ノヴァーリスの引用/滝 創元推理文庫

奥泉光

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784488444112
ISBN 10 : 4488444113
フォーマット
出版社
発行年月
2015年04月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
奥泉光 ,  
追加情報
:
273p;15

内容詳細

恩師の葬儀からの帰り道、男たちは酒を酌み交わしながら、かつて図書館の屋上から墜落した友人の死の真相を推理する―幾重もの推理が読者を彼岸へと誘うアンチ・ミステリ「ノヴァーリスの引用」。罠と悪意にからめとられ、極限状態に追い詰められていく少年たちの心理を緻密に描きだした傑作と名高い「滝」。著者のミステリ世界が凝縮された初期の代表作を一冊にまとめて贈る。

【著者紹介】
奥泉光 : 1956年山形県生まれ。国際基督教大学大学院博士前期課程修了。86年『すばる』に「地の鳥天の魚群」を発表してデビューする。90年「滝」が第103回芥川賞および第3回三島由紀夫賞の候補となる。93年『ノヴァーリスの引用』が第15回野間文芸新人賞および瞠目反・文学賞、94年「石の来歴」が第110回芥川賞、2009年『神器軍艦「橿原」殺人事件』が第62回野間文芸賞、14年『東京自叙伝』が第50回谷崎潤一郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • KAZOO さん

    ノヴァーリスの引用も滝も最近のミステリーではあまりお見かけしない小説でした。というかすごく緻密な感じで読むのにはかなりエネルギーと時間がかかりました。ノヴァーリスの引用は中井英夫の「虚無への供物」を思い出しました。あれほどペダンティックではないのですがやはり同じような教養小説的なにおいがふんぷんとします。私の好みには合っています。滝のほうが物語的にはわかりやすさがありました。

  • 安南 さん

    『滝』完璧な純粋を極めて上り詰めた先には転落か死しかない。三島文学『奔馬』をなぞった作品であるのは間違いないが、最後の顔を破壊する理由は?それも三島の大の苦手である蟹に食いちぎらせるとは。これは三島文学のオマージュなんていう生易しいものではなく三島への挑戦状なのかもしれない。ストーリーそのものは三島の短編『剣』を換骨奪胎といったところで『蘭陵王』にも雰囲気に共通するところがあると感じたがそれはむしろ《顔》へのこだわり?『剣』では葉隠にある顔の皮の剥がし方について話す件があった。それに応えてなのか。

  • 絹恵 さん

    過去へ過去へと潜って真実に触れようとするたびに、心の迷宮に踏み入るようです。過去を見ても未来を思っても、人は苦悩を重ね、咎めたり庇ったりします。でもどの哲学者よりも簡単に真実を語るジャック・クリスピン曰く"死んでるみたいに生きたくない。生きてるみたいに生きるんだ"と、生きづらさを感じる全ての人に贈りたいと思いました。そして何と言っても"ノヴァーリスの引用"の使い所にふるえます。

  • りー さん

    これは「真面目な方の」奥泉光らしさがよく出ている一冊じゃあないだろうか。「ノヴァーリスの引用」は始めの方こそ冗長な語りと動きの無さに辟易していたものの、中盤以降は物語がぐっと幻想味を帯び始め、不明確な現実感や石塚の独り語りの圧倒的な吸引力で終幕まで読まされる。二編目の「滝」は三島由紀夫を思わせる設定や人物の登場するディストピア小説で、この先を読めばどんなにか不愉快な出来事が待っているに違いないと思わせる緊張感と不穏な空気に満たされながらも頁を捲る手が止まらない秀作だった。

  • しろ さん

    ☆6 著者のミステリはどうしてもただのミステリじゃないから相変わらず読むのに疲れるけど、今作の中編二本はねっとりとした雰囲気とか感情のうねるストーリーにのみこまれた。ロジックももちろん多少楽しめたけど雰囲気ミステリかな。

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