「自己啓発病」社会 祥伝社新書

宮崎学(評論家)

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784396112639
ISBN 10 : 4396112637
フォーマット
出版社
発行年月
2012年02月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
宮崎学 ,  
追加情報
:
220p 18cm

内容詳細

「失われた20年」と軌を一にするように、日本人の間で自己啓発ブームが巻き起こった。合言葉は「セルフヘルプ」、「スキルアップ」、「夢をかなえる」…。このブームを支えたのが『自助論』という翻訳書だ。彼ら自己啓発に励む日本人は、同書をバイブルとして崇め立てた。だが、そのバイブルは、じつは抄訳であり、原著(完全訳)の持つ精神を損ない、たんなる成功のためのハウツー集になっていることに気づく人は少ない。日本人は、いわば「ゆがめられた自助」を盲信してきたのだ。自己啓発ブームの結果、格差は拡大し、「あきらめ感」が蔓延した。現代日本の社会病理を徹底的に解剖する。

目次 : 1 「セルフヘルプ」という病(ポジティブ・シンキングから自己啓発へ―1990年以後の日本/ 「スキルアップ」の三種の神器 ほか)/ 2 ゆがめられた『自助論』(いま読まれている『自助論』は「抄訳」である/ 「抄訳」にはない、もうひとつの重要なこと ほか)/ 3 自助と互助と共助(幕末日本にあった「自助」と「互助」と「共助」/ 志士たちの魂を揺さぶったもの ほか)/ 4 「勤勉」と「成功」の終わり(かつて「労働」とは奴隷の仕事だった/ いつから「勤勉=美徳」になったのか ほか)

【著者紹介】
宮崎学 : 1945年、京都府生まれ。早稲田大学中退。父は伏見のヤクザ、寺村組組長。早大在学中は学生運動に没頭、共産党系ゲバルト部隊隊長として名を馳せる。週刊誌記者を経て実家の建築解体業を継ぐが倒産。半生を綴った『突破者』(南風社、新潮文庫)で衝撃的デビューを果たし、以後旺盛な執筆活動を続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 岡本正行 さん

     自己啓発、仕事や学業で、自分をいかに向上させるか、成績向上でもあり、仕事が生きがいと考える人たちに、能力や資質を高めて、評価を上げるための方法論でもある。ただ、それが組織への貢献や勤務実績向上、報酬増加、地位の向上などにつながっているだけに、自己啓発論が空しく、ただの組織論、経営論になっていく。松下幸之助や渋沢栄一などの起業家、経営者、商売人が政治家とともに、単に金持ちなどとして評価されないのも、結局は、金のための人生じゃないかという日本人的な倫理観によるものと思う。稲盛和夫は、まだ死んでも元気、だが。

  • 阿部義彦 さん

    祥伝社新書、この著者宮崎学さんは毀誉褒貶が激しい方ですね、私も「突破者」を読みましたけど好きな部分と嫌いな部分が半々かな?反骨精神の権化の様な硬派です。この本の主張には心から賛同します。最近は経済苦ではなく漠とした不安で自殺する人が多い。何故今の世はこうした不安を与えるのか。それこそ多くの人が「自己啓発病」にかかってるからではないか?多くのハウツー本は努力すれば誰もが「夢がかなった」り「自分が変わった」りできると唱える。しかし、出来るはずがないのだ。もし「できる」と本気で信じているとすればそれこ病である。

  • Takayuki Oohashi さん

    この本の前半部を読んだ時、ちょうど小泉首相が政権を握っていた頃に、鹿児島の小さな本屋が次々と潰れていったことを思い出しました。小泉さんの構造改革が成したのは、様々な所で競争原理を導入し、相互扶助で支えられていた中小の事業者を解体したことだと書いてありました。人々はそれでも、「自力をつけよう」と自己啓発に励んだが、結局得られたのは、更なる格差社会と貧困層の増大だったとのことです。……この頃流行った言葉では「負け組」の僕はそれを知っただけでも溜飲が下がったのでした。

  • 厩戸皇子そっくりおじさん・寺 さん

    久しぶりに宮崎学を読んだ。著者近影の写真が随分痩せているのが気になる。スマイルズ『自助論』を中心に、自己啓発ブームを斬り、本来の人間関係の繋がりに目を向ける本。自力か他力か。自己啓発本の胡散臭さは宗派の無い宗教だと思う。ビジネスマンや綺麗になりたい女性は大概信じてる宗教。宮崎さんはそういう方面でなく、社会問題に目が行く。この辺は元学生運動家だな。私は哲学や仏教、歴史や古典の本がコンビニに並んでるのも、ある種の自己啓発ブームだと思っている。

  • ichiro-k さん

    昨今の「自己啓発」ブームは「己さえ利すれば良い」という利己的動機である、と切り捨てている。 著者にとって震災以後の「絆」や「頑張ろう日本(本文では東北)」の掛け声には実感(本文では肉感的)がないとのこと。同感である。 内容の大半はサミュエル・スマイルズの「自助論」の抄訳が誤解を招いていると主張。「木を見て森を見ず」の近視眼的で違和感あり。 利他・互助・共助の精神が薄れてきているのは、もっと大きな理由があるんではないだろうか?

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