アベノミクス批判 四本の矢を折る

伊東光晴

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784000220828
ISBN 10 : 4000220829
フォーマット
出版社
発行年月
2014年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
156p;20

内容詳細

アベノミクスと称される一連の経済政策は果たして有効か。
近時の株価上昇、円安はアベノミクスの恩恵か。第一、第二、第三の矢を順次検討し、いずれも長期不況からの脱却にはつながらないことを明らかにする。さらに第四の矢ともいうべき、安倍政権の真の狙いである憲法改正など「戦後政治改変」の動きもあわせて批判する。


■ 編集者からのメッセージ
わが国を代表する経済学者として、多年にわたり広範な分野で活躍してきた伊東光晴氏。昨年、毎日新聞が行ったインタビュー記事の中で、「アベノミクスという幻想に踊らされる社会が、我慢ならないんだ」と語っておられます。本書では、アベノミクス三本の矢とされるもの(大胆な金融緩和、財政出動、成長戦略)を順次検討。そこに含まれる問題点を指摘します。安倍首相が本当にやりたいことは経済政策よりも、憲法改正など戦後政治の改変にあると考える伊東氏は、最終章では隠された四本目の矢ともいうべき政策についても批判を加えます。


■ 著者略歴
伊東光晴(いとう みつはる)
1927年生まれ。京都大学名誉教授。理論経済学、経済政策専攻。1951年東京商科大学(現一橋大学)卒業。主著に、『現実のなかの経済学』『経済学は現実にこたえうるか』『ケインズ』『現代に生きるケインズ』『伊東光晴経済学を問う』(全3巻)『岩波現代経済学事典』(編)ほか。


■ 目次
はしがき
第一章 日銀の「量的・質的緩和」は景気浮揚につながらない
第一の矢を折る
1 実証に欠ける理論
2 消費が増えるとは限らない
3 目的は財源調達


第二章 安倍・黒田氏は何もしていない(続・第一の矢を折る)
なぜ株価は上がり,円安になったのか
1 はじめに
2 株価の上昇
3 円安を解剖する
4 アベ・クロノミクスの評価
5 複合不況


第三章 「国土強靱化政策」にかわるもの
第二の矢を折る
1 「第二の矢」は予算上実現されることはない
2 東北の被災地で起こっていること――官庁の発想と庶民の要望の対立
3 南海トラフ巨大地震に対処する道は


第四章 人口減少下の経済
第三の矢は音だけの鏑矢
1 本論に入る前に
2 生産年齢人口減少社会での景気
3 今後にむけて


第五章 予算から考える
1 三本の矢は予算に具体化されているか
2 第一の矢の真のねらいは……
3 日本の財政の現実
4 忘れられているもの――不公平税制問題
5 今後はどうなっていくのか
6 高齢化が日本の財政を圧迫する


第六章 三つの経済政策を検討する
1 安倍首相のこだわる原子力発電
2 労働政策の逆転
3 いま,国際経済政策で重要なことは何か


第七章 安倍政権が狙うもの
隠された第四の矢を問題にする
1 安倍政権の政治軸
2 尖閣列島問題には冷静な心を
3 戦争責任
4 アメリカの右派外交のもたらしたもの
5 安倍政治を批判する


おわりに――21世紀の理想を翻そう




【著者紹介】
伊東光晴 : 1927年生まれ。京都大学名誉教授。理論経済学、経済政策専攻。1951年東京商科大学(現一橋大学)卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 壱萬弐仟縁 さん

    消費が増えるとは限らない(5頁〜)。物価高にして賃金増えずで貯蓄減る。日本株式市場の特異性は、売買しない派と、頻繁に売買する派に分かれる(16頁)。日銀の通貨供給量増から内外金利差を求めて金利の高い国に円流出する円キャリーは生じない(22頁)。為替介入は財務省財務官の権限(24頁)。エコノミストの中で藻谷浩介氏は日本市場縮小に切り込んだファクトファインディングの上に立論される手法を伊東名誉教授は高く評価される(34頁)。同感。津波被災者のとりあえず主義と官僚主義の対立はすれ違いばかり(第3章)。

  • メタボン さん

    ☆☆☆★ アベノミクスの風向きが逆風に変わりつつある今読むとなるほどと思わせる本だった。主張の背景には一貫して「戦後レジームからの脱却」に対しての懐疑的視点がある。膨張し続ける財政に対する警鐘も鳴らす。

  • 勝浩1958 さん

    為政者の言葉の軽さばかりが目立ちます。国民のためよりも政権維持のための愚作が、仲良しグループ内での人事が、戦前への志向が不快感を催します。経済とは経世済民であることを忘れてしまったかのようです。本当に国民のことを思いやっているのでしょうか。私たちはもっともっと政治に関心を持ち、学ばなければならないのでしょう。

  • カープ坊や さん

    平和主義者の私には、自らを「右翼の軍国主義者である」とほざく 安倍晋三がやる事なすこと腹立たしい。  特に軍拡路線と 大企業だけ儲かればいいという政策は 何とかならないであろうか(泣)

  • coolflat さん

    第一の矢、金融緩和は株価の上昇にも為替の変化にも何の関係もないと著者は喝破する。一つは株価が大きく上昇したのは外国ファンドの買いのため。もう一つは株価上昇は解散以前から始まっており、政権交代とは関係ない動きから始まっていたことだ。また第二の矢、財政出動=国土強靭化政策は具体的に予算化されていないことも暴いており、第三の矢、成長政策は、人口減少下の日本では有効性がないことも明かしている。更にアベノミクスには巧妙に隠された第四の矢があり、それが安倍政権の政策の本命だと言う。本命とは日本の政治体制改変のことだ。

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