世界インフレと戦争 恒久戦時経済への道 幻冬舎新書

中野剛志

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784344986787
ISBN 10 : 4344986784
フォーマット
出版社
発行年月
2022年12月
日本
追加情報
:
227p;18

内容詳細

世界が物価高騰に襲われている。この高騰は、景気の過熱に伴う「デマンドプル・インフレ」ではなく、景気後退・政情不安を招く「コストプッシュ・インフレ」の性格が強い。背景にあるのは、グローバリゼーションの終焉という歴史的な大変化だ。このようなときには安全保障の強化や財政支出の拡大が必須だが、それらを怠ってきた日本は今、窮地に陥っている。世界秩序のさらなる危機が予想されるなか、もはや「恒久戦時経済」を構築するしか道はないのか。インフレの歴史と構造を俯瞰し、あるべき経済の姿を示した渾身の論考。

目次 : はじめに 物価高騰が示す世界の歴史的変化/ 第1章 グローバリゼーションの終焉/ 第2章 二つのインフレーション/ 第3章 よみがえったスタグフレーション/ 第4章 インフレの経済学/ 第5章 恒久戦時経済/ おわりに 悲観的積極主義

【著者紹介】
中野剛志 : 1971年、神奈川県生まれ。評論家。専門は政治経済思想。東京大学教養学部卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。2000年よりエディンバラ大学大学院に留学し、政治思想を専攻。同大学院より2005年に博士号を取得。2003年、論文、‘Theorising Economic Nationalism’(Nations and Nationalism)でNations and Nationalism Prizeを受賞。著書に『日本思想史新論』(ちくま新書、山本七平賞奨励賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 壱萬弐仟縁 さん

    デマンドプルインフレと、コストプッシュインフレは、高校政経でも出て来た。なので、高校生でもそのメカニズムを知りたい場合はおススメできる。難しいかもしれないが、今起きていることの理論的解説がなされているのは、下々としてはうれしいことだ。また、スタグフレーションの言い換えもなされている。興味のある人は、一読をおススメしたい。

  • 読特 さん

    2種類あるインフレ。「消費意欲が旺盛で生産が追い付かず値段を上げる」「資源など生産のベースとなるものの調達手段が突如失われ、品薄となり物価が上がる」。前者は比較的経済が良好な状態。政府は消費が過熱な時のみ財政と金融を引き締めればよい。後者は危機的な状況。棄損した生産力をカバーすべく積極財政で投資を促す。対策は真逆だ。両者の区別がつかず誤った判断に至ったFRB。その行くつく先は世界の混とん。経済学は未発達な学問。人々を幸せに導けていない。”節約”が常に正しいとは限らない。財政赤字は経済が健全である証拠。

  • ta_chanko さん

    冷戦後、急激に進展したグローバリゼーションは2008年の世界金融危機(リーマンショック)を機に後退し、2020年の新型コロナウイルスによるパンデミックと2022年に始まったロシアのウクライナ侵攻によって終焉を迎えた。その結果、世界的にインフレが広がっている。供給減少によるコストプッシュがその原因。これに利上げで応じても効果はない。格差の拡大は反乱・革命・戦争などの危険性を高める。パンデミックや気候変動にも見舞われている今、積極財政・産業政策・資本規制・価格統制による恒久戦時経済しか道はない。

  • belalugosi6997 さん

    帯に「このインフレ、…」とある、この=コスト・プッシュ型(以下)である。ディマンド型ならば特効薬があるが、CPはそれぞれ個々の対処方法が違うので経済だけでなく、地政学や史学を要するために経済学では対処できないのである。問題は今回のインフレはCPであり、欧米の中央銀行が実施した「利上げ」は失政愚策である。なぜ利上げをしたのか?富裕層や企業にとって利上げによる貨幣価値の下落は大歓迎で、財政出動や減税は嫌悪となる。この著書で「実物資源の供給の制約」「恒久時戦時経済」を理解できなければ読解は厳しい。ベスト著書

  • Mc6ρ助 さん

    『資本主義は望ましい雇用水準を維持するために政府による需要の創出を必要とする。しかし、その需要は軍事目的に限らない。今日の政府は、全般的危機に対処するため、財政支出を通じてではあるが、 まるで戦時下のように実物資源を動員しなければならなくなっている。そういう意味において「恒久戦時経済」なのである。(p105)』グローバリゼーションが終わって世の中コスト・プッシュインフレだと分かったけど、政府のやることが信じられない今の日本、上級国民以外「欲しがりません勝つまでは」と言われても無理筋だよね。

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人物・団体紹介

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中野剛志

評論家。1971年、神奈川県生まれ。元・京都大学大学院工学研究科准教授。専門は政治経済思想。1996年、東京大学教養学部(国際関係論)卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。2000年よりエディンバラ大学大学院に留学し、政治思想を専攻。2001年に同大学院より優等修士号、2005年に博士号を取得

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