旅の時間 講談社文芸文庫

吉田健一(英文学)

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784061984622
ISBN 10 : 4061984624
フォーマット
出版社
発行年月
2006年12月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
16cm,298p

内容詳細

酒を愛で、食通として知られた著者は、気侭な旅を好み、名作『金沢』によって、月明かりの世界に、古都の漆のように艶やかな魅力を妖しく浮かび上がらせ、『時間』によって、独自な人生哲学を語った。自在な空想と想像力を駆使し、パリ、ロンドン、大阪、神戸、京都など親しく馴染んだ土地を舞台に、「生の意義」を思索した連作短篇集『旅の時間』によって、日本近代文学は確かな、ゆとりある大人の小説を得た。

目次 : 飛行機の中/ 昔のパリ/ 大阪の夜/ 英国の田舎/ 東北本線/ ニュー・ヨークの町/ ロンドン/ 神戸/ 京都/ 航海

【著者紹介】
吉田健一 : 1912・3・27〜1977・8・3。批評家・作家。東京都生まれ。ケンブリッジ大学中退。外交官の父吉田茂(後の首相)の任地に従って中国、フランス、イギリスで育つ。1931年、大学を退学して帰国。ポーやヴァレリーの翻訳から文学活動を開始し、39年、中村光夫らと同人誌「批評」を創刊。戦後は翻訳、評論、随筆と一挙に幅広い活動を始め、言葉による表現の重要性を唱えた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • うた さん

    飛行機で飲み、英国の田舎で飲み、電車で飲み、ロンドン、ニューヨーク、大阪、京都で飲み、航海中でも飲む。吉田健一らしい小説である。相変わらずの切れ目のない独特な文体であるが、意識の流れというよりかは吉田さんの視線の流れといったほうがしっくりくる。目に映る事物の移り変わりを、野暮ったくならないよう自然に必要なだけ写しとっていくためにはこれしかないという気さえする。ほろ酔い加減の文体のためか、読む側にも相応の余裕がないとついていくことすら難しいが、うまく乗れれば心地よいものだ。

  • kaze さん

    ★★★吉田健一の文章は音楽的だ。淀みなく流れる美しさの要因の一つは読点がほとんど使われていないことだろう。これは小説の体裁をとってはいるが、内容的にはほとんどエッセイに近い。筆者が酒を飲みながら妄想した幻想的な物語のような。でも、それが美しく心地良いのは幅広い知性と教養に裏打ちされている紳士の物語だからなのだろう。場所や時間、風景の継承や文化などについて様々に思いを巡らせる掌編の主人公たちの語りをこちらも酔い心地でいつまでも聞いていたい。近代文学には名作がたくさんあるなぁとの思いを新たにした。

  • hirayama46 さん

    はじめての吉田健一。国内外の旅を描いた短編集で、キャラクターも共通していないので連作としてのしばりは薄く、それぞれの土地の雰囲気や文化のありようを描いたものになっています。少なめの読点で息の長い文章と同じように、物語としても急速なものではない、ゆったりとした時間の流れ方でした。

  • シナモン さん

    2017年の最後に読んだ本となったのは旅の中での対話により時間と空間について描いた本短編集。お気に入りは「飛行機の中」「大阪の夜」「ニュー・ヨークの夜」です。酒を飲みながら一対一で語り合わされる時間の流れ方やその場所についての話。あいかわらずの長い一文ながら、口に出して読めばスルスルと流麗にながれる独特の文章は味わい深い。

  • バーニング さん

    さすが吉田健一といった感じ。それぞれの場所での出会いや日常を流れるようにゆったりと刻んでゆく文章の心地好さ。旅のしづらい時代には今にような時代には向いている一冊。

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