帝国議会 西洋の衝撃から誕生までの格闘 中公新書

久保田哲

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784121024923
ISBN 10 : 4121024923
フォーマット
出版社
発行年月
2018年06月
日本
追加情報
:
272p;18

内容詳細

1890年11月、貴族院と衆議院からなる帝国議会が誕生した。ペリー来航後に生まれた「公議」「公論」を求める政治の到達点である。体制安定を第一とした伊藤博文ら政府と、早期開設を求める板垣退助ら自由民権運動の角逐の中、西洋で200年かけて定着した議会は、明治維新から約20年でどのようにして創られたか。本書は、志士らの構想、試行錯誤の軌跡を追い、憲法制定と並ぶ近代日本の一大事業の全貌を明らかにする。

目次 : 序章 発見―西洋の議会と維新の理念/ 第1章 始動―民選議院の要求、元老院の開設/ 第2章 抗争―自由民権運動、明治一四年の政変/ 第3章 西洋―英仏とは異なる議会の模索/ 第4章 設計―欽定憲法下の議会とは/ 第5章 完成―帝国議会の開会/ 終章 軌跡―日本にとっての議会とは

【著者紹介】
久保田哲 : 1982年東京都生まれ。2005年慶応義塾大学法学部政治学科卒業。10年慶応義塾大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程単位取得退学。同年より武蔵野学院大学専任講師。14年より武蔵野学院大学准教授。博士(法学)。専攻は近現代日本政治史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • skunk_c さん

    若手政治史学者による、日本帝国議会開設までの歴史をかなり丹念にまとめた書。「公議政体」から起こす幕末期の記述にはやや疑問点もあるが、維新以後の流れは要を得てしかも密な部分もあり、特に明治14年政変以降の憲法制定過程や自由民権運動の展開はよくまとまっている。帝国憲法については、ともすると現代的感覚からその君主制の強さが批判的に書かれることが多い(高校教科書にもその傾向あり)が、様々な政治的軋轢の中で、時代の趨勢を見極めながらのものであり、やはり当時としては画期的と肯定的に評価する姿勢には大いに賛同できる。

  • 軍縮地球市民shinshin さん

    若手政治学者による帝国議会開設史。幕末の「公議」論から筆を起こしているのも良い。日本における議会の源流は熊本藩士・横井小楠、土州脱藩の坂本龍馬あたりから始まる。特に小楠の業績は特筆されるだろう。中高の日本史の授業では、自由民権派中心の史観で、それに押し上げられる形で渋々政府が帝国憲法発布、帝国議会設置をしたという説明だが、本書ではそれがまったくの誤りであることが分かる。議会構想はすでに大久保利通らが明治2年頃からあったのだ。また帝国憲法が当時としては議会に大きな権力を持たせていたことも指摘されている。

  • さとうしん さん

    幕末の「公議」の主張から第一議会閉会までの帝国議会開設史。大日本帝国憲法に議会の役割として「協賛」の語が用いられた経緯、元老院の果たした役割、そして当初は元老院がスライドして上院となると見られていたが、結局閉院に至ったという経緯などを面白く読んだ。

  • MUNEKAZ さん

    第一回帝国議会開催までの道程を追った一冊。親藩・外様の藩主から中下級藩士・公家まで、幕藩体制で国政への関与を封じられていた人々による「公儀」の完成が明治維新ならば、元勲たちの政党を警戒しつつも一貫して議会開設には前向きという姿勢も納得というところ。面白いのは帝国議会開設前に存在した元老院についても大きく扱っている点。全くの無より上からの押しつけで議会が生まれたのでなく、そこに至るまでの短いながらも蓄積があったことがわかる。

  • きさらぎ さん

    帯の「志士たちの理想は実現したか」が何となく沁みる一冊。法学博士で単著は元老院という筆者による帝国議会の話、ということで、幕末〜明治前期の歴史把握についてはもう少し典拠を示して欲しいなあという部分もあるが、公儀所、左院、元老院、枢密院の成立過程や構成員達の思惑を丹念に追いながら、自由党や改進党などの動き、伊藤博文の憲法調査と認識の深まりなどにも目配りして帝国議会開設と第一回の議事進行までの道程を描いた労作だと思う。第一議会の閉会を園遊会で締めくくる構成は秀逸だと思う。当時の達成感を共有出来る気がした。

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