百年の散歩

多和田葉子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784104361052
ISBN 10 : 4104361054
フォーマット
出版社
発行年月
2017年03月
日本
追加情報
:
256p;20

内容詳細

都市は官能の遊園地、革命の練習舞台、孤独を食べるレストラン、言葉の作業場。世界中から人々が集まるベルリンの街に、経済の運河に流され、さまよい生きる人たちの物語が、かつて戦火に焼かれ国境に分断された土地の記憶が、立ちあがる。「カント通り」「カール・マルクス通り」他、かつて国境に分断され、いまや世界中の人々が行き交うベルリンに実在する10の通りからなる連作長編。

目次 : カント通り/ カール・マルクス通り/ マルティン・ルター通り/ レネー・シンテニス広場/ ローザ・ルクセンブルク通り/ プーシキン並木通り/ リヒャルト・ワーグナー通り/ コルヴィッツ通り/ トゥホルスキー通り/ マヤコフスキーリング

【著者紹介】
多和田葉子 : 1960年、東京生まれ。早稲田大学文学部卒。82年、ドイツ・ハンブルクへ。ハンブルク大学大学院修士課程修了。チューリッヒ大学大学院博士課程修了。91年「かかとを失くして」で群像新人賞、93年「犬婿入り」で芥川賞、2000年『ヒナギクのお茶の場合』で泉鏡花賞、02年『球形時間』でドゥマゴ文学賞、03年『容疑者の夜行列車』で谷崎潤一郎賞、伊藤整文学賞、11年『尼僧とキューピッドの弓』で紫式部文学賞、『雪の練習生』で野間文芸賞、13年『雲をつかむ話』で読売文学賞と芸術選奨文部科学大臣賞(文学部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • KAZOO さん

    多和田さんの比較的最近の作品です。ベルリンの幾つかのとおりを題名にして、そこに集う人々などや書き手の想いを綴られたエッセイのような連作短篇なのでしょう。言葉遊びがあったりして読んでいても本当にこの作家はうまく言葉を紡いでいるという気がします。多和田さんが日本人作家では一番ノーベル文学賞に近い気がします。私はむかしベルリンが分断されていた頃に何度か行ったことがありこの本を読んで再度訪ねてみたくなりました。

  • nico🐬波待ち中 さん

    ベルリンのあちこちの通りで「あの人」を待つ。けれど待ち人はなかなか来ない。来ない「あの人」を待ちながら、のんびりとそぞろ歩きしながらの連作短編集。目に止まった景色や人々の観察、街の歴史に思いを馳せ、百年前にトリップして空想に浸ったり。言葉遊びのような文章が楽しい。日本語、ドイツ語等多様な言語が踊り出し、韻を踏んだような言葉遊びにニヤリとなる。私はベルリンを訪れたことはないけれど、一緒に散歩した気分になれた。百年前に建てられた建物等をゆったり見ながら、百年前に思いを馳せながらの散歩、なんて贅沢なことだろう。

  • どんぐり さん

    「カント通り」「カール・マルクス通り」「マルティン・ルター通り」など、ベルリンにある通り。多和田さんの10章からなる通りをめぐる散歩と思索の跡を追う読書体験。しばしば出てくる「あの人」とはいったいだれなのか。――いつだっか、「トゥホルスキー通り」という名をわたしが何気なく口にしたとき、あの人の顔が一瞬輝いた。何かを思い出したようだった。ところが記憶を辿り始めるまえに、「それほど重要ではない」という名前の箒がさっと脳床をはらって、記憶のかけらをチリトリにのせて鳥のように運び去ってしまった。――読者も、いつの

  • なゆ さん

    ベルリンの街角。いろんな人の名前を刻んだ通りで、わたしはあの人を待っている。待ちながらぶらぶらと気の向くままに歩き、目にとまる人や物に想いが絡まり、思考もうろうろと散歩を始めてしまう。言葉あそびもたっぷりで自由気ままなようでいて、きな臭い歴史や予感もチラチラ。とても不思議な空間、奇妙な散策なんだけど、なぜか無性に気になる文章たち。イメージ的には、ベルリンをずんずん闊歩する多和田さんの後を、必死についていこうとするも結局迷子になってしまったような。でもついていきたい。ああ、多和田さんには敵わない。

  • aoringo さん

    ベルリンの街をあてもなく散策する主人公の「わたし」。他の方の感想にもあるように言葉遊びがふんだんに盛り込まれている。しかし決して読みやすいとは言えない。空想というより病的な妄想に取り憑かれている孤独な一人遊びで、一冊を通して夢の中の出来事を語られている感じを受けた。混沌としたその中で「あの人」の存在だけがくっきりと形作られている。最後まで読み切ったけど、ちょっと疲れてしまった。読む人を選ぶかもしれません。

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人物・団体紹介

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多和田葉子

1960年東京都生まれ。早稲田大学文学部卒業、ハンブルク大学修士課程修了、チューリッヒ大学博士課程修了。日本語とドイツ語で作品を手がける。93年『犬婿入り』で芥川賞、2000年『ヒナギクのお茶の場合』で泉鏡花文学賞、03年『容疑者の夜行列車』で伊藤整文学賞、谷崎潤一郎賞、05年ゲーテ・メダル、11年

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