きな『指輪物語』。ああ、また、映画が見たいねぇ。さて、このシリーズ、三作目だが、流行歌とともにあるのが面白い。一作目の美空ひばりに始まって、「丘を越えて」があり、あ、一作目にはもう一つあったね。で、三作目は、「テネシーワルツ」しかも、江利チエミ。うーん、柳ジョージとのジョイントはかっこよかったよなぁ。さて、杉村三郎、これからどこへ行くのか?

  • rico さん

    ささやかな幸せへの願いが悪意に取り込まれ、多くを失い深く傷つく。さらに、その傷に塩をぬりこむかのように悪意に全てをゆだね、毒に浸ることで痛みを忘れたことにする。息を吐くように嘘をつくヤツも確かにいるが、それは例外(と信じたい)。自らの嘘と罪に苦しみ、耐え切れずに時には命を断ってしまう多くのペテロたち。だから「葬列」なんだ・・・。彼らに向き合う三郎は教誨師のよう。だけど、身近なペテロの想いに気づかなかった皮肉。この結末は辛い。でも、それぞれの人生を生き直し、また共に歩む日が来ることを祈らずにはいられない。

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