砂の女 新潮文庫

安部公房

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101121154
ISBN 10 : 410112115X
フォーマット
出版社
発行年月
1981年02月
日本
追加情報
:
16cm,276p

商品説明

来る日も来る日も砂・砂・砂……。

砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺める村の人々。ドキュメンタルな手法、サスペンスあふれる展開のうちに、人間存在の極限の姿を追求した長編。20数ヶ国語に翻訳されている。読売文学賞受賞作。

内容詳細

砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺める部落の人々。ドキュメンタルな手法、サスペンスあふれる展開のなかに、人間存在の象徴的な姿を追求した書き下ろし長編。20数ヶ国語に翻訳された名作。

(「BOOK」データベースより)

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砂の底二十メートルで延々と砂掻きをやらさ...

投稿日:2021/04/17 (土)

砂の底二十メートルで延々と砂掻きをやらされる男と女。すでに覚悟を決めている女と脱走を試みジタバタする男。まさに窮地に立たされたときの男と女の態度そのもののようで思わず笑ってしまう。  今までこのような凄い才能を知らなかった自分の小ささと大海の大きさを痛感した作品。  そして読後すぐに鳥取砂丘に行きたくなる単純なオイラw

boggie999 さん | 神奈川県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヴェネツィア さん

    再読。閉じ込められた砂をひたすらに掻き出す作業―安部版シジフォスといった不条理の物語。ただし、最後はこれを受け入れるというきわめて東洋的な解決に終わる。砂に埋もれる焦燥が、細部に至るまでの実に緻密な描写力に支えられ、圧倒的なリアリティを現出させる。比喩の巧みさも卓越。

  • 風眠 さん

    高校生の頃はじめて読んでから、もうこれが何度目の再読になるだろう。何度読んでも圧倒的に凄まじい。砂に埋もれた集落、一般社会から切り離された砂の世界に絡め取られてしまった男、脱出を夢想し毎日砂と格闘する。そして一緒に暮らすのは、砂しか知らない孤独で無知な女。異質なのに人を惹きつけてやまない魅力的な情景描写と、不気味で従順な女のエロさが何とも印象的。冒頭の「罰がなければ、逃げる楽しみもない」という一文。「罰」ってなんだろうって、ずっとずっと考え続けている。

  • パトラッシュ さん

    舞台化を観に行くので云十年ぶりに再読した。暑苦しい真夏に読むと汗まみれの肌に熱い砂がまとわりつくようで不快になるが、砂丘のあばら家に女と共に閉じ込められた主人公がコロナ禍で外出自粛を強要される自分たちと重なる。感染が危険だと日々言い立てられ、いつの間にか自由を奪われた状態が当然で心地よくすら感じられる世界。「人というものは馴れる生き物」(ドストエフスキー)なので、蟻地獄に落ちて都会暮らしの常識を奪われた男も異世界での生活が心地よくなってしまったようだ。そんな人の弱さ愚かさこそ著者が描こうとしたものなのか。

  • 抹茶モナカ さん

    寓話的な作品。罰がなければ、人間は逃げる喜びすら、感じないのか。理数系よりの知識、思考を展開しながらも、語られる言葉は文学の言葉だ。いろいろな読み方が許される文学作品で、労働について、僕の場合は考えた。

  • 遥かなる想い さん

    安部公房は密閉された空間を描くのが得意であるが、本書は突然女に閉じ込められた男が脱出を図ってもがく様を描く。世界20数ヶ国語に翻訳紹介された名作だというので、読み始めたが、正直普通の本とは全く違う世界に困惑をした。我々が何気なく生きていく日常とは何ともろいものか、サスペンス的な雰囲気で 読者を虜にする本だと思う。うまく説明できないが、「砂の女」に登場する女がひどく世俗的で汚れていたイメージがあって、みだらに思えた記憶がある。

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人物・団体紹介

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安部公房

1924‐1993。東京生れ。東京大学医学部卒。1951(昭和26)年「壁」で芥川賞を受賞。’62年に発表した『砂の女』は読売文学賞を受賞したほか、フランスでは最優秀外国文学賞を受賞。その他、戯曲「友達」で谷崎潤一郎賞、『緑色のストッキング』で読売文学賞を受賞するなど、受賞多数。’73年より演劇集団

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