風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 岩波文庫

坂口安吾

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784003118238
ISBN 10 : 4003118235
フォーマット
出版社
発行年月
2008年11月
日本
追加情報
:
15cm,420p

内容詳細

安吾、安吾、安吾―安吾とはいったい誰か。坂口炳五はいかにして安吾になったのか。“求道者・安吾”、“落伍者・安吾”、そして何よりも“作家・安吾”。冷徹に現実を見つめる“鬼の目”、そして“いたわりの視線”。安吾にとって、自伝的作品を書くことは、自分の思想や生き方と自分の過去との全面的対決であった。

(「BOOK」データベースより)

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坂口安吾の青春時代を窺わせる自伝的小説。...

投稿日:2013/08/01 (木)

坂口安吾の青春時代を窺わせる自伝的小説。 過去に「風と光と二十の私と」を読んで、安吾の抱える悲しみや憤りに繊細を感じたが、本書に収録されている作品も同様な傾向にある。 個人的には「風と光と二十の私と」、「私は海を抱きしめていたい」、「オモチャ箱」が良いと思った。

メロンパン さん | 神奈川県 | 不明

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読書メーターレビュー

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  • 優希 さん

    坂口安吾とは一体何者であるかを考えずにはいられませんでした。文壇の求道者・落伍者としてアウトローに歪んだあり方を見つめて書かれた自伝的作品。それは思想や生き方、過去と対峙することであったに違いありません。安吾は「佐賀口安吾」として造られた作品としての作家だったのかと思わされました。

  • 厩戸皇子そっくりおじさん・寺 さん

    坂口安吾の自伝的短篇小説(私小説)を、伝記的に時系列に並べた短編集。先日読んだ柄谷行人『坂口安吾論』では、新しい全集は執筆順に列べるように頼んだと書いてあったが、こういう時系列やテーマ別というのもそれはそれであって欲しい。解説・年譜共に七北数人によるものなので、この編集も七北氏の優れた仕事かと思う。まず面白い(もちろん安吾の手柄でもある)。これを読んでから三千代夫人の『クラクラ日記』を読めばちょうど良いとも思う。既読のものは飛ばそうと思いきや、全部きれいに読んでしまった。切ない話も多いのに心が踊った。

  • かさお さん

    不連続殺人事件でのあの乱痴気騒ぎを書いた人と同一人物とは思えない、美しく研ぎ澄まされたナイーブな文章から始まる。幼年期から40代くらいまでの自伝的小説18編。学校をサボり一日中浜辺で寝転がり、肉欲や酒に溺れる戦時中の困窮、やぶれかぶれデカダンス…なんだか安吾をずっと空の上から見守る姉の気分で、「しょうがないわねぇ、文学青年ってやつは」とバーのマダム気分で煙管を蒸かしていると(脳内イメージ)ナヌっ?後書きによると「実在の人が登場するが実話ではない、しかし描かれてる事に偽りはない」う〜ん煙に巻かれた感じです。

  • しゃけ さん

    自他共に対して誠実な観察眼と描写。 「あの海の暗いうねりにまかれたい」との記述があるけれど、人の幸福への執心を呑んでしまう冷たく優しい安吾さんの言葉が、その海のうねりのように思われました。 関係があるのかないのか、電車や車に揺られても乗り物を降りればその揺らぎはそこで終わってしまうのに、海に入った日は布団に潜った後も潮の満ち引きの感覚が抜けなくてずっと海にいるみたいだった小さい頃の記憶を思い出しました。‬

  • MM さん

    本書の構成が最高。安吾が二十歳〜三十歳あたりを一年ずつふりかえってゆく短編や幼少期の思い出をつづったものなど、作家としてのキャリアが安定してから過去を整理したものから、それらの経験がみごとに詩的にまとめられた「私は海を抱きしめていたい」へと流れ、正気じゃいられない。安吾に共感する点が多すぎてどうしていいやら。

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人物・団体紹介

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坂口安吾

1906年(明治39年)、新潟生まれ。東洋大学印度哲学倫理学科卒業。46年に発表した「堕落論」が反響を呼び、続く「白痴」によって太宰治、織田作之助らとともに新文学の旗手として文壇に特異な地位を築く。55年、脳出血により48歳で急逝(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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