堀辰雄 福永武彦 中村真一郎 池澤夏樹=個人編集 日本文学全集

堀辰雄

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309728872
ISBN 10 : 4309728871
フォーマット
出版社
発行年月
2015年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
495p;20

内容詳細

「蜻蛉日記」を元に、美しくしなやかな文体で女性の繊細な心の内面を描いた堀辰雄「かげろうの日記」と「ほととぎす」。放火殺人犯の男と敬虔なカトリックの女性が交互に独白する福永武彦「深淵」、正気と狂気の境に立つ女性の意識の流れが綴られる「世界の終り」、古い運河の町で起こった悲劇的な出来事を描く「廃市」。江戸時代の元政上人の生涯と作品を辿りながら、若い国際女優とその父を巡る旅をすることになった「私」…。時代や性、国を超えて、精神の型を共にする人々を描いた中村真一郎「雲のゆき来」。フランス文学の富が日本文学の普遍へと結実する珠玉の作品群。

【著者紹介】
堀辰雄 : 1904〜1953。東京生まれ。一高時代に室生犀星、芥川龍之介の知遇を得、大きな影響を受ける。1926年、中野重治らと同人誌「驢馬」を創刊。29年、東京帝国大学国文科卒業。芥川龍之介の死の影響から、「聖家族」を30年に発表、その後も愛や生死をテーマにした作品を描く

福永武彦 : 1918〜1979。福岡県生まれ。一高在学中から詩、俳句、小説などの発表を始める。1941年、東京帝国大学仏文科卒業。肺結核などで療養所生活を余儀なくされるが、54年『草の花』により作家としての地位を確立。以降、学習院大学で教鞭をとりながら、61年『ゴーギャンの世界』で毎日出版文化賞、72年『死の島』で日本文学大賞を受賞

中村真一郎 : 1918〜1997。東京生まれ。東京帝国大学仏文科卒業。1942年、福永武彦・加藤周一らと新しい詩運動「マチネ・ポエティク」を結成し、47年『1946文学的考察』を刊行、ジャーナリズムの脚光を浴びる。『死の影の下に』戦後派作家として認められ、その時自身が名付けたシリーズ名「アプレ・ゲール」は流行語となった。以後、小説、評論、詩、戯曲、翻訳など幅広い分野で活躍する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • 市太郎 さん

    福永武彦を中心に読む。というか、この本を選んだのは、ほぼ彼が目的であった。堀辰雄は一応読んだが私の教養の無さゆえ、十分に堪能できたとはいいがたい。福永の「深淵」「世界の終り」「廃市」はどれも素晴らしく、とくに「深淵」は、暴力と聖性の恋物語で興奮する思いで読んだ。もともと犯罪小説は嫌いなジャンルではないので、そういった事も影響しているのだろうと思うけれど、この「深淵」は必読です。何でも池澤夏樹のお父さんだとか・・・。中村真一郎は途中で挫折。またいつか・・・。

  • KAZOO さん

    堀辰雄とその門下生の福永武彦、中村真一郎の作品が収められています。堀辰雄「かげろうの日記」「ほととぎす」、福永武彦「深淵」「世界の終わり」「廃市」、中村真一郎「雲のゆき来」が収められています。福永はすべて再読です。堀と中村は初読です。中村の作品は教養小説のようで私には非常に合いました。池澤さんが書いておられますが、堀だと「風たちぬ」、福永だと「草の花」を収めるのが常套的であるが、ここに収めているものから始めてさらにということで選んでいるようです。

  • ぐうぐう さん

    堀辰雄の門下としての福永武彦、中村真一郎。その関係性で選ばれた三人ではあるが、全集の編集方針として池澤夏樹の掲げる、いわゆるモダニズム文学を象徴する作家としても、この三人が選ばれた理由が存在する。つまり、日本の古典を土壌にしながらも、そこにヨーロッパからの影響を積極的に取り込んだ、そのような小説であるということだ。『蜻蛉日記』を元に繊細な心理描写をメインとした小説に昇華させた堀の「かげろうの日記」と「ほととぎす」。カトリックという西欧の思想を物語に滲ませる福永の「深淵」。(つづく)

  • みっちゃんondrums さん

    堀辰雄の2作品は、古典作品『蜻蛉日記』を元にした小説。男を待つだけの平安貴族の女はつらいね。福永武彦、三十年以上ぶりに読んでも、やっぱり好きだ。『深淵』に衝撃を受ける。信仰を持つ女が粗野な男にひと目で惹かれ、掠われる、荒々しい話。『世界の終り』は、次第に狂っていく妻の話。そして『廃市』、本心がわからずに行き違う男女。どれもエロスとタナトスというか・・・良い。中村真一郎『雲のゆき来』は、江戸期の詩人の評論めいた内容が全く頭に入って来ず、挫折、勇気をもって撤退(苦笑)。再挑戦?するかなぁ、しないなぁ。

  • starbro さん

    池澤夏樹=個人編集 日本文学全集全30巻完読チャレンジ第三弾です。堀辰雄以外は初読みです。堀辰雄および門下生のグルーピングです。本巻を読みこなすには漢文・漢詩の素養も必要で、かなりハードルが高い状態です。池澤夏樹の編集方針は純文学中〜上級者向けのようで、純文学初級者の私としては、「かげろうの日記」ではなく「風立ちぬ」の選択していただければ良かったなと思いました。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品