明暗 岩波文庫 改版

夏目漱石

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784003101148
ISBN 10 : 4003101146
フォーマット
出版社
発行年月
1990年04月
日本
追加情報
:
15cm,607p

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読書メーターレビュー

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  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    誰もが持っているエゴイズム。それは世知辛い世の中を生きやすくすることもあれば、軋轢を生むこともある。そこに折り合いをつけるにはどうすればいいか?見栄坊だが健気なお延さんが可哀想でな・・・。一方、自己中心的で自分の都合の悪い事は避け続ける津田が腹立ってしゃーない!今の時代じゃ、奥さんに穀潰しと追い出されるタイプの男やで!そして人々から軽蔑されていると身を持って理解しているがためにそう振舞うが、誰よりも率直で、同時にその最たる者である津田の傲慢さを指摘した小林は、シャイロックやスメルジャコフを連想させました。

  • NAO さん

    冒頭から痔の手術なんて、人が他人にはおおっぴらには見せることの出来ない部分をこれから抉り出していくという暗示としてもすごすぎる。金銭問題に絡む、津田の妹に対するかたくなさや、吉川夫人と津田の妙になれあったような付き合い、そして、吉川夫人の津田夫妻への干渉。自分と他人とのつながりのいびつさと、そこに入り込んでくる自意識には、常に自分が中心にあって何事も自分の思い通りにならないと気が済まないというおごりがあるようだ。漱石はどういう結末を考えていたのだろう。この先を読めないことが何とも残念。

  • ころこ さん

    作中で言及があるようにドストエフスキーに影響を受けているのは間違いないでしょう。同じ未完の『カラマーゾフの兄弟』が殺人事件の犯人を捜す探偵小説の様に、本作も探偵小説の様です。だが殺人犯を捜すわけではありません。中心が津田なのは言うまでもありませんが、確認したいのは、主人公は妻お延ではないかということです。津田が入院している間、お延は岡本家と芝居の間に会話を交わし、吉川夫人とも交流をします。次いで津田の友人小林と話した後、いよいよ義妹お秀との会話の場面へと移ります。微に入り細に入り気持ちの揺れが描かれており

  • mm さん

    水村美苗の続明暗を2年半ほど積んでいる。それを読むために再読してみた。初読の時は、えーこれからどうなる?なぜここで終わる?と悔しがったが、今回はなんとなく終わりも見えるような気がする。誰でもその境遇において、その方がより格好が良いとか、より道理に叶っているだとか、心理的余裕があるように見えるとか、他者への自分の見え方を気にするものである。せこいやつでも、ひねたやつでも、お嬢様でも、誰でもええかっこしいなのだ。その壁を誰かが破るのか?いや、風穴開けるだけなのか?さて、水村美苗さんはどう考えたかな?

  • テツ さん

    夏目漱石の最期の作品。そして彼の死により未完となった作品。たった数日間の出来事しか描かれていないのにそこに登場する人々の打算とエゴに突き動かされた他者とのやり取りが濃密すぎて息苦しくなるくらい。これを読んで息苦しく浅ましいと思うということは自分自身の他者とのつきあい方にもきっと同じような思いが多分に含まれているからなんだろうな。他者との繋がり。他者への干渉。表面上では他人のためのように言いつつも内心では自分の意思に沿うように他者を、世界を動かしたいと望む傲慢さ。タイトルの『明暗』の意味は深い。

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人物・団体紹介

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夏目漱石

1867年、現在の新宿区生まれ。1890年、東京帝国大学文科大学英文科に入学。1895年から96年まで、『坊っちゃん』の舞台である松山中学校で教鞭を執る。1900年9月、イギリス留学出発。1905年、『吾輩は猫である』を俳句雑誌「ホトトギス」に連載。1907年、朝日新聞社に入社。以降、朝日新聞紙上に

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