散歩する侵略者 角川文庫

前川知大

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784041026304
ISBN 10 : 404102630X
フォーマット
出版社
発行年月
2017年07月
日本
追加情報
:
240p;15

内容詳細

海に近い町に住む、真治と鳴海の夫婦。真治は数日間の行方不明の後、まるで別の人格になって帰って来た。素直で穏やか、でもどこかちぐはぐで話が通じない。不仲だった夫の変化に戸惑う鳴海を置いて、真治は毎日散歩に出かける。町では一家惨殺事件が発生し、奇妙な現象が頻発。取材に訪れたジャーナリストの桜井は、“侵略者”の影を見る―。再演を重ねる人気舞台を、劇作家自ら小説に。黒沢清監督による映画化原作。

【著者紹介】
前川知大 : 1974年新潟県生まれ。劇作家、演出家。主宰する劇団、「イキウメ」を拠点に脚本と演出を手掛ける。日常に潜む異界を超常的な世界観で描く。読売演劇大賞ほか数々の演劇賞を受賞。自身の舞台を小説として発表した『太陽』は2016年に入江悠監督、『散歩する侵略者』は2017年に黒沢清監督により映画化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ケンイチミズバ さん

    ラスト近くの言葉、もう逃げない。ぼくはね。は含みがたくさんだ。君から離れないなのか、追いかけてきた警察官から犯罪とか検挙といった概念を奪うからこの場は大丈夫ということなのか。どちらにしてもほのぼのした感動がわいた。宇宙人が中に入ったことでこれまでの人格が失われ昔のみずみずしい二人に戻れた喜びと宇宙人が帰ってしまうとどうなるのか考えたくない、不安に揺れる気持ちの往き来に胸がチクチクした。それにしても惨殺事件の真相には笑ってしまった。タイトルからホラーかと思ったがとても面白かった!愛の概念が侵略を阻止か?

  • 南雲吾朗 さん

    宇宙人が地球を侵略しようとするにあたって、まず地球人の概念を調べていくと言うところが面白い。ある事象について言葉で説明を求めるが、うまく伝わらないために宇宙人は概念を奪う。国、人種関係なく、事象に対する共通した概念と言うモノを私たちは持っているのだと言う事を改めて自覚させられたし、また言語にすると言う事がどれほど困難であるかも自覚させられた。「言分けるごとに世界は整理され、少しずつ色あせていく。」侵略にあたり、世界を救うという大義よりも、まず身近な人の保護を優先する。人間ってそういう者なのだろうなぁ。

  • ざるこ さん

    死んだ金魚を食べたおばあちゃん。そして翌朝事件を起こして自殺、ここから町は奇妙な現象が頻発。タイトル通り「侵略者」はまさしく散歩する。町の人々に出会い会話する。侵略者たちの狙いは早々に明かされるけど、始めのうちは実感が湧かないというか。それが読み進めるほどに身に迫ってくる。自分の隣りの誰かに不意に感じる違和感が非現実的な者の仕業だとしたら?戦争が始まろうが関係ない。個人にとっての願いは大事な人との平穏な日常なのだから。身勝手にも思えるけど、きっとそんなものだろうと思う。その先を想像させられるラストも◎。

  • 西 さん

    イキウメ(劇団名です)の代表作の小説版。芝居を観に行かない人も、この小説だけでも読んでもらえないかなと思う。それくらい面白い作品。芝居に負けず劣らず、小説でも本当に面白い。面白さを伝える良い言葉が見つからないのが残念。無くしたのかな…

  • kinnov さん

    日常にSF的な設定を持ち込む事で、人の様々な有り様を舞台で描いてきた劇作家・前川知大の代表作のノベライズ。言葉を連ねイメージを伝える小説という表現手段らしい、主人公の心情の表現に素直に驚いた。映像や肉体では表現しづらい感覚を、説明や補足の言葉ではなく、会話と心情、情景描写で描ききった最後の展開は、熱く胸を撃つ。概念を盗む侵略者、それも自分の夫の身体に乗り移った侵略者に対して、主人公が語りかけた言葉の切実さは、言葉でしか表現できない「言葉にできない感情」だ。肉体で表現する舞台も観てみたかった。映画は残念‥

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