都市空間のなかの文学 ちくま学芸文庫

前田愛(文庫)

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784480080141
ISBN 10 : 4480080147
フォーマット
出版社
発行年月
1992年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
前田愛 ,  
追加情報
:
15cm,645,18p

ユーザーレビュー

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読書メーターレビュー

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  • zirou1984 さん

    600ページを超える大著の為、駆け足気味に読了。江戸時代の作品から荷風や鴎外、一葉といった近代文学で描かれてきた風景を分析し、それを実際の都市空間と対比させながらどのように切りとられていたのかを分析し、そこに潜む主体と客体、文学理論の構造を浮かび上がらせる。これまでは思いもしなかったその分析方法も驚きなのだけど、何より斬新なのはその手法を70年代のエンタメ誌やタウン誌、ミニコミ誌に向けた「紙の上の都市」。ここでは言葉の力を再考しようとする試みが当時の時代性と見事に結び付いている。

  • しゅん さん

    文学において街はどのように描かれ、どのような作用を持つのか。また、街の変遷によって文学はどんな変化を被ったのか。小説における空間描写を考える上では必読の書だろう。二葉亭四迷『浮雲』を二階建ての部屋構造から読み解いた批評は、内面に固執していた当時の日本文学観からの解放を試みた白眉な一品だ。古典から近代、現代文学までの流れの中で「橋」「塔」「下宿」「団地」など、それぞれの時代に重要な建築構造が言葉の上に現れるのが興味深い。個人的には都市以上に家に目を付けて読む文学の豊かさを教えてもらった気がする。

  • なめこ さん

    胡散臭さにげんなりする箇所はありつつも某読書ガイドには「眉に唾をつけながら読むべし」って書いてあったっけな、とぼんやり思いだしながらなんとか読み終わった。とはいえ、小説に書かれた都市それ自体をテクストとして読み込むことによって小説の読みの場に広がりを持たせる運びは大変勉強になった。作者という実体概念の呪縛から文芸批評を解き放ちたいという思いが著者にはあったようだが、そういう著者自身いくらかまだ無邪気に作者の伝記的事実に無邪気に言及している箇所があったかとおもう。

  • きつね さん

    前田愛「獄舎のユートピア」。監獄のパノプティコン化をスラム街の市区改正と重ね、都市=近代文学が失った故郷=牢獄=スラムのユートピア幻視を復元してみせる、というプロット。やや錯綜する部分はあるがその寄り道がいちいち魅惑的。ピラネージや食人族達、無縁所のイメージがけばけばしくて良い。字を書かないといわれていた若者世代に"シラけ綴方読本"を狙って成功した『ビックリハウス』ほかを論じる前田愛。書く主体性のモードをメディアが先取りすれば、読者はどんどん投稿する。切捨て御免の2ちゃんねる文体が廃れない理由か。

  • rbyawa さん

    k023、この本を文学のテキスト論としてだけ読むのは寂しいことと解説で言われていたものの、いや、紹介されている文学が有名で比較的読みやすいものがメインであり、そもそも小説は時代の空気を感じるのは誰でもある程度は可能なので、論文みたいな難しい本に求めるのは分析しかないのでは…ないかな、と正直。都市が時代においてどのように描かれたかというより、作家たちがどんな距離感でもって都市と対峙していたのかみたいな本でもあるのかなぁ。ただ、個人的にはこの手のテーマに相応しいのは通俗小説とか新聞小説の類いだよなー、と思う。

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