沖縄の不都合な真実 新潮新書

大久保潤

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784106106019
ISBN 10 : 4106106019
フォーマット
出版社
発行年月
2015年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
221p;18

内容詳細

これが「カネと利権」の構造だ。政府と県の茶番劇、公務員が君臨する階級社会、異論を封じる言論空間……沖縄問題の語られざる現実を炙り出す。

【著者紹介】
大久保潤 : 1963(昭和38)年生まれ。日本経済新聞社元那覇支局長、現新潟支局長。国際基督教大学教養学部卒

篠原章 : 1956(昭和31)年生まれ。大学教員を経て評論家。経済学博士(成城大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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この本に記されていることは、他の書籍等で...

投稿日:2015/05/24 (日)

この本に記されていることは、他の書籍等で度々指摘されてきた出来事の総集編とも言えるのではないか。沖縄において「平和活動家」を自負する人たちは反米・反基地こそが正しいとの一点張りであるが、去年(2014年)の沖縄県知事選挙を境にいわゆる「オール沖縄」を掲げ ”基地反対を言わない者は沖縄人ではない”と言わんばかりの勢いでまくしたてる始末。沖縄に住んでいる者としてはいくらなんでもやり過ぎではないかと思う。力でもって言論を封殺する、活動家とは異なる考えを持っている者たちを異端者として排除するような・・・言ってしまえば魔女狩りを行うことが果たして平和的活動と呼べるのか?これこそ平和という名の暴力ではなかろうか。彼らは事あるごとに「沖縄は差別されている」と言う。確かに彼らはソト社会(他府県・海外など)に対して「沖縄は差別されている、沖縄は日本の一部であるはずなのに日本として扱われていない、沖縄は日本の内国植民地である」等々、沖縄を差別する日本社会を批判し対立構造を印象付ける。だが彼らの言うことを鵜呑みにしないほうがいい。ソト社会に対しては”差別され虐げられている沖縄”を演出するがウチ社会においては一転して、”沖縄の将来を決めるのは沖縄自身であって日本政府でもアメリカでもない” と相手に応じて沖縄の立ち位置を使い分けている。自らの権力を誇示するため「敵」を作り対立を煽る手法は独裁国家と変わりないのではないか。定の団体と異なる考えを持っている住民の声を無視するばかりか一方的な価値観を押し付け反米感情を煽ることが「平和」であるかのような言い方は良くないと思うし、様々な主義主張があるにせよ超えてはならない一線もある。目まぐるしく変化している東アジア情勢の中で、これ以上沖縄での混乱が長引けばこれこそ第三国に付け入る隙を与え取り返しのつかない事態になるのではないかと危惧している。追記 (2015/03/18):書き忘れていた事があるので加えたいと思う。 現在沖縄には75%の米軍基地がある、と言われ基地の過剰負担の根拠となっている。しかし「75%の米軍基地」とはアメリカ軍が単独で運用している基地のことであって、在日アメリカ軍基地の75%ということではない。では、沖縄にどれくないの基地があるのか、それは全体のわずか22.6%である(『沖縄が中国になる日』より)。これもまた沖縄にとって・・・特に基地反対派にとって不都合な真実であろう。数字のトリックに惑わされないように気を付けて欲しい。また、先日辺野古で反対派が拘束された際にも彼らは、「不当逮捕」だとアメリカ軍を非難していたが、周知の通りその当時の映像が”流出”したことによって反対派が意図的に基地内に侵入したことが判明した(J-CASTニュース 2015/3/16)。以上のことからも分かるように沖縄で言われていることは必ずしも真実とは限らない。基地反対派の発言を鵜呑みにするのではなく、今沖縄で何が行われているのか、沖縄住民を欺き苦しめているのは誰なのかを見極めて欲しい。

ハンク さん | 沖縄県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • hatayan さん

    「戦争と基地のかわいそうな島」という沖縄のイメージが一面的であることを鋭く告発する一冊。沖縄は公務員が経済的にも政治的にも優位。「基地には反対だが、基地の見返りである振興資金に依存する公主導の経済は続けたい」という真の意味で保守的な集団が存在。沖縄の企業や行政は振興策依存で自立心が既に奪われており、既得権益を放棄することは困難。しかし振興策の恩恵に与れるのは大企業のみで格差はむしろ拡大。「基地が返還されれば沖縄の存在意義もなくなる」基地反対運動の中軸に立つはずの労組幹部の発言が矛盾を露骨に表現しています。

  • とくけんちょ さん

    複雑すぎる。ここまで欲望や思惑が複雑に絡み合っていると簡単に誰の言ってることが沖縄のためなのか理解不能。たちまち沖縄のためということが、すでに一義的ではない。沖縄問題というが、何が問題なのかを見極めことが困難であって、貧困や基地移設など、テーマごとで考えるしかないのか。

  • 伊田林 浮刄 さん

    ★★★★☆沖縄社会が抱える構造的問題とは「保守vs革新」や「基地賛成派vs反対派」といった単純なものではなく「既得権益にどっぷり浸かっている旧体制vsそこから外れた貧困層」だということを9つのテーマ別に解説してくれている。この旧体制メンバーとは左右問わずの政治家や首長・財界経済界・労組幹部や市民運動家・知識人・地元マスコミetc…一見呉越同舟に見えるが著者は彼らを「同じ穴のムジナ」と断じている(コメント欄に続く)

  • 巨峰 さん

    朝日新聞やテレビ朝日の古館氏がけっして報じない沖縄の真実の一面を共著により論考したもの。重版をかさね、発売後3月たっても大阪の本屋で平積みして売られているこの本が、沖縄県ではどれほど手にとられているのか興味はある。マスから発信される情報だけじゃなくて、異なる角度からの意見を載せた書物を出版されることは悪くない。とは思うものの嫌韓本みたいに雨後の筍のごとく本屋の棚でこの手の本が増殖したらいやだなあ

  • シュラフ さん

    辺野古移設問題をめぐって沖縄が騒がしい。一連の騒動に関する新聞報道を読んでいると、"沖縄の心をカネでひっぱたく日本という国家"ということと理解していた。だが、現実問題はそんなに単純ではないという。実は辺野古住民は基地移設を望んでいるし、さらには沖縄全体が基地削減を望んではいないという。政治・新聞・労組らはオール沖縄で基地問題を騒いでは国からの補助金を狙うという構図。一方で多額の補助金が沖縄の人々の生活を歪めてしまっている実態。はっきりいえば被害者ビジネスである。紛糾する沖縄問題について考える必読の一冊。

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