三酔人経綸問答 光文社古典新訳文庫

中江兆民

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784334752866
ISBN 10 : 4334752861
フォーマット
出版社
発行年月
2014年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
312p;16

内容詳細

自由平等・絶対平和の追求を主張する洋学紳士君と軍備拡張で対外侵略を、と激する豪傑君に対し、南海先生の持論は二人に「陳腐」と思われて…。自らの真意を絶妙な距離感で「思想劇」に仕立てた中江兆民の代表作。未来を見通した眼力が、近代日本の問題の核心を突く!三人の酔っ払いが繰りひろげる正論、暴論、極論ありの“憂国放談”!中江兆民の最高傑作、待望の新訳!

【著者紹介】
中江兆民 : 1847‐1901。政治思想家、翻訳家、哲学者、ジャーナリスト、自由民権運動家。土佐(現・高知県)出身。本名は篤助(または篤介)。1871年、岩倉使節団に同行して渡仏。’74年帰国後、東京に仏学塾を開き新しい学問・思想を教育する。西園寺公望の「東洋自由新聞」主筆をつとめ、自由党創設に参画、著作以外に、ジャーナリストとして自由民権思想の啓蒙と専制政府への攻撃をおこなう。ルソーの『社会契約論』を翻訳・読み解いた『民約訳解』は明治以降、大きな思想的影響を与えた。門下に幸徳秋水がいる

鶴ヶ谷真一著 : 1946年東京都生まれ。エッセイスト。早稲田大学文学部卒業。著書に『書を読んで羊を失う』(第48回日本エッセイスト・クラブ賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • molysk さん

    酒を酌み交わす三人が論ずるは、明治日本の進むべき道。「洋学紳士」は、自由・平等・博愛を掲げて民主化と絶対的平和主義を説く。「豪傑君」は、軍備拡張と海外への膨張による国力の充実が必要とする。「南海先生」は、漸進的な国防の整備や民主制の発展が重要と訴える。帝国議会開会の三年前、民権運動の挫折の後に兆民が執筆した本書では、非武装平和主義と武装化膨張主義の両極端な主張と、中庸な現実主義の主張が繰り広げられる。いずれも兆民の多面的な考えを表すとみられるが、その後の日本の歴史を見れば、その慧眼には感心するほかにない。

  • 文公 さん

    紳士君、豪傑くん、南海先生3人の主張自体は今でも耳にするが、「相手の主張を最後まできちんと聞いてから反論する」という点においては、そういう人は今の政界・言論界では見なくなったな

  • cockroach's garten さん

    東洋のルソーと呼ばれた人物。恐らく中江兆民について大抵の人が知っているのはこの事ぐらいだろう。彼はルソーのことを日本に紹介した人物である、だが思想家としてはどうなのだろうか。本書からそれを知ることが出来る。三人の人物が座談会であれこれと主張する作風は珍妙だが、ウイットが効いていて面白い。昔のことだけども今にもありそうな感じがある。そして兆民の思想を表しているとされる南海先生の漸進的でありながら革新的だ。どの主張も緻密な理論を形成しており、また読んでみたくなる

  • 白義 さん

    進歩民主主義の化身たる紳士君、富国強兵主義の化身豪傑君に兆民の分身とも言える南海先生、そしてそれをメタ的に野次る欄外の突っ込みらが織り成す対話劇で、彼らの対立の中に兆民の膨大な博学教養を詰め込んだ濃密な本。各キャラも記号ではなくなかなか凄い箇所がたくさん。豪傑君曰く、文明開化期に辺り後発国では新し物好きと古い物好きで国が二分する。俺は古い物好きだがそれは国の癌みたいなもんだから、他国を侵略して戦争させ、取った土地をやるか、さもなくばその戦争で死なせちまえばいい。無茶苦茶言っとりますな

  • ロビン さん

    「東洋のルソー」と呼ばれた明治の思想家・中江兆民が、欧米列強と渡り合っていかねばならなかった当時の日本の状況を念頭に置いて、民主主義者で完全平和主義の洋学紳士、軍事力をもって国家を強くし日本の独立を守るとする豪傑、急進的な二人に対して漸進的な民主制を唱える南海先生の三人に議論をさせるスタイルの著作。平和は多くの人の望むところであるが、洋学紳士ほど非戦を徹底することは実際には難しいであろうし、豪傑の思想では戦争を克服することはできないであろう。身近な人と議論する際にこの本をもとにするとよいのかもしれない。

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中江兆民

1847(弘化4)年、高知生まれ。本名、篤介。71年に明治政府のフランス派遣によって留学。帰国後は仏学塾を設立し、東京外国語学校長、元老院権少書記官を務める。81年、西園寺公望らとともに「東洋自由新聞」を創刊し、主筆として自由民権論を展開。民主主義思想やルソーの社会契約論を説く『民約訳解』『三酔人経

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