春燈 新潮文庫

宮尾登美子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101293059
ISBN 10 : 4101293058
フォーマット
出版社
発行年月
2007年02月
日本
追加情報
:
16cm,643p

内容詳細

土佐の高知で芸妓娼妓紹介業を営む家に生まれ育ち、複雑な家庭事情のもと、多感な少女期を送る綾子。育ての母喜和と、実父岩伍の離縁という破局の中にあって、若くみずみずしい心は激しく葛藤し、やがて束の間の淡い青春を迎える…。両親の側から生家の事情を克明に描いた名作『櫂』と、戦時下の満州での苦難の結婚生活に焦点を当てた『朱夏』を架橋する、著者渾身の自伝小説。

【著者紹介】
宮尾登美子 : 1926(大正15)年、高知市生れ。17歳で結婚、夫と共に満州へ渡り、敗戦。九死に一生の辛苦を経て’46(昭和21)年帰郷。県社会福祉協議会に勤めながら執筆した’62年の「連」で女流新人賞。上京後、九年余を費し’72年に上梓した「櫂」が太宰治賞、’78年の『一絃の琴』により直木賞受賞。他の作品に『序の舞』(’82年刊、吉川英治文学賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ソーダポップ さん

    複雑な家庭事情を主としてその両親の側から描いた「櫂」と、早婚によって生家を離れた後の主人公綾子を襲った苦難に焦点を当てた「朱夏」を架橋する「春燈」は自伝的小説という一般的なジャンルで一応は呼ぶことの出来る作品だといえる。小学生の綾子が国民学校の代用教員となるまでの過程を克明に辿るその内容は、様々な意味合いで一風変わった曲折に満ちており思春期の少女の物語である。作品が結び近くにさしかかってようやく「束の間しか無かった青春」という表現が使われており、それでも若くみずみずしい激しく葛藤する著書渾身の小説でした。

  • KEI さん

    宮尾登美子の自叙伝的小説「櫂」の続編に当たる。「櫂」では貴和の視線で語られていたが、本書ではその娘・綾子の視線で描かれる。両親の不和から離婚、進学にあたって父親に引き取られるが、家業に嫌悪感を持ち父親に反抗するする綾子の姿は宮尾登美子に重なり興味深かった。綾子の価値観や甘やかされて育った事、向こうみずな姿に綾子の若さを感じた。「女は三界に家なし」と言われていた往時の姿や結婚で父からの束縛を逃れ様とする綾子の今後を読みたい。

  • まあちゃん さん

    作者の語り口が実に好きだ。いつも懸命に生きる女性の心情を切々と描写してくれる。両親について綴った「櫂」に続き自身の少女時代を描く。芸妓娼妓紹介業を営み頑固で厳しい父。育ての母を離縁した父と家業を憎み反抗しながら、その庇護のうちに世間知らずに育ち思いのまま振舞う。櫂で伝わってきた育ての母への愛情。春燈では父への葛藤や憎しみが描かれる。人に合わせずあまりにまっすぐに懸命に生きる綾子から、作者の人柄を探り、一女性のかくも潔癖で熱情的な生き様に感銘を覚える。彼女の様子や感情がありありと心に描かれる読書の喜び。

  • canacona さん

    喜和の娘綾子の視点で、両親が離婚するあたりから学生生活、就職と結婚までの物語。つらつらと描かれているだけなのに、面白い。なんでだろう。綾子は宮尾さん自身で、我儘で自分中心の性格の様に描いているけど、裕福で特殊な家庭環境を合わせても、10代ってこんなもんじゃないかな。親友の死と、就職してそれと気付かず規子の里へ赴任し、気づく場面。正に物語の様な出来事だけど、宮尾さんの自伝と考えたら本当に運命的。そして、高知の中学受験主義はもうこの時代からだったんだなぁ。当時の様子が生き生きと描かれていて、興味深かったです。

  • キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん さん

    遊女娼妓芸者の紹介業の家に生まれた著者の、結婚までの自伝的小説。養母、父親の後妻、はらちがいの兄弟たちと暮らしながら、思う様我儘にのびのび生きる主人公が何だかいたいたしい。

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人物・団体紹介

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宮尾登美子

1926年(大正15年)4月13日‐2014年(平成26年)12月30日、享年88。高知県出身。1979年『一絃の琴』で第80回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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