何日君再来物語 歌い継がれる歌　禁じられた時代 ノンフィクション・シリーズ“人間”

日中両国でしばしばタブー視され、しかも作曲家と最初に唄った歌手に兇々しい悲運をもたらしつづけながらも、戦争と平和をこえて半世紀にわたり、日中双方の民衆に愛され歌い継がれてきた不滅の大衆歌曲、それが「何日君再来」であった。

目次 : 一九七九年横浜中華街/ 帰ってきた「亡国の歌」/ 戦争とともに歩んだ歌手/ 上海　誰と見る青い月/ 我家は東北　夢の国際スター/ よき運命常には有らじ/ 謎を解く第一報来る/ 孤児・小紅から歌姫・周〓（せん）/ 風雲渦巻く上海映画界/ 明星歌手の運命の岐路/ 左派対芸術派の谷間/ 愛国的作曲家・劉雪庵の回答/ 流行の全盛期襲う苦難/ 上海の空に永遠なれ金の笛/ 三たび甦る銀河の旅路/ 一九八七年上海・北京

【著者紹介】
中薗英助 : １９２０年、福岡県生まれ。旧制八女中学卒業。旧満州を経て北京遊学。邦字紙『東亜新報』の記者。『燕京文学』同人。引揚後、１９５０年、『近代文学』に「烙印」を発表。主な著作に『闇のカーニバル―スパイ・ミステリィへの招待』（日本推理作家協会賞、双葉文庫）、『北京飯店旧館にて』（読売文学賞、講談社現代文庫）、『鳥居龍蔵伝―アジアを走破した人類学者』（大佛次郎賞、岩波現代文庫）。１９９６年、神奈川文化賞受賞。２００２年４月９日、死去（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）