いつか王子駅で 新潮文庫

堀江敏幸

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101294711
ISBN 10 : 4101294712
フォーマット
出版社
発行年月
2006年09月
日本
追加情報
:
16cm,185p

内容詳細

背中に昇り龍を背負う印鑑職人の正吉さんと、偶然に知り合った時間給講師の私。大切な人に印鑑を届けるといったきり姿を消した正吉さんと、私が最後に言葉を交わした居酒屋には、土産のカステラの箱が置き忘れたままになっていた…。古書、童話、そして昭和の名馬たち。時のはざまに埋もれた愛すべき光景を回想しながら、路面電車の走る下町の生活を情感込めて描く長編小説。

【著者紹介】
堀江敏幸 : 1964(昭和39)年、岐阜県生れ。明治大学教授。’99(平成11)年『おぱらばん』で三島由紀夫賞を、2001年「熊の敷石」で芥川賞を、’03年「スタンス・ドット」で川端康成文学賞、’04年、同作を収録した『雪沼とその周辺』で谷崎潤一郎賞、木山捷平文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    堀江敏幸の長編デビュー作。一見、著者本人とおぼしき主人公の身辺雑記を描いただけのように見えるが、そう単純ではなく、ここにはさまざまな仕掛けが施されている。文中には、あまり馴染みのない島村利正の『残菊抄』をはじめ、安岡章太郎の「サアカスの馬」などが随所に引用され、これらもこの小説世界の形成に関与している。また、それと明示されない若山牧水や在原業平なども、さりげなく紛れ込ませてあるし、往年の名馬の回想シーンも小説の基軸となっていたりもする。そして、ここ都電荒川線界隈を舞台に登場する人たちはことごとく魅力的だ。

  • アキ さん

    「Someday my prince will come」ビル・エヴァンスを聞きながら読み終えた。咲ちゃんの200mコーナーから立ち上がっての直線コースでの走る競走馬のフォルムのような姿が目に浮かぶ。背中に龍の刺青がある正吉さんとのかおりでのカウンター越しの会話や、消えた正吉さんに因んで待つことから、昔の小説の中の言葉の断片が挿入されていて著者の趣味が伺える。ジャズの古い名曲のような、儚い時代の郷愁をさそうような言葉たち。路面電車が今はもうない地元の街が頭に浮んだ。

  • ちゅんさん さん

    今年一冊目の読了本。読んでてどこか懐かしく静かでしみじみいいなぁと感じる本。雰囲気がすごく好き。ほとんど何も起こらない話なんだけど読んでて心地よい。“普段どおりにしていることがいつのまにか向上につながるような心のありよう”など時々はっとするような良い言葉にも出会える。これが読書の喜び

  • aika さん

    今日、という一日が愛おしく思える作品でした。王子駅周辺に住む私が、日々の生活の中で紡ぐ人との出逢いの中で、たまにはちょっとした冒険に出てみたりするけれど、慎ましく暮らす、そんなお話です。こんな風に、日常の細やかなことに愉しみを感じながら、喧騒を悠々と越えて生きていきたいなあと思いました。物語自体は平坦に思えますが、馬や文学の話も盛り込んであって、日常の些細な風景を、こんなに優しい日本語で表現できるってすごいなあ、堀江さんの文章に直に触れられる日本人でよかったなあ、と思います。

  • KAZOO さん

    長編小説なのですが、随筆のような感じもする作品で下町情緒などをうまくえがいています。ちょっとした些細なことを書いておられて、昭和の懐かしい滝田ゆうさんの世界のような感じもしました。

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人物・団体紹介

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堀江敏幸

1964.1.3〜。作家。岐阜県生まれ。1999年『おぱらばん』で三島由紀夫賞、2001年「熊の敷石」で芥川龍之介賞、2003年「スタンス・ドット」で川端康成文学賞、2004年同作収録の『雪沼とその周辺』で谷崎潤一郎賞、木山捷平文学賞、2006年『河岸忘日抄』、2010年『正弦曲線』で読売文学賞、2

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