眠る盃 講談社文庫

向田邦子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062932950
ISBN 10 : 4062932954
フォーマット
出版社
発行年月
2016年01月
日本
追加情報
:
320p;15

内容詳細

「荒城の月」の「めぐる盃かげさして」の一節を「眠る盃」と覚えてしまった少女時代の回想の表題作をはじめ、なにげない日常から鮮やかな人生を切りとる珠玉の随筆集。知的ユーモアと鋭い感性を内に包んだ温かで魅力的な人柄が偲ばれる必読の書。文字が大きく読みやすく、カバーも絵の色を再現した新装版。

目次 : 1(潰れた鶴/ 金襴緞子 ほか)/ 2(同行二人/ 劇写 篠山紀信 ほか)/ 男性鑑賞法(宮崎定夫/ 岩田修 ほか)/ 3(中野のライオン/ 新宿のライオン ほか)

【著者紹介】
向田邦子 : 1929年東京生まれ。脚本家、エッセイスト、作家。実践女子専門学校(現・実践女子大学)国語科卒業。映画雑誌の編集者を経て放送作家になり、テレビ・ラジオで活躍。乳癌の発病をきっかけにエッセイを書き始め、’80年に初めての短編小説「花の名前」「かわうそ」「犬小屋」で第83回直木賞を受賞。しかし、翌年8月、台湾旅行中に航空機事故で急逝(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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 向田さんのエッセー集を初めて読んだのは...

投稿日:2021/04/17 (土)

 向田さんのエッセー集を初めて読んだのは実は昨年のことなのだが、一ページ目から溢れんばかりの文才を感じた。特に昔話の記憶の正確さと映像が見えてくるような描写にはただ、驚くばかりだし、「ご不浄」など至る所に「昭和な言葉」が出てくるあたりは逆に「クール」だ。旅話もゾクゾクするほどに面白い。  本書を読むとテレサテンにしてもグレスケリーにしてもそうだが、本当に「美人薄命」という言葉の意味が恨めしい。  これはファンの間では言わない約束なのかもしれないが、もし向田さんが現在、生きていたら橋田寿加子のオバハンはあんなにいばっていられなかったはずだ。

boggie999 さん | 神奈川県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • アキ さん

    かの有名な「水羊羹」。「まず水羊羹の命は切口と角であります」文章のキレもいい。センスがいい。女っぷりがいい。思いっきり笑わせたり、ほろっとさせたり、人情を感じたり、江戸っ子のきっぷを感じる。そして「字のない葉書」最近絵本が出版されたが、角田光代がこの文章を子ども向けに書いてる時、涙が止まらなかったそうだ。それから「一冊の本」。納戸の小窓から夏目漱石全集にひと筋の光が差し込むのが目の前に見えるような小編。そして最後に「眠る盃」。彼女も頑固で感激屋の父親が産んだひとつの作品なのである。味のあるエッセイ集。

  • ちえ さん

    絵本「字のない葉書」を読んだ後に読友さんに教えてもらった二冊のエッセー集のうち1冊。人や物事、自分自身へも向く鋭い観察眼、からりとしながら冷たさを感じない文章。作者の上質な人柄を感じ、早世されたことがひどく残念な気持ちと共に、ドラマの脚本やこの本のような文章を残してくれたこと、とても感謝です。

  • ちゅんさん さん

    『字のないはがき』が素晴らしい。『新宿のライオン』も面白い。記憶違いってよくあることだけどライオンって飼えたんですね、驚き。それにしてもこの向田邦子という人はエッセイを書くのが抜群に上手いですね。これ以上のエッセイの書き手います?

  • ユメ さん

    やはり向田さんは名手だ、と感じ入る。向田さんは、記憶の底に眠っているまだ現像されていない写真のような摑みどころのないものにピントを当て、見事にエッセイにしてしまう。妹が疎開先から送ってきた字のない葉書、中野のライオンといった思い出のひとコマが、私たちの前に鮮やかに映し出される。「思い出にも鮮度がある」という一文があるが、向田さんには思い出をよみがえらせる手品が使えたのではないかと思ってしまう。少なくとも、彼女が書き残したものは永遠だ。私のような昭和を知らない世代にも読み継がれてゆく。

  • mntmt さん

    もう40年くらい前に書かれたエッセイ。確かに、色褪せていない。時代を超えて、読み継がれて行くだろうなぁ。

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人物・団体紹介

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向田邦子

1929(昭和4)年、東京生まれ。実践女子専門学校国語科卒業。映画雑誌編集記者を経て放送作家になりラジオ・テレビで活躍。80年に初めての短篇小説「花の名前」「かわうそ」「犬小屋」で第83回直木賞を受賞し作家活動に入ったが、81年8月航空機事故で急逝

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