水の家族

丸山健二

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784763006356
ISBN 10 : 4763006355
フォーマット
出版社
発行年月
2006年06月
日本
追加情報
:
20cm,309p

内容詳細

死者の視線が、ある平凡な家族の過去と現在を照らし出す。村を流れる忘れじの川の流れとともに浄化されてゆく魂の救済を描いた、生と死の壮大な叙情詩。丸山文学の不朽の名作が、再生復活版で登場。

【著者紹介】
丸山健二 : 1943年、長野県飯山市に生まれる。国立仙台電波高等学校卒業後、東京の商社に勤務。66年、『夏の流れ』で文學界新人賞を受賞。同年、芥川賞を受賞し作家活動に入る。68年に郷里の長野県に移住後、文壇とは一線を画した独自の創作活動を続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • Islay さん

    かつての、特に短・中篇にみられた硬質で渇いた文体が駆使された、必ずしも何かが起こることが記されるのではなく、あるいは起こったことの説明が為される訳でもなく、それらが起こることの兆しや、ただならぬ気配を、その周辺で微細に、または圧倒的な情動で変化する明暗のその彩度や温度差や臭気や音量や音圧などといった緻密に書き込まれた外部によって、想像力を試され、刺激させられた無比なる魅力も今は昔。しかし、この作品には、思春期に愁える中学生時代の三浦しをんを心酔させ、勇気づけた小説の真髄、強くて美しい言葉たちが確かにある。

  • メタボン さん

    ☆☆☆☆ 以前から気になっていたが「極北の作家」という印象があり、読めなかった丸山健二を初めて読んだ。ストーリーテリングで読ませるのではなく、大衆受けはしないだろうが、言葉の密度が濃密であり、文章を味わう愉楽がある。挿入される詩のような一行がとりわけ濃密で美しい。この挿入句が、読書の歩みを立ち止まらせ、より深く物語の世界観に浸らす効果がある。そして挿入句に挟まれた本文の長さ、まさしく水のように流れる文体のリズムが心地よい。不思議で暗い内容だが妹とその子供の存在に光が見える。塒という字も初めて知った。

  • UK さん

    散文詩のような表現に冒頭たちまち惹きこまれる。が、それが延々と続くと知って我に返り、たちまち飽きてしまった。なんだか川の淀みで同じ水がぐるぐるずっと回っているみたい。こんな小さな主題と範囲でよくこんだけ大量にお書きになられましたなあ。数ページの凝縮した詩にでもすれば印象的だったかもしれないね。初読みさんだけどもう近づかない気がする。

  • ももたろう さん

    濃厚で幸福な時間を過ごさせてもらった。死者の目から語られる主人公の家族は、皆それぞれに何らかの悲しみを裡に宿しながら生きている。物語の中で絶え間なく流れている水によって、家族それぞれの悲しみが人間単一のものではなくなり、自然にまで溶け出し、やがてまたそれぞれの生を肯定していくように感じた。水には悲しみも喜びも全てを肯定する美しさを感じた。さらさらと流れゆく水の美しさと人間の悲しみが完璧に融和し、透徹された世界観を感じる素晴らしい物語だった。

  • うえうえ さん

    文章がさりげなく美しい。水の家族という字面の美しさ。暗い水底に沈む弟、殺人を犯す祖父、家に縛られた長男、病気のふりをする母親、自立した妹、そして無様に死んだ自分…… ぐるぐる回る水車…… ストーリーというより文章の力で読ませる。

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丸山健二

1943年、長野県飯山市に生まれる。仙台電波高等学校卒業後、東京の商社に勤務。66年、「夏の流れ」で文學界新人賞を受賞。翌年、第56回芥川賞に史上最年少(当時)で受賞し、作家活動に入る。68年に郷里の長野県に移住後、文壇とは一線を画した独自の創作活動を続ける。作品多数。また、趣味として始めた作庭は次

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