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吉松隆:作品集5 交響曲第4番、トロンボーン協奏曲他 バウスフィールド(trb)/藤岡幸夫/BBCフィルハーモニック

吉松 隆(1953-)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
CHAN9960
組み枚数
:
1
レーベル
:
フォーマット
:
CD

商品説明

吉松 隆:交響曲第4番(世界初録音)、トロンボーン協奏曲「オリオン・マシーン」、アトム・ハーツ・クラブ組曲第1番(弦楽合奏版 世界初録音)/イアン・バウスフィールド(tb)、BBCフィルハーモニック、藤岡幸夫(cond)
交響曲第4番 op.82(2000)(世界初録音)
トロンボーン協奏曲「オリオン・マシーン」 op.55
アトム・ハーツ・クラブ組曲第1番 op.70b(1997/2000)(弦楽合奏版 世界初録音)
イアン・バウスフィールド(トロンボーン)
藤岡幸夫(指揮)BBCフィルハーモニック
Chandosレーベルのコンポーザー・イン・レジデンスとして、精力的に作品を発表し続ける吉松隆の新作交響曲!疾風怒濤、荒れ狂うアレグロ&フォルテで聴くものを震撼させた第3番から約2年。
当初、第4番は「暗く重いアダージョ」で支配される交響曲として構想されていたという。それが全体で30分の、パストラル風の小交響曲に変化した理由は、作曲者吉松自身の弁によれば「ミレニアムの区切りに降臨した奇妙なミューズ(楽想の女神)の微笑みのせい」ということだ。たしかに明るい華やいだ作品だが、同時に「遅れてきたプログレッシヴ・ロックンローラー」吉松隆の素顔が見え隠れする。

銀河の戦士オリオンを描いたトロンボーン協奏曲「オリオン・マシーン」。ピアノ、ハープ、パーカッションがサブ・ソロイストとして加わるこの協奏曲、名作「サイバーバード」に匹敵する規模と内容を持つ。
今回の話題は、なんといってもウィーン・フィルハーモニックの首席奏者、イアン・バウスフィールドの参加。この人、イギリス人である。それも、つい昨年まで、ロンドン交響楽団の首席をつとめていた人!
純血主義だったウィーン・フィルも最近は外国人奏者が増えてきている。しかし、ウィーンならではの奏法の問題があるのだろう、外国人であっても採用されるのはやはりウィーンで学んだことのある人がほとんどだったようだ。別の国、しかもドイツ=オーストリア圏外の一流オーケストラの首席奏者がシフトするのは前代未聞で、世界中のプロ・トロンボーン奏者の間で時の人、話題の中心となった。
「オリオン・マシーン」の第4楽章(竅j後半のカデンツァは完全に奏者のアドリヴに任される。バウスフィールドの超絶無比のテクニックはここだけ聴いてもよくわかる。難物「ボレロ」の例のソロを鼻歌のように1オクターヴ上(!!!)で吹いてのける。聴き手は誰しものけぞること必至。
バウスフィールドは先日のラトル&ウィーン・フィルの日本ツアーにも同行していた。10月19日には、東京でソロ・リサイタルも開かれているだけに、このリリースはタイムリーなものになること間違いなし。

そしてアトム・ハーツ・クラブ組曲。この作品、もともとモルゴーア弦楽四重奏団のために書かれた。「70年代プログレッシヴ風に」という注文で書かれたというだけあって、吉松の真骨頂がここに表れていると感じる向きも多いことだろう。
吉松自身の弁によれば、この曲の正式名称は「ドクター・タルカスズ・アトム・ハーツ・クラブ組曲」――わかる人にはわかる?
「ビートルズの《サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band)》に、70年代プログレッシヴ・ロックの名作であるエマーソン・レイク&パーマーの《タルカス(Tarkus)》とピンクフロイドの《原子心母(Atom Heart Mother)》そしてイエスの《こわれもの(Fragile)》を加え、それをさらに手塚治虫の《鉄腕アトム(Mighty Atom)》の十万馬力でシェイクした」曲なのだそうだ。
なんで「鉄腕アトム」まで出てくるのだろうか?
実は吉松さん、アトム・ファン。
鉄腕アトムの誕生日――2003年4月7日に向けてカウント・ダウンに怠りないんだそうです。

総合評価

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藤岡幸夫さんによる吉松隆さんの作品集の第...

投稿日:2022/03/18 (金)

藤岡幸夫さんによる吉松隆さんの作品集の第5集。今回は、交響曲第4番、トロンボーン協奏曲「オリオン・マシーン」、アトム・ハーツ・クラブ組曲第1番(ストリングオケ版)の3曲。第4番は、第3番と第5番とに挟まれた形でいくと、丁度ベートーヴェンに対比するが如く、4楽章からなる端正な仕上がりである。 世界初録音だと言う。トロンボーン協奏曲は、イアン・バウスフィールドの超絶演奏に圧倒される。実験的な作品と言えるかも知れない。アトム・ハーツ・クラブ組曲は、ストリングオケがノリノリの演奏で、スウィング感もバッチリ。これも、ストリングオケ版は世界初録音らしい。藤岡幸夫さんの指揮も、BBCフィルの演奏も最後の出来。

Ichirokagawa さん | 香川県 | 不明

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オリオンマシーンについて。うーん、バウス...

投稿日:2004/12/04 (土)

オリオンマシーンについて。うーん、バウスフィールドのこの演奏はなんだか荒くたいと思う。トロンボーンってもっと曲に応じたカッコイイ表現、またデリケートな表現ができると思う。箱山さんの演奏は見事だよ。

IB さん | 関西 | 不明

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2004.3.13、日フィル/藤岡さん/ソリスト...

投稿日:2004/03/17 (水)

2004.3.13、日フィル/藤岡さん/ソリスト箱山さん(93年初演者)でオリオンマシーンを聴いてきました。 カデンツァでは、箱山さんが歩き回り、トロンボーンの先で藤岡さんを突っついて指揮者台から追い払うなど、客席から幾度となく笑い声が上がる楽しい演奏でした。一転して、終楽章は、第一交響曲終結部を思わせるような光と虹が激しく逆巻く怒濤のようなきらめきの渦、カデンツァでゆるんだ聴衆の雰囲気が、一気に緊張し、固唾を飲むように静まり返っていました。胸が震えました。吉松さん天才!改めて実感。

ハメーンリンナ さん | 横浜 | 不明

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人物・団体紹介

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吉松 隆(1953-)

1953年東京生まれ。慶應義塾大学工学部を中退後、一時松村禎三に師事したほかは、ロックやジャズのグループに参加しながら独学で作曲を学びます。1981年に「朱鷺によせる哀歌」でデビュー。いわゆる「現代音楽」の非音楽的な傾向に反発した「世紀末抒情主義」を主唱し、5つの交響曲、5つの協奏曲、オーケストラのための<鳥の四部作>を始めとする室内楽作品、<モノドラマ>などの舞台作品、邦楽曲など多くの作品を発表

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