閉塞した状況の中、それでも、音楽を聴き続けるために。
ジャズじゃないジャズ、解体したヒップホップ、逸脱したエレクトロニック・ミュージック。音楽の最深部をさまざまな側面から提示してきた著者の、時代と社会の変容を鋭く捉えた、初の単著となる音楽論集!
様々な媒体で発表してきたテキスト、及びライナーノーツ等の、新旧幅広い原稿に加え、本書のための書き下ろし論考「word and sound」を所収!
さらに、当時のシーン概略とディスクガイドをプラスし、「1冊で90年代から現在までのヒップホップ、ジャズ、エレクトロニック・ミュージックをめぐる状況がわかる」入門書的役割も!
■CONTENTS■
PART 1
「word and sound」
資料インタビュー:
オウテカ/ヤン富田/山本精一/デイヴィッド・トゥープ/レイ・ハラカミ×原雅明対談
PART 2
1. beats&texture:「サウンド」の源泉 1996-2000)
DJクラッシュ After The Jazz Thing
ライナーノーツ/ファンキー・ポルチーニ『The Ultimately Empty Million Pounds』
ライナーノーツ/トータス『TNT』
ポストロックに受け継がれるフリージャズの記憶
ライナーノーツ/キップ・ハンラハン『Desire Develops An Edge』
マイルス・デイヴィス・イン・'70
ビル・ラズウェルという「スリルの現場」
オーネット・コールマン再考/129
ライナーノーツ/ローレン・マザケイン・コナーズ 『Hell's Kitchen Park』
ライナーノーツ/ジム・オルーク『Remove The Need』
ソフトウェアと電子音楽
ムーディーマン 「黒」のアイデンティティ
ライナーノーツ/ポール『3』
2. scenes:「サウンド」の現場 2000-2005
ハウス国家の愛と幻想──ラリー・ハードとテーリ・テムリッツ
ライナーノーツ/インドープサイキックス『Leiwand』
ライナーノーツ/オピエイト『Sometimes EP』
ライナーノーツ/スクエアプッシャー『Ultravisitor』
ストーリー・オブ・DJクラッシュ──サウンド・プロダクションの現場から
ターンテーブルが生み出す音楽の形
ライナーノーツ/ゼムセルヴス『The No Music.』
ライナーノーツ/デイデラス『Makes Friends』
七色の鉄仮面、MF・ドゥーム
ライナーノーツ/VA『Kingston Allstars Meet Downtown At King Tubby's 1972-1975』
ライナーノーツ/サン・ラー『Cosmos』
ライナーノーツ/デイヴィッド・アクセルロッド『David Axelrod』
ナップスター騒動が引き起こしたもの
3. recycling:「サウンド」の循環と再生 2005-20XX
ジェイ・ディー追悼──音楽を甦らせる『Donuts』の円環
ビートメイカーの雄弁な話法─LA〜NY〜UK ベース・カルチャー・コネクション
LAシーンに見る音楽のリサイクル
ライナーノーツ/カルロス・ニーニョ&リル・サイ『What's The Science? ELEVATION』
マッドリブ 破天荒な「アストロ・ブラック」
モス・デフという唯一の存在
ミニマルの拡張者 アーサー・ラッセル
ライナーノーツ/富樫雅彦&高木元輝『アイソレーション』
ライナーノーツ/ビター・フューネラル・ビアー・バンド・ウィズ・ドン・チェリー&K・シュリダール『Live in Frankfurt 82』
JAZZ NOT JAZZ
CD/レコードの終焉から何が始まるか?
「96/06」のコーネリアス
ライナーノーツ/ボーズ・オブ・カナダ『The Campfire Headphase』
ライナーノーツ/アパラット『Walls』
■PROFILE■
著者:原 雅明(はら・まさあき)
ライター、レーベル・マネージャー、時々DJ。ヒップホップ、ジャズ、エレクトロニック・ミュージック等のアンダーグラウンド音楽シーンの紹介にたずさわり、『サウンド&レコーディング・マガジン』『ミュージック・マガジン』『スタジオ・ボイス』等々、さまざまな雑誌に寄稿。90年代中盤から10年余りの間、インディペンデント・レーベル〈soup-disk〉を、2005年からは〈disques corde〉としてレーベル運営をするほか、海外アーティストの招聘、イヴェント企画も行なう。近年はアメリカ西海岸、LAの音楽シーンの紹介に力を注ぐ。現在は、LAのネットラジオ局DublabとCreative Commonsによるアートプロジェクト〈INTO INFINITY〉の日本でのプロデュースを担当。
ヒップホップ、ジャズ、エレクトロニック・ミュージック…音楽モデルの破綻と解体の向こうに広がる新しい音の感じ方/聴き方。書き下ろし論考「word and sound」所収。
目次 : 1 word and sound/ 2 サウンドの源泉、現場、循環(beats&texture―「サウンド」の源泉1996〜2000/ 2 scenes―「サウンド」の現場2000〜2005/ 3 recycling―「サウンド」の循環と再生2005〜20XX)
【著者紹介】
原雅明 : 文筆、イヴェント・プロデュース、リリース・プランニング、レーベル運営を通じて、長年音楽の現場に多角的に携わる。有限会社corde代表取締役(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
(「BOOK」データベースより)
音楽ジャーナリストとして執筆活動の傍ら、レーベルringsのプロデューサー、dublabの日本ブランチの運営も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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