9・30世界を震撼させた日 インドネシア政変の真相と波紋 岩波現代全書

倉沢愛子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784000291286
ISBN 10 : 4000291289
フォーマット
出版社
発行年月
2014年03月
日本
追加情報
:
20

内容詳細

一九六五年一〇月一日未明に、ジャカルタで軍事政変が勃発、半年後の一枚のスカルノ大統領が発したとされる命令書により、権限はスハルトへと移った。中国では文化大革命が起き、東南アジアにアセアンが成立し西側反共主義陣営の結束を固め、日本は大規模な経済進出の足掛かりをつかんだ。政変を主謀したとされたインドネシア共産党は非合法化され、党員は逮捕され殺され政治犯にされた。国内全土に大虐殺の嵐が吹き荒れ、インドネシア経済を担っていた華僑への迫害がエスカレートしていく。膨大な一次史料と先行研究を踏まえ、いまだ謎に包まれた事件の真相を追究し、インタビューと現地取材を通して、事件の波紋の全体像を活写する。

目次 : 第1部 左傾化するスカルノ政権(新植民地主義との闘い/ 対立を内包したスカルノ体制/ 台頭するインドネシア共産党(PKI))/ 第2部 二つのクーデター―九・三〇事件と三・一一政変(九月三〇日の事件/ 「三・一一政変」―もう一つのクーデター)/ 第3部 社会暴力(大虐殺/ 大虐殺の背後に見えるもの/ スケープゴートにされた華僑・華人たち)/ 第4部 新たな秩序による再編(新秩序の確立と国際関係の再編/ マレーシア闘争の終了と西カリマンタン農村社会の再編―「デモンストラシ・ダヤク」/ 不穏分子の排除と政治的安定)

【著者紹介】
倉沢愛子 : 1946年生。東京大学大学院修了、コーネル大学大学院ならびに東京大学にて博士号(ともにインドネシア史)。名古屋大学教授を経て慶應義塾大学教授、その後名誉教授。インドネシア社会史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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  • BLACK無糖好き さん

    インドネシアで起きた1965年の政変に至る前後状況、政変を主謀したとされたインドネシア共産党関係者の大虐殺、国際社会の沈黙(表立って非難したのは中国だけ)、スカルノ体制からスハルノ体制への移行。一連の経緯を一次史料と先行研究を元に、関係者へのインタビューも交えて解説。一連の余波で迫害を受けた華僑・華人が直面した現実も取り上げている。◆1960年代の混沌とした時代の空気が濃密に漂っていた。冷戦、イデオロギー、民族紛争、陰謀、戦後の復興。歴史のうねりの中で封印された無数の屍、傷は癒やされるのか?

  • 犬養三千代 さん

    インドネシアで起きた1965年9月30日と翌年3月11日の政変を描いた研究書。 スカルノからスハルトへの交代劇。インドネシア共産党員の大量虐殺なと知らないこと満載でした。 アメリカCIAはアメリカの意に沿わないものは密やかにやっつけるという構図なのかなと思った。田中角栄を失脚させたことを思い出した。 それにしてもデビ夫人のインタビューもなかなかのものでした。

  • かじやん0514 さん

    アクト・オブ・キリングの予習として読んだ。いろいろ考える。

  • ひろゆき さん

    1965年に起きたインドネシアのクーデター事件を境にスカルノからスハルトへの権力移行と、民族解放の勢いに乗り当時300万の党員数を誇ったインドネシア共産党と華僑らへの大虐殺の全貌をまとめたもの。学者らしく丹念に集められた資料によって、納得させられる。敬服。パージされる共産党教師を悲しく見つめるしかない生徒、民族解放に参加したため政治犯にされる旧日本兵などなど。村人が同じ村人を殺戮する当時の雰囲気にも迫る。ちらつくアメリカ、日本。

  • ワッキー提督 さん

    インドネシアに留まらず、アジア冷戦に大きな影響を与えた9・30事件に関する研究。インドネシア社会の研究を専門とする著者によるって丁寧に資料が収集されており、また複数の先行研究が紹介がなされている。 国際情勢に大きな影響を与えたからこそ、見過ごされてきた大規模な殺戮とその社会への影響は慄然とせざるをえない。

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人物・団体紹介

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倉沢愛子

1946年生まれ。1979年東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学、2012年博士号取得。1988年コーネル大学Ph.D.取得。現在、慶應義塾大学名誉教授。専門はインドネシア現代史

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