我々の死者と未来の他者 戦後日本人が失ったもの インターナショナル新書

大澤真幸

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784797681376
ISBN 10 : 4797681373
フォーマット
発行年月
2024年04月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
256p;18

内容詳細

なぜ日本人は「気候変動問題」に対する関心が低いのか。
そのヒントは司馬遼太郎や吉本隆明、村上春樹らの作品にあった。
社会学から現代思想、文学、サブカルチャーにまで精通する著者が、司馬遼太郎や村上春樹らの小説、さらに『鬼滅の刃』『虹色のトロツキー』『満州アヘンスクワッド』などの漫画作品から、過去・未来と現在との「分断」の正体を暴く。日本人が切り捨ててきた〈我々の死者〉、そして〈未来の他者〉とは何か。戦後の日本社会に対する「解像度」が上がる一冊!

(目次より)
第1章 〈死者〉を欠いた国民
第2章 トカトントンは鳴り響く
第3章 二段階の哀悼――意義と限界
第4章 仮象としての大衆
第5章 青みどろの生き物だけがいた
第6章 スロウボートは中国に着いたか

(プロフィール)
大澤真幸(おおさわ・まさち)
社会学者。1958年、長野県生まれ。千葉大学文学部助教授、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を歴任。思想誌『THINKING「O」』(左右社)主宰。現代社会の諸現象を、高度なロジックで多角的に検証する。著書に『不可能性の時代』(岩波新書)、『三島由紀夫 ふたつの謎』(集英社新書)、『社会学史』(講談社現代新書)、『新世紀のコミュニズムへ』(NHK出版新書)など多数。

【著者紹介】
大沢真幸 : 社会学者。1958年、長野県生まれ。千葉大学文学部助教授、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を歴任。思想誌『THINKING「O」』(左右社)主宰。現代社会の諸現象を、高度なロジックで多角的に検証する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ころこ さん

    著者は社会学者だが、本書は文芸批評であり、その上での社会批評だ。文芸批評はエビデンスがないと言われ、説得力に欠けるというのが、読まれていない理由だと思う。著者は以前から加藤典洋『敗戦後論』の仕事を評価している。加藤の論は複雑で、論理を文学の力で乗り越えるところがあった。著者はこれを整理して、日本の戦争の死者たちに対して、あなたたちを裏切ることになると哀悼を示し、次いでアジアの犠牲者に対して謝罪するという、加藤が直接言っていない論として更新した。ではなぜこれが現在の我々に関係があるのか。日本が世界の問題に対

  • Melody_Nelson さん

    面白いアプローチで、過去から現在、未来への連続性を探っている。最初は、日本における気候変動への関心の低さから始まるが、その後に、過去の作家の記述から、今の我々に連なる(はずの)日本人を探る。太宰や鶴見俊輔、吉本隆明、司馬遼太郎などに言及しており、クライマックスとなるテーマはノモンハン事件となるのだが、まさか春樹の「ねじまき鳥〜」がこんな風に解釈されるとは!また読みたくなってしまった。「地図と拳」を読んだ後で良かった。

  • わ! さん

    全編を通した主題は「日本人の敗戦感」の追求だ。問題の切り口と、掘り下げ方は面白いと思った。タイトルにある「我々の死者」とは、過去において、自分達のために血を流したいわゆる「英霊」を指し、「未来の他者」とは、自分達の後の世代として生まれくる子孫を指している。そして現代日本人は敗戦と、その戦争で「我々の死者」が行った侵略という罪によって、「我々の死者」に目を背けてしまっているというものだ。だが、そこからこの本では、戦後の作家たちがどの様に「我々の死者」を描いてきたか(向かいあってきたか)へと展開するのである。

  • 志村真幸 さん

     気候変動問題といった「未来の他者」が被害を受けるであろう問題に、日本ではなぜ関心が薄いのかという疑問を出発点として、自由に思考を広げていった一冊だ。  未来から反転して、「我々の死者」、すなわち第二次大戦という「断絶」に焦点をあてながら、太宰治、鶴見俊輔、吉本隆明、柳田国男、司馬遼太郎、安彦良和、村上春樹らの作品が分析されていく。  大澤さんらしい大胆な発想と、その枠組みに基づいた斬新な解釈を披露していく過程が圧巻だ。  近現代の日本文学への新しい「読み」を提示したという点でも、価値のある一冊だろう。

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