ふたつの枷

古処誠二

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087713572
ISBN 10 : 4087713571
フォーマット
発行年月
2010年07月
日本
追加情報
:
232

内容詳細

背後に病兵。眼前に異国の子どもたち。終戦前後、日本兵が陥った隘路とは…。一兵士が抱く感情・判断・意志を、冷静な眼差しと丹念な描写で浮き彫りにする、体験記でも戦記でもない、古処誠二の戦争小説最新作。

【著者紹介】
古処誠二 : 2010年、第3回「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • RIN さん

    終戦前後の南方戦線の兵士たちの短編4つ。この作家の第二次大戦を舞台にした「戦争小説」も今や「戦争文学」と言ってよいと思う。ドキュメンタリーに似ていると思う。淡々と兵士の戦時「日常」を描くことで、戦争の非日常性や残酷さ、虚しさを強烈に印象づけている。殊更に、命の大切さや平和の必要性、戦争忌避を言葉にしなくても、読み手に訴え考えさせる。作り手の意図や価値観というフィルターが掛かっている以上、今時、映像や文字の「ドキュメンタリー」が「真実」も「事実」も描き出さないことは周知のこと。50歳以下は読むべし、と思う。

  • たこやき さん

    終戦前夜を舞台に、というのは過去の著者の作品同様。今回は、現地の人々との関係を掘り下げたのが特徴だろうか。金銭的なもの、力による支配、独立という誘い。それぞれによって作られた関係。しかし、それは敗戦という状況を前にすると、新たな枷として日本兵を縛る。友好的、敵対的どちらに転んでも……。過去の作品ほど、過酷な状況に苦しむ姿はない。しかし、だからこその心理描写が、状況の苦しさを伝えてくるように感じた。

  • 浅木原 さん

    終戦前後の東南アジアを舞台にした四編の短編集。語り手は一兵卒、冷徹な視線と描写、現地人の価値観と日本兵の置かれた状況の対比などなど、古処戦争小説のエッセンスが詰まっている(訳:いつもの古処誠二)。短編2本と中編2本だけど、個人的には前半の短編の方が印象的。死にゆく仲間への無力を噛みしめながら現地人と敗戦を喜ぶしかない「ワンテムシンシン」、生きて虜囚の辱めを受けず≠チてのは言葉通りの単純なものではないということを描く「帰着」。後半の中編2本ともどもひたすら重苦しいけれども、それが古処戦争小説であるなあ。

  • Myrte さん

    重い話であった…戦争が終わった後、東南アジア各地に残された兵達はどうなったのかずっと知りたいと思っていましたが、複雑な心情の描写は今回も唸らされました。最初の話「ワンテムシンシン」言葉の意味がわかった時、なぜか涙が出そうに。

  • タムタム さん

    知識不足の為、軍事用語などがわからなくて調べもって読んだせいもあり、すんなりと入れなかった。ただ、一番過酷だといわれた東南アジアの陸軍兵たちの話は、悲しいばかりです。人との争いだけではなく、様々なものと闘わなくてはならなかった人達の、他国の間で振りまわされる現地の人達の、這いつくばりながら生きた人達の、その枷とはなんと重いのだろう。

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人物・団体紹介

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古処誠二

1970年福岡県生まれ。2000年、メフィスト賞でデビュー。10年、第3回「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」受賞。17年『いくさの底』で第71回毎日出版文化賞、翌年、第71回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもので

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