美術展の不都合な真実 新潮新書

古賀太

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784106108617
ISBN 10 : 4106108615
フォーマット
出版社
発行年月
2020年05月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
古賀太 ,  
追加情報
:
210p;18

内容詳細

フェルメール、ゴッホ、モネ――。「『〇〇美術館展』にたいした作品は来ない」「混雑ぶりは世界トップレベル」……大宣伝のなか開幕する美術展ビジネスの裏事情を元企画者が徹底解説。本当に観るべき展示を見抜くための必読ガイド。

【著者紹介】
古賀太 : 1961(昭和36)年福岡県生まれ。九州大学文学部卒業。国際交流基金で日本美術の海外展開、朝日新聞社で展覧会企画に携わる。2009年より日本大学芸術学部教授。専門は映画史、映像/アート・ビジネス(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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入場の日時指定制でも、主催者側の経費回収...

投稿日:2021/07/30 (金)

入場の日時指定制でも、主催者側の経費回収のために詰め込まれ、ゆったり観られないとか、日本の国宝が海外に出ていくときでも借用料は払われず、逆に、輸送費等まで国際交流基金が負担しているなど、この本で初めて知りました。興味深かったです。

タラ さん | 東京都 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 鉄之助 さん

    これは本当に見たい美術展か? テレビ局の「手っ取り早い」もうけ事業の宣伝に、踊らされていないか? 良く考えて展覧会に行く参考に、もってこいの良書だった。私にも経験がある。係員が「立ち止まらないで見てください」と叫んでいる展覧会。大混雑の企画展の横で常設展はガラガラ、というのが日本ではよくある風景だ。等伯の『松林図屏風』(国宝)などこそ、東京国立博物館の常設展で並んでいる時を狙ってじっくり見たい、と強く思った。

  • 旅するランナー さん

    新聞社・テレビ局が海外に大金を払って○○美術館展を持ってきて、その宣伝力で遮二無二大量動員するような展覧会が本当の文化力と言えるのかと疑問を呈します。また、学芸員の雑芸員化、自治体からの天下り館長、画壇系と現代美術系の二重構造などを嘆きます。本当に足を運ぶべきは、東京国立近代美術館(竹橋)とのことです。そして、日本の美術館・博物館でも観光客が常設の目玉作品を見に行くような環境作りが必要だと主張する、ご都合主義ではない一冊です。でも、実際に美術展に行ってみないと、ハマるかどうかは分からないんですよね...

  • rico さん

    4時間待ち伝説の若冲は別格として、いつの頃からか、作品に近づくこともできないほど混雑する美術展が増えた。著者は自らが仕掛ける側にいた経験に基づき、マスコミや広告業界等によってイベント化した美術展のあり方に警鐘を鳴らす。裾野が広がるのは悪いことではないけど、そればかりでは確かに、本来のミュージアムの機能がやせ細るのは見えている。このコロナ禍で、海外から多くの作品を集めた大規模展は難しくなるだろうし、入場の日時指定制をとる所も増えた。じっくり作品と向き合える、そんな美術館が増えるきっかけになってほしい。

  • trazom さん

    関係者から「そこまでばらさなくても」と言われることを承知で書いたとの説明通り、美術展の裏側を垣間見れるユニークな一冊である。確かに、なぜ最近「○○美術館展」が多いのか、なぜテレビ局・新聞社が主催するか、企画展と常設展との関係、学芸員の役割、費用負担の国内外不均衡、収支のカラクリなど、普段から疑問に思うことについて、実務経験豊かな著者の説明には説得力がある。現在の歪な状況は、美術館側だけの問題ではなく、マスコミの煽動に惑わされてムードやブームで芸術作品を捕らえがちな私たちも共犯者であることを自覚させられる。

  • どんぐり さん

    新聞社やテレビ局が海外の有名美術館に億単位の金を渡して企画されている「○○美術館展」。海外の美術館は丸儲けし、日本の美術館の学芸員はやる気を失い、やせ細るばかりだという。マスコミ主導で客集めが優先され、美術館には来場者の長蛇の列ができあがる。有名作品が1、2点あるだけで、あとはなんということのない美術展まである。そういう美術館展が目につくのがここ最近の傾向だ。本書は日本の美術館がディズニーランド化しているのに警鐘を鳴らす。日本の美術展の裏事情と美術館へのいくつかの提言には、なるほどと思うところがある。

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人物・団体紹介

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古賀太

日本大学藝術学部映画学科教授。専門は映画史。1961年生まれ。国際交流基金勤務後、朝日新聞社の文化事業部企画委員や文化部記者を経て、2009年より現職。現在も続く「イタリア映画祭」を2001年に立ち上げ、同年に「イタリア映画大回顧」、2004年には「ヴィスコンティ映画祭」を企画。「イタリア連帯の星」

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