ゆずこの形見

伊藤たかみ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309022796
ISBN 10 : 4309022790
フォーマット
出版社
発行年月
2014年04月
日本
追加情報
:
186p;20

内容詳細

妻が出張先のホテルで死んだ。実は男との浮気旅行だった。幼い息子と土産の冷凍カニを残された夫は、妻の本心を探るため、不倫相手に会いにいく。各紙で絶賛された、芥川賞作家の最高傑作!

太一と息子は、食べていくことでゆずこの死を受け入れていく。これは「文学」の言葉であるという稀有な感触をもった傑作だ——田中和生氏(毎日新聞)

【著者紹介】
伊藤たかみ : 1971年兵庫県生まれ。95年『助手席にて、グルグル・ダンスを踊って』で第32回文藝賞を受賞しデビュー。2000年、『ミカ!』で小学館児童出版文化賞、06年『ぎぶそん』で坪田譲治文学賞。『八月の路上に捨てる』で芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ミカママ さん

    【ゆずこ】いろんな意味で、今の私の心情にこれほど寄り添ってくれる作品もなかったろう。私はゆずこであり、太一でもある。ちまちました小皿のお料理を作りたくなった。【夢見】男女が別離に向かっていく作品はどうしても好きになれない。それがお互い納得して手順を踏むためのものであったとしても、読んでて心が痛くなる。彼らがまだ若いってことだけが救い、ですかね。はぁぁ。

  • おしゃべりメガネ さん

    いいなぁ〜、伊藤たかみさんの文章は。特に何がというワケではなく、この魅力を伝えるのには正直、本当に言葉を選ぶのに悩んでしまいます。特別に心理描写が秀でているワケでもなく、情景描写がココロうつワケでもなく、大きな感動やハラハラする展開が繰り広げられるワケでもないのですが、どういうワケか作者さんの描く‘至って普通のごくありふれた日常’にすっかり魅せられています。妻が出張先で亡くなり、しかもホテルで浮気相手と一緒だったということを知らされた夫と一人息子の再生がジワりと沁みてきます。読みやすさが一番の理由かも。

  • hit4papa さん

    不倫旅行の末急死してしまった妻。幼い子と残された主人公の夫は、妻のお土産の冷凍庫の蟹を間男に形見わけしようと画策します。死生観を織り交ぜつつも、語り口からかドロドロ感皆無です。ほのかにビターな余韻が残ります。収録された「夢見入門」は、性交痛を患う大学生とその彼女の物語。本好きの二人が同棲を解消する夜の、お互いの本を仕分けするシーンが良いですね。タイトルは、怪しげな本の名前で、「ゆずこの形見」でも登場し、主人公らに気づきを与えるという趣向です。学生の頃を思い出してほろっときちゃいました。傑作です。

  • taiko さん

    妻が死んだ。突然、知らない男性と一緒に行った旅行先で。冷蔵庫の中には、たくさんの作り置きのおかずと毛ガニが1杯残されている。…妻ゆずこの残したおかずを消費していくことで、妻とのことを自分なりに片付けていこうとする夫の気持ちが切ない。残されたカニの中に、不倫をしながらしっかり家計簿をつけるゆずこという不条理な女が、カニミソとして住みついている、と言うフレーズが著者っぽく、そのカニを間男に食べさせるという仕返しを成し遂げ、晴れて踏ん切りがついた太一が嫌いになれなかった。伊藤たかみさん、やっぱりすごく好きです。

  • じいじ さん

    悲しい題材なのに、何とも言えぬ心地よさで読み終えた。主人公は、亡きゆずことその夫、そして長男裕樹の三人。助演は妻が残した冷凍カニ(妻の形見)。ゆずこが旅先のホテルで急死。男と一緒だった。唐突過ぎる妻の死、その妻を恨み憎む心と、忘れられない妻への感謝と想い出の狭間で揺れ動く太一の心情を、丁寧に描きつづられた物語に心が打たれる。時折顔を出すピリッとサビの利いた皮肉の言葉が笑いを誘う。上等なスルメを噛みしめた時のように、ゆっくり味わうといい味が滲み出てくる素敵な小説です。形見の冷凍カニが好演技をみせてくれます。

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人物・団体紹介

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伊藤たかみ

1971年、兵庫県生まれ。小学校から高校卒業までを三重県名張市で過ごす。1995年、早稲田大学政治経済学部在学中に「助手席にて、グルグル・ダンスを踊って」で第三十二回文藝賞を受賞して作家デビュー。2000年、『ミカ!』で、小学館児童出版文化賞。2006年、『ぎぶそん』で坪田譲治文学賞。同年、「八月の

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