花影 講談社文芸文庫

大岡昇平

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784061984400
ISBN 10 : 4061984403
フォーマット
出版社
発行年月
2006年05月
日本
追加情報
:
16cm,198p

内容詳細

女の盛りを過ぎようとしていたホステス葉子は、大学教師松崎との愛人生活に終止符を打ち、古巣の銀座のバーに戻った。無垢なこころを持ちながら、遊戯のように次々と空しい恋愛を繰り返し、やがて睡眠薬自殺を遂げる。―その桜花の幻のようにはかない生に捧げられた鎮魂の曲。実在の人物をモデルとして、抑制の効いた筆致によって、純粋なロマネスクの結構に仕立てた現代文学屈指の名作。

【著者紹介】
大岡昇平 : 1909・3・6〜1988・12・25。小説家。東京生まれ。京都帝国大学卒。19歳の年、小林秀雄、中原中也、河上徹太郎らを知り、文学に開眼。同人誌「白痴群」に参加。スタンダールに傾倒し、翻訳、評論の執筆に打ち込む。1944年応召、フィリピンに出征。復員後、戦場での体験を書いた『俘虜記』を発表、戦後小説の傑作として好評を博し、作家としてデビューした。その後も知性派の作家としての活動は多岐にわたった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • じいじ さん

    とりとめのない女の生涯が、美しい文章で綴られた物語。主人公の葉子は,実在するモデルがいたらしい。大学教師の愛人など周囲の男たちに翻弄されても、じっと我慢して生きようとする、女の逞しさと儚さの両面を感じる葉子。私的には初読み作品の『武蔵野夫人』の方が、不倫の恋物語ではあったが面白かった。

  • 阿呆った(旧・ことうら) さん

    〜本命の女になれない、ままごとみたいな情事〜『花影』というタイトルには、華のある美貌で男を翻弄する銀座の女性の虚無感と、その美貌の自体の翳りという二つの意味が込められていると思います。大岡昇平は初読みでしたが、流石時代に淘汰されずに残った作品だけのことはある奥行きの深い作品です。余談ですが、梶井基次郎の『桜の木の下には…』が作中に引用されていました。この名文は、いろいろな作品の中に使われているのを見かけますね(村上龍とか)。

  • Bartleby さん

    フロベールの「ボヴァリー夫人』を彷彿とさせる葉子。最初から彼女の運命は決まっていた。なにせ葉子のモデルは自殺した作者の愛人なのだから。しかし小説化する手法はしたたか。卑俗化も崇拝もしない。むろん語り手は葉子を安易に理解できるとは思っていない。葉子はなぜ死んだか。本書におけるいちばんの謎は結局語られない。しかし男、金、時間、近代…こうした容赦のない大きな物語が、葉子をじわじわと嬲り殺してゆく様が克明に描かれた作品。

  • fseigojp さん

    大岡昇平の母も花柳界の方だったと聞いております 阪本睦子さんは、どこか母と面影が似ていたのではないでしょうか

  • 青豆 さん

    花の様に可憐で儚い女の一生を描いた作品。大学教師との愛人生活に終止符を打ち古巣の銀座に戻る主人公の葉子。かつての美貌も健康的な肉体も既に失い、花の盛りを過ぎてしまった葉子が自分を取り巻く男達の身勝手さに翻弄される姿が痛々しい。空虚な日々の果てに葉子が選択した破滅は余りにも悲しくやるせない。大岡昇平の作品は恥ずかしながら初めて読んだが、文章の美しさに感動した。また他の作品も読んでみようと思う。

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人物・団体紹介

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大岡昇平

明治42年(1909)東京牛込に生まれる。成城高校を経て京大文学部仏文科に入学。成城時代、東大生の小林秀雄にフランス語の個人指導を受け、中原中也、河上徹太郎らを知る。昭和7年京大卒業後、スタンダールの翻訳、文芸批評を試みる。昭和19年3月召集の後、フィリピン、ミンドロ島に派遣され、20年1月米軍の俘

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