かかとを失くして 三人関係 文字移植 講談社文芸文庫

多和田葉子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062902274
ISBN 10 : 4062902273
フォーマット
出版社
発行年月
2014年04月
日本
追加情報
:
256p;16

内容詳細

九時十七分着の夜行列車で中央駅のホームへ降りた、遠い国から来た私。なぜか周囲からかかとを笑われながら、書類結婚をした男の住む十七番地のアパートで、扉に隠れて姿を見せない夫との奇妙な生活が始まる。ドイツで作品を発表していた著者が、群像新人賞を受賞して日本で衝撃的デビューを飾った「かかとを失くして」他二篇。“21世紀の世界文学”の幕開けを告げる、記念碑的作品集。

【著者紹介】
多和田葉子 : 1960・3・23〜。小説家、詩人。東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。ハンブルク大学修士課程修了。1982年よりドイツに住み、日本語・ドイツ語両言語で小説を書く。91年、「かかとを失くして」で群像新人文学賞受賞。93年、「犬婿入り」で芥川賞受賞。96年、ドイツ語での文学活動に対しシャミッソー文学賞を授与される。2000年、「ヒナギクのお茶の場合」で泉鏡花文学賞を受賞。同年、ドイツの永住権を獲得。また、チューリッヒ大学博士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • 佐島楓 さん

    小説という方法で人間の不自由さを書きながら、自由を探っているような姿勢が見てとれるのが印象的だった。めまいがするような奇妙な世界観は、随一のものであろう。文化や言語感覚が文学に与える影響に興味があるため、ほかの作品も拝読したい。

  • bura さん

    多和田葉子デビュー作。群像新人賞受賞「かかとを失くして」他2作収録の短編集。夜行列車で見知らぬ国の中央駅に降りた私が「書類結婚」をした相手のアパートで、姿を見せない夫と不可思議な生活を続けていく物語。異なる文化圏での日常の違いを異邦人の視点で描いている。独特の文学的浮遊感が素晴らしい。作者が表現する「かかとのない」小説は「つま先が地についているからこそ絶えず転びそうになっている文学」と印されていた。ドイツを拠点としている作者ならではの世界観。文学を自在に操る多和田ワールドの第一歩を味わえた。

  • Mishima さん

    言葉が解体されると限定された意味から解き放たれる。そうして読者は好きなように解釈すればいい。残酷だったり深刻だったりする描写から不意にのぞく、唐突な滑稽さに笑ってしまうと、行間から多和田葉子が囁く。「ほうらね、人っていうのは、どんな時にも笑えるものなのよ」目的が不明なことを懸命にしていたり、脈絡から逸脱した会話が現れたり、コミニュケーションがつながらなかったり、、、これね、本来鬱屈してくる状況なはずなのにね、遠くから見てると、諧謔性を刺激してくる。

  • tamako さん

    ノーマークだった作家だけど、夫から「カフカっぽいよ」と勧められて読んだ。電車の中で読みたい本だ。読み進めるほどに、どこかで見たような、これから向かう先の景色のような、どこにも無い景色のような、いいえ実在しないのは私、とグルグルねじれていく浮遊感が楽しい。

  • ぽち さん

    すごかった・・・休日を利用して一気に読んだのだけど、若干脳が沸騰している。「言語派」と言われる多和田葉子はドイツの地でドイツ語での著作で作家活動を始める、そのあと日本での日本語作品デビュー作となる「かかとを失くして」はじめ初期三編を収める本書。言語遊戯といえばシュルレアリスム、ウリポとなるが、多和田さんは言語で表記されるものが生み出す事象、エクリチュールの現れ方に意識的な作家だと感じる、難解、というのは翻って慣例的でないことの説明というか当て字のようなものだと思うのだけど、その意味では難解なんだろうか。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

多和田葉子

1960年東京都生まれ。早稲田大学文学部卒業、ハンブルク大学修士課程修了、チューリッヒ大学博士課程修了。日本語とドイツ語で作品を手がける。93年『犬婿入り』で芥川賞、2000年『ヒナギクのお茶の場合』で泉鏡花文学賞、03年『容疑者の夜行列車』で伊藤整文学賞、谷崎潤一郎賞、05年ゲーテ・メダル、11年

プロフィール詳細へ

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品