セラフィム 2億6661万3336の翼

今敏

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784835456980
ISBN 10 : 483545698X
フォーマット
出版社
発売日
2019年10月17日
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
押井守 ,  
追加情報
:
244p;21

内容詳細

未完の大作『セラフィム 2億6661万3336の翼』。
連載終了から24年、押井守が初めて今 敏を語った本音のインタビューを収録した “増補復刻版” として刊行決定!

2010年、世界的なアニメーション監督となった今 敏が、46歳の若さで亡くなりました。
本作品『セラフィム 2億6661万3336の翼』は、彼がまだ30代になったばかりの1994年から翌1995年にかけて、老舗アニメ情報誌「アニメージュ」(徳間書店)で連載され、その後、未完のまま封印がされていた作品です。
その後、雑誌連載終了から15年を経て、没年である2010年末に追悼企画として出版されました。

物語は近未来21世紀初頭。
地球上のあちこちで、肩甲骨が翼状に変容し、幻覚におかされる天使病という死に至る病が蔓延してきた。その感染によって世界中の各国では旧来の秩序は崩壊。宗教、経済、軍事など、さまざまな問題もはらみ、人の心の不安がむき出しとなった世界--- すべてが異端の地となった世界を、その「発端」をさぐるため、謎の少女セラと二人の男・バスタザル、メルキオル、そしてバセットハウンドのガスパルは、旅を続けていた。目指すは新疆ウイグル自治区南部にある中国最大の砂漠、タクラマカン砂漠---。

天使、鳥、バセットハウンド--- など。
作中で使われているモチーフを見れば一目瞭然ですが、押井守の原作として、宮崎駿氏による『風の谷のナウシカ』の長期連載が終了した「アニメージュ」誌で、その枠を継ぐ漫画作品として企画されたものです。

しかし、連載が1年を越えるころを境に、押井と今の対立が表面化します。
著者表記の「原作」が「原案」へと変化し、物語は完結を迎えないまま、全16回の連載が過ぎた1995年11月号で、唐突に終了します。
ほぼ同時期に、押井守は世界的評価を経た監督作『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』を発表。アニメーション監督に転身した今敏は1997年に、こちらも海外に大きな影響を与えた初監督作品『PERFECT BLUE』の公開に至ります。

本作品執筆を契機に残念ながら決別をすることとなってしまう二人の世界的クリエーター。
互いに長年口をつぐんでいたものの、このたびの《増補復刻版》では、その一方である押井守のインタビューを新規取材・収録するスペシャル版としてお届けします。

(C)押井守・今 敏

【著者紹介】
押井守 : 1951年、東京都生まれ。10代のころから映画とSFを愛し、高校時代はSF作家・光瀬龍に師事していたが、学生運動に没頭していくなかで決別。2年間の留年と卒業後の幾度かの転職を経て、1977年タツノコプロダクションに入社。アニメーションの演出家としての道に踏み入る。そして『うる星やつら』の演出で人気を博した後は、同作劇場版第2弾『うる星やつら2ビューティフル・ドリーマー』でカルト的人気を得、以降、実写映画も含め多くの作品を監督した。ゲームの監督から、多くの小説の執筆や漫画原作も手掛けるなど、幅広い活動を続けており、また2019年には米アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーに新会員として招待された

今敏 : 1963年、北海道生まれ。武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科卒業。漫画家として単行本『海帰線』(1990)『ワールドアパートメントホラー』(1991、いずれも講談社刊)を出版。漫画からアニメーション業界に活動の中心を移し、1998年長編映画『パーフェクトブルー』で監督デビュー。監督以外の仕事として、ウェブサイトのために書かれたテキストを集めた単行本『KON’S TONE「千年女優」への道』(2002、晶文社刊/2013、復刊ドットコム刊)出版、NHK番組「デジスタ」のキュレーターや専門学校「アートカレッジ神戸」で講師を担当。2008年4月からは武蔵野美術大学・映像学科の客員教授に就任。2010年8月24日膵臓癌のために急逝。享年46歳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • Vakira さん

    26年前アニメージュという雑誌に宮崎駿の漫画「風の谷のナウシカ」の終了によって次に掲載された漫画がこれ。押井守原作、今敏作画。今敏さんは漫画家でもありアニメ監督でもある。物語は現在の様に病魔が猛威を奮う大感染の世界。背中に鳥の羽の骨格の様な突起物が盛上りやがて死に至る病、天使病。病魔によるデストピア舞台は中国。もはや日本は登場すらしない。今敏さんの絵は大友克洋のアシスタントをしていただけあって大友克洋さんの世界観を彷彿。この作品制作中に押井守さんと今敏さんは決裂。原作は原案となってしまう。そして未完に

  • くさてる さん

    読み応えある重量感ある絵と、小出しにされる情報から少しずつ組み立てられていく世界観、なにより「天使病」というイメージの美しさ、深みある人物像、と面白く読み続けただけに、ラストで「いや未完なんかーい!」と声が出た。もちろん未完でも魅力的な作品であることは間違いないのですが、こういう話だからこそ、最後まで描かれるべきなんだと思いますよ……。

  • Fumitaka さん

    謎の病によって分断された世界と内戦状態に陥ったかつてのユーラシア超大国、って今作り直したらすごいことになっただろうなあ。天使の表象は押井守監督版『攻殻機動隊』でも用いられており、未完ではあるが全体としての大まかな作り込みはされていたのではないか。立ち並ぶ廃墟が美しく、あと人民解放軍の戦車とか軍服とか格好良い。押井守監督の今敏先生評が最後に収録されている。「合わなかった」としつつも長所は基本的にお認めになっており、俺もまあ「合わねえな」と察した相手とは結局合わないって覚えがある。よくあることなんでしょうね。

  • kadocks さん

    押井守、今敏のあのセラフィムが単行本、それも復刊ドットコムから再刊されていたとは全く知らなかった。Unlimitedありがとう。ナウシカ後のアニメージュで連載していた当時読んでいたが、せっかくこれから、と言うところで中断。経緯が押井守のインタビューで明かされているが、まあ今となっては2人がこじれて 完結しなかったから良かったのかな。完全に押井守の世界でまさかアニメ化はしないだろうけど、天使病を中心にあらゆるモチーフを詰め込んで傑作になる予感はあるけど未完になる予感もある。アレから果てしなく時が経ったなぁ。

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人物・団体紹介

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今敏

1963年10月12日、北海道生まれ。武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科在学中の1984年に『虜―とりこ―』で第10回ちばてつや賞最優秀新人賞を受賞。翌年、第11回ちばてつや賞の佳作となった『カーヴ』により「ヤングマガジン」誌上でデビュー。本書収録の短編を発表したのち、大学卒業後の1990年

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