中高年ブラック派遣 人材派遣業界の闇 (講談社現代新書)

中沢彰吾

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062883146
ISBN 10 : 4062883147
フォーマット
出版社
発行年月
2015年04月
日本
追加情報
:
248p;18

内容詳細

少しでも収入を増やせればと日雇い派遣のアルバイトに登録する中高年が増えている。58歳著者が体験した「奴隷派遣」の壮絶現場。


◆人材派遣が生んだ奴隷労働の実態を伝える衝撃ルポ◆

年収3000万円を豪語する人材派遣会社の20代社員が、
自分の親世代の中高年を時給数百円の日雇い派遣で酷使。

「ほんとにおまえは馬鹿だな」
「中高年は汚いからダメ」
「てめえみてえなじじい、いらねえから」

塩素ガスがたちこめる密室で6時間にわたって「イチゴのへた取り」、
倉庫内で1日中カッターナイフをふるう「ダンボール箱の解体」……。

いったい、これのどこが「労働者にとって有益な雇用形態」
「特別なスキルを活かした熟練労働」なのか?

労働者をモノ扱いする政府・厚労省の欺瞞を暴く!

----------
◆人材派遣業界が抱える闇◆

この問題が根深いのは、経費削減や税金の無駄遣いの防止、
法律遵守や公共の福祉への貢献を求められる多くの団体、企業が、
事業入札に安値で臨む人材派遣会社を「歓迎」していることである。

世間から真っ当と見られている団体、企業がこぞって
人材派遣会社の繁栄を支援している。

歪んだ労働市場に寄生し、中高年を低賃金の奴隷労働で酷使し、
ピンはねで肥え太る人材派遣……。
彼らの増殖と繁栄は底辺の労働者のさらなる困窮と表裏一体であり、
日本社会の創造的な活力を削いでいるのではないか。

人材派遣という名の「人間キャッチボール」では、
ボールの種類や性能は問われない。
人材派遣会社も派遣先企業も、ボールを大事にしない。
思った通りに飛ばないボールは、ただ捨てられるだけだ――。

----------
◆本書のおもな内容◆

第1章 人材派遣という名の「人間キャッチボール」
―「いい年して、どうして人並みのことができないんだ!?」
第2章 人材派遣が生んだ奴隷労働の職場
―ノロウイルス感染者に「大丈夫ですから勤務に行って」
第3章 人材派遣の危険な落とし穴
―「もう来るなよ。てめえみてえなじじい、いらねえから」
第4章 悪質な人材派遣会社を一掃せよ
―「二度と仕事紹介してもらえないよ。かわいそう」

[著者紹介]
(なかざわ・しょうご)1956年生まれ。東京大学卒業後、1980年毎日放送(MBS)入社。アナウンサー、記者として勤務。2006年、身内の介護のため同社を退社し、フリージャーナリストに転身。書籍や週刊誌、夕刊紙の取材・執筆活動のかたわら、派遣会社に登録。日雇い派遣業に従事している。

【著者紹介】
中沢彰吾 : 1956年生まれ。ノンフィクションライター。東京大学卒業後、1980年毎日放送(MBS)に入社し、アナウンサー、記者として勤務。2006年、身内の介護のために退社した後は、著述業に転身(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • mitei さん

    読み進めていくとどんどんこの国の派遣業のクソさに気付かされた1冊。なんとかならんもんかなぁ。

  • kinkin さん

    派遣法改正が成立した後に読んだ。2000年頃から急激に増加した派遣。人件費は年金や健康保険など会社負担分が減るだけでも大きなメリットがある。その派遣の期限が3年を超えてもいけるとなれば会社、企業が¥としてはこんなありがたい法律はないと思う。派遣というものにほとんど無縁の国会議員先生方はこの本の内容をどこまで知っているのだろう。国会も居眠りやアクビ多発ならこれこそ派遣でも構わないのではないか。と感じた。派遣会社で大手を振っている社員もいずれは同じ目に遭うことを肝に銘じてほしい。

  • GAKU さん

    派遣業界の極々一部の、悪質な面ばかり書いている。業界に悪意があるとしか思えない内容。派遣業界を知らない人に、間違ったイメージを与える。

  • 壱萬弐仟縁 さん

    人材派遣会社は好き勝手に労働者を搾取して利益を上げられる(8頁)。健全な労働とは、雇用主と労働者の間に信頼関係があって初めて成立。ばっきゃろう、制服はここで脱ぐんだ! おまえらが25秒で作らないと、うちは赤字なんだよ(38頁)。派遣労働者に人権はないようだ。人材派遣会社の業務とは極端な話、電話とパソコンで連絡するだけだ(40頁)。日本の同業界は、労働者を人間でなく、ロボットより低コストで需要の増減に即座に対応できる画一的人間型マシンと位置づけ指示通りに働かせるという(41頁)。

  • リキヨシオ さん

    ここまで過酷だったら…逆に嘘だと思いたい!ただ著者の実体験も描かれているから…一部の中高年派遣労働者がモノ扱いされているのは本当か。少子高齢化が進み、収入の格差と共に少数の若者が大多数の高齢者を支えるという近未来、この問題は他人事ではない。「長年蓄えた特別なスキルを活かした労働」という狙いと「マニュアル化による単純化と使い捨て可能で必要最低限の費用で莫大な利益を生む」システムとの矛盾。あと派遣労働者を上手く使いこなさないと生き残れない派遣会社の社員、利益を享受する経営者の目線も知りたいと思う。

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中沢彰吾

1956(昭和31)年生まれ。ノンフィクションライター。東京大学文学部卒業後、80年毎日放送入社。アナウンサー、記者として勤務後、身内の介護のため退社。以後、派遣労働者として働きながら執筆活動に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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