子どもの頃、部屋に飾られていたゴッホとゴーギャンの絵に魅せられ研究者となった主人公の冴。働くパリの小さなオークション会社に、錆びだらけのリボルバーが持ち込まれます。あっという間に、遠い過去の物語に引き込まれ、ゴッホやゴーギャンの生きていた時代にタイムスリップしたようでした。タブロー(絵画)への熱情が伝わってきて、つらくも幸せだった二人の画家に魅了されます。冴の行動力も頼もしく、最後のページまで楽しく読めました！ラストが好きです。

フィンセント、テオのゴッホ兄弟と日本人の絆を描いた作品。明治時代長い鎖国から開国し右も左もわからずにヨーロッパに出て行った多くの日本人。ノンフィクションなのにまるで史実のように読み手を引き込む。さすがは原田マハさん。ゴッホを訪ねたくなる作品。

日本国内の小さな美術館の絵をテーマにした短編集。一つ一つの物語が心にしみる。近くの美術館もあるがまだ観たことがない。いつか観に行きたい。